2004年11月04日
筆者も実はそうなのだが、ogrish.comなどのサイトで過去の処刑映像を見たことがある人も少なくはないだろう。はっきりいって、映像の鮮明さや撮影アングルなどについては、香田さん殺害映像よりもっと残酷なものがある。
最近殺害された体格のよいアメリカ人男性の斬首シーンは、切断された気管から息が漏れる音が聞こえたり、斬首された後も体の筋肉が痙攣するなど、筆舌に尽くしがたいむごたらしさである。
最近殺害された体格のよいアメリカ人男性の斬首シーンは、切断された気管から息が漏れる音が聞こえたり、斬首された後も体の筋肉が痙攣するなど、筆舌に尽くしがたいむごたらしさである。
だが、見終えた後のショックは香田さんビデオの方がはるかに大きい。単に彼が日本人だったからというだけではない。
香田さんの生前の映像を私たちは何度もテレビを通して見ていた。香田さんは、私たちにとって「知っている人」だったのだ。「知っている人」が殺される映像が与える衝撃が「知らない人」のものと比べ物にならないほど大きいのは当然である。
先日、アルジャジーラはアイルランド国籍の人質女性が命乞いしている映像(殺害映像ではない)をオンエアしないことを表明した。映像が“生々しすぎる”というのがその理由である。というか、殺害映像は、人質が生きている姿を映した映像とセットになってこそ、敵国の国民に与える精神的打撃が大きくなるものとして設計されているのだろう。
殺害映像の「威力」を大きくするには、生前の姿を敵国国民にたっぷり見せておく必要があるということを犯行グループは知っているのだろう。
「知っている人」が殺されたと私たちは感じている。多くの人は、自分探しの旅に出ていたという香田さんのことを自分たちからそんなにかけはなれた人物ではなかったように感じているのではないか。これは世代を問わない。
同じ年頃の息子を持つ世代なら、自分たちの息子と重なる部分もあるだろう。30代後半〜40代の世代からすれば「自分探しの旅に出ること」を自分たちの青春の一コマと重ね合わせる人が多いだろう。ハイティーン〜30代前半までの世代なら、今まさに「自分探し」をしているところだったりもするだろう。
こんなふうに身近に感じさせてしまったのは、メディアのせいだ。メディア(特にテレビ)が連日のように香田さんに関する情報を流し続けたからだ。だが、いざ殺害映像が公開されてしまうと、「腫れ物」に触るかのような扱いに転じてしまった。
既存メディアの能力を超えた事態だからどうしようもないというのはわかる。しかし、筆者に言わせれば、人質が拉致された時点で斬首映像がネットで流される可能性がきわめて高いことを認識しておくべきだったのだ。
メディアが香田さんの素顔やプロフィールを無遠慮に伝えたのは、テロリストたちに手を貸すようなものだった。日本のテレビ関係者は、このことをわかっているだろうか。アルジャジーラは、気づき始めているようである。
一連の人質殺害事件には、インターネットを利用したサイバーテロという側面(「もはや残虐ビデオ制作が目的化してしまっている」参照)に加え、敵国国民の心に深いダメージを与えるために巧妙に企画されたサイコテロ(心理テロ)という側面もあるのだ。
香田さんの親族の方々にしても、あんなふうに個人情報が流されたことは決して歓迎できないことだったろう。しかし、日本政府の対イラク政策に及ぼす影響に重い責任を感じたからこそ、メディアへの露出を拒まなかったのだろう。本当は、そっとしておいてほしかったはずだ。
香田さんの生前の映像を私たちは何度もテレビを通して見ていた。香田さんは、私たちにとって「知っている人」だったのだ。「知っている人」が殺される映像が与える衝撃が「知らない人」のものと比べ物にならないほど大きいのは当然である。
先日、アルジャジーラはアイルランド国籍の人質女性が命乞いしている映像(殺害映像ではない)をオンエアしないことを表明した。映像が“生々しすぎる”というのがその理由である。というか、殺害映像は、人質が生きている姿を映した映像とセットになってこそ、敵国の国民に与える精神的打撃が大きくなるものとして設計されているのだろう。
殺害映像の「威力」を大きくするには、生前の姿を敵国国民にたっぷり見せておく必要があるということを犯行グループは知っているのだろう。
「知っている人」が殺されたと私たちは感じている。多くの人は、自分探しの旅に出ていたという香田さんのことを自分たちからそんなにかけはなれた人物ではなかったように感じているのではないか。これは世代を問わない。
