クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:お二人の弁護士による対照的な見解&当ブログ内記事の整理

2004年11月12日

お二人の弁護士による対照的な見解&当ブログ内記事の整理


ライブドアによる記事の強制削除については、黄泉裏新聞ブログで先に報告があったように、弁護士の方も関心を寄せてくださっている。「復旧した記事(最初から動画へのリンクなし)が再び強制削除」の記事にも、落合洋司弁護士(東京弁護士会)が日々是好日ブログの下記記事で言及してくださっている。




当ブログから削除された「もはや残虐ビデオ制作が目的化してしまっている」の記事(ミラーはこちら)が公序良俗に反しているととうてい思えないこと(および香田さんの名誉を毀損するような記述も含まれていないこと)は、これまで何度もここで書いてきたとおりだが、落合洋司弁護士も上記ブログ記事で

ここに記載されていることが事実であれば、なぜ削除されなければならないのか、私にもわかりません。


とおっしゃっている。法律の専門家の方にも、削除の理由がわからないのである。落合洋司弁護士は、上記記事のほか、下記の記事でも本件に関する見解を述べておられる。



ライブドアによる強制削除については、落合洋司弁護士だけでなく、小倉秀夫弁護士も「IT法のTop Front」ブログの下記記事で言及なさっている。



このお二人の弁護士がブログ記事に書いておられる見解は互いに対照的である。簡単にまとめると、次のようになるだろうか。

  • 落合洋司弁護士
    ブログ・ホスティング・サービス業者は表現の自由・言論の自由を過剰に制約してはならない。今回の強制削除は行き過ぎである可能性が高い。

  • 小倉秀夫弁護士
    ブログ・ホスティング・サービス業者が表現の自由・言論の自由を守る立場になるには、経済的負担が大きく、法的リスクも大きすぎる。自社の利益もしくは安全を優先する(たとえば疑わしい記事を削除する)のはやむをえない。


つまり、落合洋司弁護士はブログ・ユーザーの視点、小倉秀夫弁護士はホスティング・サービス業者の視点に立って潜在的な法的問題点を指摘しておられる。

小倉秀夫弁護士の上記記事には、ブログ・ホスティング・サービス業者(ライブドア)はブログ開設者の身元を把握できていないという指摘がある。たしかに、でたらめの住所とフリーメールアドレスを使ってブログを開設することが可能である。

しかしながら、この「なんでも評点」ブログは有料制ブログであり、クレジットカードで料金を支払っている。筆者の身元は既に明らかだといってもいい。

当ブログおよびほかの有料制ブログに関しては、小倉秀夫弁護士が指摘されている

そのことによる損失をBLOG主に転嫁しようにも、そのBLOG主がどこの誰だかわからないわけですし、にっちもさっちもいかなくなってしまいます


の問題は起こりえないはずである。【投稿後付記】小倉弁護士からいただいたコメントによると、カード会社は一般にユーザーの氏名や住所を教えないとのこと。カード番号という手がかりが記録される以上、まったくの匿名ではなくなるにしても、簡単には身元を特定できないようである。

そればかりか、有料会員がこのような有無を言わせぬ削除を受けた場合は、消費者保護法に触れる可能性もあるのではないかと思う。(もしこの記事をご覧になっておられれば、この点についてのご意見をお聞かせ願いたいところです>落合先生、小倉先生)。

余談だが、ブログ記事が削除された同日に奇しくも私生活で消費者保護法に関わるようなトラブルが生じてしまい、行動を起こすための準備をしているところだったりもする。

【本件に関する情報をまとめてくださっているブログ記事】_



【当ブログ内の関連記事を整理】

  • 公序良俗に触れてもいない記事が突然削除される - 11/07
    当ブログの11月2日付記事「もはや残虐ビデオ制作が目的化してしまっている」がライブドアの手によって削除されたことを最初に報告した記事。

  • livedoorBlog運営事務局による強制削除 - 見えてこない明確な基準
    当ブログ以外に削除された記事を調べてみたところ、動画への直リンクが含まれているにも関わらず削除されていない記事なども見つかった。つまり、ライブドアの削除基準が不明瞭なのだ。

  • ユーザーの知的財産(ブログ記事)を守ることがlivedoorBlog運営スタッフ諸君の最も重要な使命では?
    ここで「守る」というのは「物理的に守る」、つまり「サーバー上に維持する」の意味である。無断での強制削除に出る前に、ライブドアが踏むべきだったのではないかと思う手順のモデルを示してみた。

  • 復旧した記事(最初から動画へのリンクなし)が再び強制削除
    削除された記事については、ローカルコピーが残っていたので、そのコピーを同一URLに復旧しておいたところ、再度削除された。復旧したのは、なんら違法性がないという自信があることに加え、各所からリンクしていただいていたため、リンク切れになるのを避けたかったからである。

