2004年10月13日
近頃、日本では人里にクマが出没して人間に怪我を負わせる事件が続発している。筆者が聞いた話だと、人里近くの山が昔のように手入れされていないため、雑草や雑木が生え放題でクマの生息に適した環境になってしまっているらしい。そのため、クマのエリアと人間のエリアの距離が縮まっているのだという。
何度かこのブログに書いたが、筆者はかつて南アフリカ共和国で暮らしていたことがある。アフリカと聞くと、さまざまな野生動物が暮らしているサバンナを連想する人が多い。「ライオンに襲われそうになったりしませんでしたか?」なんてことを聞かれたりする。
何度かこのブログに書いたが、筆者はかつて南アフリカ共和国で暮らしていたことがある。アフリカと聞くと、さまざまな野生動物が暮らしているサバンナを連想する人が多い。「ライオンに襲われそうになったりしませんでしたか?」なんてことを聞かれたりする。
だが筆者が暮らしていたのは、南アの都市部だった。それにハイウェイを使って郊外に出かけていっても、ライオンやサイやゾウやキリンに遭遇することはない。シマウマやシマウマとロバの雑種ならやたらと多いのだが。
南アの場合、野生動物は、一応、人間のエリアとは区切られた保護区で暮らしているのである。筆者はゲーム・リザーブ(野生動物保護区)に足を踏み入れたことがない。休日はもっぱらヨハネスブルグから200キロほど車を走らせてカジノに通っていた。
さて、時差の関係上、ホットなニュースが見つかることが多く、最近、頻繁に巡回しているオーストラリアのニュースサイトNEWS.com.auを見ていると、興味深い記事が目に入った。南アフリカの野生動物保護区で人間が動物に襲われる事故が後を絶たないという話である。
この記事によれば、南アフリカでは、ツーリストがライオン、ヒョウ、ワニなどの餌食になったり、ゾウやバッファローに踏み潰されたり、サイに突き刺されたり、カバに押しつぶされたりする事故が頻発しており、動物保護局の職員がゲーム・リザーブのことを「ジュラシック・パーク」と呼んでいたりするほどだという。
ゾウが凶暴化する話については、このブログで以前に書いたことがあるが、カバが人間を襲うと聞いて意外に感じる人は少なくないかもしれない。
筆者は南アにいるころ、「海外から来た人間はみんな予想もしていないだろうが、保護区に行ったときは何よりもカバに注意しろ」という話をしきりに聞かされた。ライオンなら見た瞬間、危険な動物だと分かるから対策もできる。しかし、カバは遠目に見ているとユーモラスだし、草食獣だから凶暴には思えない。
しかし気が立っているカバに人間が不用意に近づくと、あの大きな顎でワニのように人間の体を噛み砕き、あの巨体で人間を押しつぶしてしまうという。
まあしかし、そういう話がいまだかつて一度も報告されていない大型野生動物もいる。キリンである。ところが、上記の記事によると、先日、そんな意外なことが現実に起きてしまったのである。
クルーガー国立公園で二人の女性が自動車をゆっくり走らせて、野生動物を観察していた。彼女らの車の前方では、数頭のライオンが待ち伏せ体勢に入っていた。さらに前方からもう一頭のメスライオンが数頭のキリンを追いかけて来て、待ち伏せの網に掛けようとしていたのである。
女性たちは、このままではキリンたちの逃走経路上に自分たちがいることに気づいたようでヘッドランプを点灯させたが、全速で駆け出した数頭のキリンのうち一頭が彼女らの車に頭から突っ込んできた。体重500キロはあろうかというキリンである。
女性たちはひどい怪我を負い、ヘリコプターで病院に搬送されたが二人とも助からなかった。
キリンが人を殺すなんて前代未聞だ。しかし、ゾウ、サイ、カバなどが意図的に人間を襲って死に至らしめるケースとは異なり、これは偶発的な事故である。その点を差し引いても、本件の「意外性」は8ポイントに相当しそうだ。
■News Source: NEWS.com.au | Women killed by giraffe (October 13, 2004)
【当ブログのアフリカ・動物関連記事】
南アの場合、野生動物は、一応、人間のエリアとは区切られた保護区で暮らしているのである。筆者はゲーム・リザーブ(野生動物保護区)に足を踏み入れたことがない。休日はもっぱらヨハネスブルグから200キロほど車を走らせてカジノに通っていた。