同じ年頃の息子を持つ世代なら、自分たちの息子と重なる部分もあるだろう。30代後半〜40代の世代からすれば「自分探しの旅に出ること」を自分たちの青春の一コマと重ね合わせる人が多いだろう。ハイティーン〜30代前半までの世代なら、今まさに「自分探し」をしているところだったりもするだろう。
こんなふうに身近に感じさせてしまったのは、メディアのせいだ。メディア(特にテレビ)が連日のように香田さんに関する情報を流し続けたからだ。だが、いざ殺害映像が公開されてしまうと、「腫れ物」に触るかのような扱いに転じてしまった。
既存メディアの能力を超えた事態だからどうしようもないというのはわかる。しかし、筆者に言わせれば、人質が拉致された時点で斬首映像がネットで流される可能性がきわめて高いことを認識しておくべきだったのだ。
メディアが香田さんの素顔やプロフィールを無遠慮に伝えたのは、テロリストたちに手を貸すようなものだった。日本のテレビ関係者は、このことをわかっているだろうか。アルジャジーラは、気づき始めているようである。
一連の人質殺害事件には、インターネットを利用したサイバーテロという側面(「もはや残虐ビデオ制作が目的化してしまっている」参照)に加え、敵国国民の心に深いダメージを与えるために巧妙に企画されたサイコテロ(心理テロ)という側面もあるのだ。
香田さんの親族の方々にしても、あんなふうに個人情報が流されたことは決して歓迎できないことだったろう。しかし、日本政府の対イラク政策に及ぼす影響に重い責任を感じたからこそ、メディアへの露出を拒まなかったのだろう。本当は、そっとしておいてほしかったはずだ。
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1. 香田さんは常に隣にいる。 [ 日本全国・見たいもんはみたいぞの会 ] 2004年11月04日 23:14
※このエントリーは人を選びます。なぜなら、リンク先をたどれば香田さんの斬首映像を
2. 規制?? [ オレのオレによるオレの為の日記 ] 2004年11月06日 01:53
遺体写真の削除要請=法務省
掲示板って2ちゃんねるか??
あまり意味の無い行動だな…ogrish.comなんかにいくらでも転がっている。
※上記のサイトは、凄惨な映像がいくつも転がっている。
特段興味が無い人は、スルーするべき。
おれもここの映像を見る気には
3. 香田 証生さんに関する記事が強制削除された模様 [ 黄泉[裏]新聞 - 号外 ] 2004年11月06日 02:16
やば気っす![香田さん関連 OR ogrish.comへのリンク]に関する記事が、livedoorから強制削除される可能性濃厚っす!実験をして、どちらに問題があったのかを検証してみます。(実験する私も私だが・・・)
4. なっ!なんじゃこりゃぁ〜!!! [ 黄泉[裏]新聞 - 号外 ] 2004年11月07日 03:03
もう、馬鹿か阿呆かと・・・(-_-;;;)
この記事へのコメント
1. Posted by 黄泉 2004年11月06日 02:14
関係がありそうな記事にトラックバックを送りますが、
livedoorが、情報操作を行い始めた模様。
原因を調べて見ますが、
関係記事を、ローカルに保存するなどの対策を行った方が良さ気かも知れません。
※:ウルサ私に対する嫌がらせの可能性もありますけどね(笑)
livedoorが、情報操作を行い始めた模様。
原因を調べて見ますが、
関係記事を、ローカルに保存するなどの対策を行った方が良さ気かも知れません。
※:ウルサ私に対する嫌がらせの可能性もありますけどね(笑)
2. Posted by miccckey 2004年11月06日 02:22
把握しています。原因はアダルトカテゴリの某ブログ。例のビデオのコピーを国内サーバー上に置いて公開したらしい。その記事にリンクまたはトラックバックつながりのある記事を無差別削除した模様。携帯から失礼。この件、タイミングみはからってアクション起こします。知的所有権の侵害の疑いあり。
3. Posted by 黄泉 2004年11月06日 06:01
と・・・トラックバックされただけの所まで・・・
ア・・・究極のアホ?>Blog担当者
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