幼獣伝説へようこそ
2026年04月24日
幼獣伝説―冒頭部
NOTEに掲載を開始した自作作品への入り口をなんでも評点にも作っておこうと思う。上の画像をクリック。NOTEへの掲載を開始した長編SF小説『幼獣伝説』の該当箇所にジャンプできる。
本作はカクヨムに昨年初めに発表したのだが、カクヨムはAI小説の壮大な実験場と化している。独創性のない「量産型」文章の集合体。どこかに光る書き手がいるんだろうが、見つからない。「転生」「異世界」の無限ループに吐き気を催す。幼獣伝説は異なる題名だったのを変更し、主人公の名前もパメラからパオラに変更した(若いころに欧州で知り合ったイタリア人女性の名を借りた)。細部も手直ししている。今後、パオラの娘詩伊奈が幼獣と力を合わせてロシアの核兵器を無力化する―というストーリーを焼き直そうか検討中。
幼獣伝説―第2話:巨大ヒヨコ

第2話をご紹介する。上の画像をクリックされたし。
ごく一部を以下に抜粋する。
AAA事務局に出勤したパオラは、午後二時からの獣医の診察に合わせて天王寺区のネオネビュラへ向かった。四月の物憂い昼下がり、夢洲から舞洲に架かる橋を昇り詰めると、大阪四区の空が霞んでいるのが臨める。
巨大ヒヨコは、確かに巨大だ。数日のうちにかなり成長したかもしれない。青木理事たちは中型犬の成犬用ケージに巨大ヒヨコを収納して獣医院に向かった。
獣医の井上氏は、巨大ヒヨコを見ると、「数日で一回り大きくなりましたね」と驚きを隠さない。「保護されるまで餌が足りなかったところに、ミルクをコンスタントに与えているからでしょう。鳥類でも、親が雛にミルクを与えることがあります。身近なハトなんかがそうでして、ピジョンミルクと呼ばれています。素嚢乳(そのうにゅう)とも呼ばれますが、ハトの出すミルクは非常に栄養価が高い。でも哺乳類じゃないので乳首から授乳するのではなく、胃の方から吐き戻して雛に与えます」
2026年04月25日
幼獣伝説―第3話:映画制作
2026年04月26日
幼獣伝説―第4話:QH(地震列石)が地震エネルギーを減衰させる仕組み
肝心の記述を抜き出すと:
QHに関する断片的な情報を知っていた翠は、最初期のQHが関西地方の琵琶湖を中心に埋設されていることを知っていた。さらに、関東地方なら、千葉市の海浜地帯に新しいQHが埋設されていることを知っていた。二〇三一年一月一五日夕刻にに幕張のホテルに到着すると、部屋を抜け出して、地上に露出しているはずの〔大理石タイル〕を探してみた。
道路のセンターラインを構成する線分ぐらいの〔大理石〕模様が見つかった。その模様は真っすぐ伸びているように見えた。海は潮が満ちてきていてボラかスズキが飛び跳ねていた。〔大理石タイル〕が東京湾に吸い込まれているのが見えた。〔大理石タイル〕が本当に大理石製なのかどうかは不明だ。大理石のように見えるだけだ。
翠が得た断片的な情報に材質は記されていなかったが、地表に露出している部分がストーンヘンジで言えば、石柱の上に置かれている石に相当する。QHがストーンヘンジを地下に埋設したような構造だとすれば、〔大理石タイル〕の下に石柱が埋まっていることになる。しかし、海中に消えていくのを見ると、そんな大変な工事を人知れず完了できたことが不思議だ。この時点で翠は知らなかったが、南海トラフの揺れを完全に抑える巨大QHが日本列島北岸沖海底に敷設されていた。南岸ではなく北岸である。日本海である。南海トラフ地震の震源域プレートは、日本海側の活断層と連動しているためだと思われる。
翠は、琵琶湖畔でも〔大理石タイル〕を見たことがある。琵琶湖畔でサイクリスト向けのコーヒーショップを営む友人によると、二〇年以上前から存在していると言う。琵琶湖を周回するロードバイクが雨や雪の日に〔大理石タイル〕でスリップする事故が後を絶たないらしい。
こちらの〔大理石タイル〕は、琵琶湖大橋の西詰付近から琵琶湖に潜っている。実は、これが日本に埋設された最初期のQHであり、翠が奈良県の雀荘で亜藤と名乗る流浪民の代打ちと出会った二〇一三年のあの日に奈良県でM七・八の地震が発生したと誤報があったとき、奈良と大阪を大震災から救ったQHである。二〇一三年当時は、AIがあまり酷使されていなかったため、ネットワークリソースが消費されていなかった。QHは、地震発生日時と規模を正確に予知するためにAIを使用し、地震エネルギーの分散にストーンヘッジ構造を使う。その当時はAIによる地震予測が二〇一〇年代後半以降よりはるかに高速だった。
生成AIは、各言語の話者が言葉の壁を意識することなく自由に使えるようにするために翻訳AIによるネットワーク帯域幅の消費が莫大であり、経済/軍事用途で生成AIを多用していた各国政府が翻訳AIを廃止するよう求めたのが、二〇二〇年代後半である。それ以降、AIは英語(もしくは中国語)でしか操作できないものが多数派となり、日本語で生成AIを操ることができなくなり、翻訳特化型AIが利用できなくなった。
マグニチュード七・八と観測された二〇三一年一月一七日の関東新震災は、前震だった可能性がある。その後、一か月以内にM七を超す地震が数回発生した。しかし、環状列石とAIを組み合わせて地震のエネルギーを分散させるQHがようやく完成したおかげで、緊急地震速報が発出されても地表に影響はまったく発生せず、そのたびに気象庁は「誤報」と訂正していた。
二〇一三年に奈良県でM七・八の地震が発生し、『震度七の大地震が奈良県と大阪府を襲う』と警告する緊急地震速報が発出した。あれは、トライアル運転中のQHプロトタイプが完璧に作動したおかげだったのだが、その後、AIが他の用途に多用されるようになり、ネットワークリソースが不足するようになると、QHは予測精度が低下し、効果を発揮できなくなった。二〇二九年の相模トラフ大震災では、QHの列石構造が作動して多数のワームホールを生成したのだが、AIが地震発生のタイミングを正確に予知できなかった。
QHでは、大地震の発生予測にAIを酷使する一方で、エネルギーの分散には半径数十キロの環状列石を駆使する。しかし、実際に大地震が起きないと、エネルギー分散を正確にプログラミングできなかった。
二〇二九年三月一一日の相模トラフ大震災で震源に発生したM八・〇のエネルギーの大部分は、地中にワームホールを開けるために消費されたが、津波の被害が広範囲に及び、首都圏への人口集中が死者・行方不明者数五万人という未曽有の大災害を招いた。二年後の二〇三一年一月一七日にM七・八の関東新震災が発生したのだが、こちらに対してはQHが完全に作動し、今回は地震のエネルギーが過去に繋がる〔横向きのワームホール〕生成に費やされただけでなく、〔あの世〕を含む異次元につながる〔縦向きのワームホール〕生成にも費やされた。QHがなければ死者・行方不明者は数十万人を超えていただろう。