    この記事には、元記事をいくつかのブロックに分けて再掲してある。

  • 通報があったから削除したということらしい
    バイトブログ」の「香田証生さん殺害映像に関するブログ削除の件」という記事(この記事も既に削除されてしまったが)によると、当ブログの記事が削除されたのは、「故人の名誉を毀損する表記(ママ)」があるとする通報を受けてのことだという。

    そのような「名誉毀損通報」は、香田さん本人または家族からの通報でない限り無効である。また、元記事には香田さん個人に関する記述が含まれておらず、名誉毀損に当たりそうな記述はどこにもない。


当ブログの全記事一覧を見る



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1. 落合弁護士が[なんでも評点]の記事削除に関して言及  [ 黄泉[裏]新聞 - 号外 ]   2004年11月12日 19:38
さて、何が問題と感じてlivedoorは執拗に削除をするのやら???
2. 香田さん関連記事削除問題の簡単なまとめ  [ 名無しさん?の今日見たもの ]   2004年11月12日 23:26
香田さん関連記事が削除された問題について、「デパス四錠と煙草一箱」の「はてな」はパブリックコメントを募集、生扉いまだ沈黙という記事で詳しくまとめられています。 私なりに大まかな出来事を時系列でまとめてみました。 ...
3. livedoor利用規約を一部変更  [ デパス四錠と煙草一箱 ]   2004年11月13日 08:58
・livedoor Blog 開発日誌:利用規約の一部変更のお知らせ (変更後) 本サービスにて作成されている全てのコメントおよびトラックバックを含むウェブログについて、弊社は、利用者への通知なしに無償で利用することができるものとし、利用者は、弊社及び弊社の指定する者に
4. Blogの著作権は?〜利用規約の一部変更のお知らせより〜  [ Y's WebSite : Blog 〜日々是好日〜 ]   2004年11月13日 11:32
libedoor BlogのトップページのWhat's Newに「利用規約一部変更のお知らせ」というリンクがありました。livedoor Blogの利用規約の一部が変更されたようです。 livedoor Blogのユーザーにとって強く関わる部分は、第8条(ウェブログの公開について)かと思います。第8条

この記事へのコメント

1. Posted by 小倉   2004年11月12日 17:12
 クレジットカード番号がわかっても、信販会社は、そのクレジットカードの交付を受けている者の氏名及び住所を教えないのが一般的ではないかと思います。
 同様に、有料ISPから交付されたメールアドレスが用いられている場合も、当該ISPは当該メールアドレスの交付を受けた者の氏名及び住所を教えないのが通常です(当該権利侵害情報が、当該ISPの通信設備を介して、BLOG事業者のサーバに送信されたのでなければ、発信者情報開示請求の対象にもなりません。)。
2. Posted by miccckey   2004年11月12日 17:40
>小倉さん

コメントありがとうございます。

今、有料ブログの登録フォームを表示させて確認してみたのですが、記入するのはカード番号とカード上の名前だけですね。てっきり、カード番号と共に住所・電話番号も入力したような気がしていたのですが、よそと間違えていたのかもしれません。

名誉毀損など、民事で訴えられた場合にはカード会社も氏名や住所を教えないのが一般的だ・・・ということですよね。刑事事件の場合は教えるのでしょうけど。

うーむ。うちのブログは完全匿名ではないのですが、これはライブドア担当者には分かりづらかっただろうし・・・・(完全匿名ではないというのは、とあるサイトには私の本名と職業が記載されており、そこからリンクを2段階でたどるとこのブログにたどり着くという意味です)。

小倉さんのブログ記事ではNIFTY裁判の話も少し触れられていますが、私もよく覚えています。一時、NIFTYのフォーラム運営にオブザーバー的に関わったこともあるのですが、いざとなればIDで身元を特定できるのがNIFTYの「よさ」だったと思っています。

表現の自由を云々したところで、ブログの場合は匿名性が問題なわけですね。これに関してはまた考えがまとまったら記事にしてみようと思います。



3. Posted by af1812   2005年05月13日 11:05
此れと同じブログがヤフーブログ、EXブログ、ライブドアーHOMEPAEで連絡無しで削除されました。ラには苦情を言いましたが連絡無し<いずれもプロバイダーの契約はしてません>alpha-net.ne.jpと言うだけで、最初から投稿出来ない所もありました。現在のFC2NETWORKでも観ての通り、全く論点を外した、訪問者がクレームをいぞんで来ています。サイトにアダルトが無いとの悶々ですが、Y&Eアマゾンですらサイトはあり、そこから<GOOGLE>いくらでもポルノはアクセスできます。

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