クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:「鼻からヘビ男」の素顔《不幸中の幸い度10》

2004年09月05日

「鼻からヘビ男」の素顔《不幸中の幸い度10》


Manoharan-2.jpg■何のためにこんなことを?

数日前から、英語Web上のあちこちのニュースサイトにこんな写真が掲載されている。鼻に蛇を出入りさせているこの男、いったい何者なのだろうか?

どのニュースサイトにもごく短い説明があるだけでよくわからない。「30秒で200匹のミミズをのみ込むというギネスブック記録の保持者」とのことだが、蛇を鼻と口から出入りさせているのも新しい記録への挑戦なのだろうか。

「鼻から牛乳」でも嫌なのに・・・この「奇人」は、インドに住むマノハランさん(25歳)だという。しかし彼が何のために、こんなおぞましいことをしているのかについては、英語ニュース・サイトをあちこち見てもはっきりしないのだ。

Ananovaの記事には「単に新しいワザを練習中」と書いてある。IOLの記事にはグラス・スネークという蛇を右の鼻の穴から口まで通すというギネス記録に挑戦中だと書かれている。挑戦したのなら成功したのかどうかを知りたいところだが、現時点では、結果の成否を示す情報はネット上では見つからない。

そこで、いろいろ調べてみたところ、現地インドのニュースサイトChennai Onlineで、マノハランさんに関する詳しい記事を見つけた。意外なことに、現在、マノハランさんはテレビドラマや映画で俳優として活躍中だという。

■目立ちたがり屋

少年時代のマノハランさんは勉強嫌いで、ボクシングに打ち込んだ。何度か優勝したことがあるらしい。しかし、ボクシングだけでは自己顕示欲が満たされなかった。そこで、蛇に目を付けた。

まず手始めに無毒の蛇を何種類か捕まえた。それらを携えて市場や繁華街をうろつくことにした。無毒な蛇だけでは満足できず、毒蛇にも手を出し始めた。そうこうしているうち、蛇を捕まえる技術も向上していったという。

だが単に蛇を手に持ったり首にかけたりしているだけでは、何のスリルもなかった。もっとみんなをびっくりさせるために、自分の鼻の穴から蛇を入れて、口から出すというワザを編み出した。

長さ1.5メートル以上で、人間の指くらいの太さがある蛇が彼の鼻腔に入った後、口から出てくるのだ。この芸を観客の前で何度も演じた。したがって、上の写真は、練習中でもなんでもないということになる。こういうキワモノ系に関しては、ニュース記事も結構いい加減だとわかる。

生きた蛇を飲み込んで5分後に口から引っ張り出すというワザも編み出した。

■蛇が喉頭に引っ掛かってしまった!

しかし、彼の芸にはやはり相当なリスクが伴う。万一、蛇が途中でつかえてしまったらどうなるか。実際、ある日、観客の前でそれが起こってしまったのだ。鼻腔から喉頭を通っている蛇を動かそうとしても、まったく動こうとしない。しかも、猛毒の蛇だった。

鼻から尻尾が出ているので、それを引っ張って抜き取ることは物理的には可能と思われた。しかし、そんなことをすると、彼の喉頭や鼻腔の粘膜に蛇が噛み付いてしまう。

蛇がマノハランさんを噛み殺すか、マノハランさんが蛇を噛み殺すか。選択肢は2つに1つしかなかった。

彼は蛇の胴体を噛み切ったのである。その瞬間、彼は今までよりももっと観客を驚かす芸を編み出したのだ。そう、蛇の踊り食いである。

■踊り食いには金がかかる

以来、彼は250匹以上の蛇と200匹以上のトカゲを観客の前で食べて見せた。死んだ蛇ならまだしも、生きている蛇を噛み殺して食べてしまうのである。しかし、蛇を食べるとなると、別の問題が生じる。

マノハランさんは、こう語っている。「踊り食いショウを行うのは、十分な蛇が入手できたときだけでしたよ。それでも、踊り食いショウは人気を呼んでしまって、もっと頻繁にやってほしいという要望が強くなってきたんです。しかし、独力で十分な数の蛇を確保するのは難しく、「irulars」と呼ばれる蛇狩り族に依頼するほかなくなりました。でも、金がかかるんですよ。ファンが増えても、私の実入りが増えたわけではない」。

結局、彼は自分で蛇狩りをするほかなくなった。

■ショウをやめる

彼は俳優になったのであるやがて、蛇食いショウで顔が売れたマノハランさんは、テレビドラマや映画への出演を依頼されるようになった。ほかの出演者やスタッフに、蛇食い男だという好奇の目で見られるのにうんざりしたのだという。日本でAV女優上がりのタレントが言いそうなセリフだ。

「私は、もう蛇食いの習慣を断ち切り、ショウを開くこともありません」と彼は言う。「蛇たちは、もう私というジョーズから解放されたというわけです」。

しかも、彼はベジタリアンに転向したらしい。

■禁断症状はない

俳優としてすっかり有名になってしまったたマノハランさんは、こうして蛇食をやめてしまったのだが、禁断症状はないという。

生きた蛇を見かけても食べたいとは思わなくなった。ただし、最近、旅行先で、土砂降りの雨が打ち付ける地面を滑るように這って行く4、5匹の蛇を見かけたときは、自分を制止できなかった。蛇をすべて捕まえて、しばらくペットのように触れ合った後、やさしくキスをして逃がしてやったという。

■ステップアップしたということか

まあ、筆者が思うに、テレビや映画に俳優として出演できるのなら、無茶な芸をする必要もないはずだ。蛇食いにしても、本当に美味しくてやっていたのではないだろう。受け狙い以外に動機はないと見た。

ともあれ、あの日、彼の喉頭で猛毒の蛇がつかえてしまわなければ、彼が蛇の踊り食いで超有名な大道芸人になることもなく、俳優として活躍する現在もなかったことだろう。鼻から蛇を引っ張り出そうとしたら、ほぼ確実に命はなかっただろう。

毒牙にかかって死ぬかどうかの紙一重のところで、不幸が幸いに転じたのである。本件の「不幸中の幸い度」は満点の10ポイントに値するだろう。(厳密には「災い転じて福となる度」とすべきかもしれないが、評点項目が増えすぎると困るので「不幸中の幸い度」に入れることにした)。

不幸中の幸い度10■■■■■■■■■■





■ News Source: Chennai Online - Snakes for snacks

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