さて、時差の関係上、ホットなニュースが見つかることが多く、最近、頻繁に巡回しているオーストラリアのニュースサイトNEWS.com.auを見ていると、興味深い記事が目に入った。南アフリカの野生動物保護区で人間が動物に襲われる事故が後を絶たないという話である。
この記事によれば、南アフリカでは、ツーリストがライオン、ヒョウ、ワニなどの餌食になったり、ゾウやバッファローに踏み潰されたり、サイに突き刺されたり、カバに押しつぶされたりする事故が頻発しており、動物保護局の職員がゲーム・リザーブのことを「ジュラシック・パーク」と呼んでいたりするほどだという。
ゾウが凶暴化する話については、このブログで以前に書いたことがあるが、カバが人間を襲うと聞いて意外に感じる人は少なくないかもしれない。
筆者は南アにいるころ、「海外から来た人間はみんな予想もしていないだろうが、保護区に行ったときは何よりもカバに注意しろ」という話をしきりに聞かされた。ライオンなら見た瞬間、危険な動物だと分かるから対策もできる。しかし、カバは遠目に見ているとユーモラスだし、草食獣だから凶暴には思えない。
しかし気が立っているカバに人間が不用意に近づくと、あの大きな顎でワニのように人間の体を噛み砕き、あの巨体で人間を押しつぶしてしまうという。
まあしかし、そういう話がいまだかつて一度も報告されていない大型野生動物もいる。キリンである。ところが、上記の記事によると、先日、そんな意外なことが現実に起きてしまったのである。
クルーガー国立公園で二人の女性が自動車をゆっくり走らせて、野生動物を観察していた。彼女らの車の前方では、数頭のライオンが待ち伏せ体勢に入っていた。さらに前方からもう一頭のメスライオンが数頭のキリンを追いかけて来て、待ち伏せの網に掛けようとしていたのである。
女性たちは、このままではキリンたちの逃走経路上に自分たちがいることに気づいたようでヘッドランプを点灯させたが、全速で駆け出した数頭のキリンのうち一頭が彼女らの車に頭から突っ込んできた。体重500キロはあろうかというキリンである。
女性たちはひどい怪我を負い、ヘリコプターで病院に搬送されたが二人とも助からなかった。
キリンが人を殺すなんて前代未聞だ。しかし、ゾウ、サイ、カバなどが意図的に人間を襲って死に至らしめるケースとは異なり、これは偶発的な事故である。その点を差し引いても、本件の「意外性」は8ポイントに相当しそうだ。
意外性8 | ■■■■■■■■□□ |
■News Source: NEWS.com.au | Women killed by giraffe (October 13, 2004)
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この記事へのコメント
1. Posted by ダイアモンド 2004年10月16日 21:09
キリンが人間を…でつられちゃいました(笑)
記事の内容では偶発事故だったようで。その昔キリンがハトを食うって聞いたことがあったのでキリンがとうとう人間を食ったのかと思ってしまいました。
検索したらやはりキリンはハトを食いますね。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~m-liver/gazou-f/gazou.html
記事の内容では偶発事故だったようで。その昔キリンがハトを食うって聞いたことがあったのでキリンがとうとう人間を食ったのかと思ってしまいました。
検索したらやはりキリンはハトを食いますね。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~m-liver/gazou-f/gazou.html
2. Posted by miccckey 2004年10月17日 00:46
ダイアモンドさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
キリンはときどき肉食したりするんですね。面白い! 意外性9ポイントです。
はじめまして。コメントありがとうございます。
キリンはときどき肉食したりするんですね。面白い! 意外性9ポイントです。
3. Posted by TS 2007年09月17日 20:43
アフリカのラリーでは、キリンに注意するには常識です。
キリンの足が細く、特に暗がりで見えないのですが、足に突っ込んだが最期、上から巨体が落ちてきますから…
キリンの足が細く、特に暗がりで見えないのですが、足に突っ込んだが最期、上から巨体が落ちてきますから…