2026年04月28日
NOTEでリリースしているSF小説『幼獣伝説』のあらまし

全オリジナルの自作長編SF小説『幼獣伝説』を創作発表サイトNOTEに投稿する作業を進めているのだが、長編につきNOTEの「マガジン」機能を利用している。
いったいどういうSFなのかを嚙み砕いて紹介しよう。2029年3月11日に相模トラフを震源とする(気象庁が現在異常に神経を尖らせている南海トラフじゃなくて)マグニチュード8.0の大地震が起きる。国会議事堂が倒壊して居眠りをしていた議員の多くを含む議員の半数が即死し、津波が首都圏を洗い流して、首都が壊滅する。
このままじゃ日本が終わるということで、政治機能が大阪都に移され、天皇家は京都に。外国から侵略されてはかなわんので侵略を防ぐべく侵略対策局(AAA)が防衛庁傘下に新設される。広島原爆数百万個に相当する膨大な地震エネルギーから各地にワームホールが生成されており、そこから謎の幼獣たちが現れる。
大の日本アニメ好きで、15歳までに日本語の基本を取得してしまったイタリア娘のパオラが日本の高校に留学したが、そんな彼女が子持ちとなった今、AAAの幼獣調査課の課長に抜擢される。
―というストリーだが、ロバート・ハインラインやアイザック・アシモフを青春時代に読み漁り、大人になってからはサイエンス文献の翻訳に明け暮れ、当ブログでは世界の珍ニュースを紹介してきた筆者が複雑な概念をでっちあげているのが幼獣伝説である。
NOTEで募集している「創作大賞」にはSF部門がないのだが、漫画やアニメの原作になればいいと最初から想定していた筆者にはぴったりの「エンタメ原作部門」を選ばせていただいた。
これとは別に小さいスケールの中で展開する中編ミステリー小説「NORA」もNOTEでリリースしている。
Miccckey
1960年代生まれ。大阪在住。ハイテク、IT、メディカル関連など、お堅い分野のトランスレータ。ふと気がつけばキャリアは20年に迫ろうとしている。普段は制約の中で仕事をしていて、その反動でこのブログを始めたのだが、結局いろんな制約の中で記事を綴る日々。