クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:工作員のスケッチ―サンプル

2026年05月27日

工作員のスケッチ―サンプル


『スネークヘッドを継ぐ者』をリリースし終えたばかりだが、10年もしないうちに、アフリカに渡航したヒビキ(筆者の分身)+が商社員として暗躍するフィクションをどうリリースするか考えている。

これは筆者自身の実体験をベースにしているが、東西冷戦末期に日本の“エコノミックアニマル”が東側の共産主義国を堕落させた裏事情に言及しているため、当時の関係者に迷惑をかける可能性がある。80年代のことなので、関係者の大半は現役または現世を退いている。筆者が所属していた商社も廃業している。

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とはいえ、巨人軍の監督が親子間のイザコザで警察沙汰になって退任させられる高度コンプライアンス社会において、日本国の黒歴史を暴露することに何の意味があるのか大いに疑問。

バリバリの人間翻訳者として活動していたころから断片をPCのSSDに大量に眠らせている。冒険小説風にほぐしだしていこうか。創作大賞に応募するには、該当するカテゴリーがない。

題名と構成を検討中だが、仮題を『工作員のスケッチ』とし、短編連作にしようか。

【工作員のスケッチ―サンプル】

近代的な製造ラインだった。八十年代の初歩的な産業用ロボットが随所に配されていた。響自身の興味も吸い寄せられていた。

アンゴラの政府要人への説明のためにライン際に配備されている発電機メーカー側の係員より自分の方が面白おかしく説明できそうだ。だから、要人のお供をしていると思われる若い人たちに気安く声をかけて装置の動作原理などを説明すると好評だった。

話の途中でふとしたことから自分の年齢を明かすと、彼らも二十六、七歳と言うではないか。意気投合。彼らはアフリカ人特有の長い手で響にボディタッチするなどして親愛の情を表した。

しかし、肝心のアンゴラ政府要人の姿が目に入らない。

フェイショートもしばらくは文句も言わずに、日本人の利発そうな若者を泳がせていた。だが後ろのほうにいた警察官風の男と内緒話した後、血相を変えた。

響の耳元で「大臣は彼らだ!」と発すると彼の体を「気のいい大臣たち」から引きはがした。

マプトの物販公社のロベルトがそうであるように、ここらのコミュニスト国では、裕福な家に生まれ、欧州の東側諸国に留学して高等教育を受けた若者たちが要職を与えられている。

それはある意味、響をわくわくさせる傾向だった。単純に自分と変わりない年代の彼らが活躍の機会を与えられている事実が素敵に思えた。

だが、コミュニスト国家のママゴトじみた幼稚さにも気づく。決して表から見えぬように自分の内側に隠し持っているエコノミックアニマルの毒牙が武者震いするのは、ももちろんのこと。

アンゴラの案件は直接担当していない。でも、アンゴラの大臣たちは、モザンビークの役人と同様に組みしやすそうに感じられた。



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