2024年01月06日
M7.6の大地震が襲った能登半島では2020年12月ごろから群発地震が起きていたが、琵琶湖の水位も2021年から低下していた。琵琶湖の水位低下は「雨不足」が原因と言われているが、本当にそれで説明になっているのか。

琵琶湖への水の年間流入量の1〜2割は地下水だという。2020年の群発地震以来、能登の地震を研究している京都大学防災研究所の西村卓也教授は、地下に流体が流れ込んだことがM7.6能登地震の原因の1つだと述べている。東京工業大学 理学院 地球惑星科学系の中島淳一教授は「地殻流体」と特定している。
「地殻流体」とは、岩石鉱物の粒界に存在するH2O などの流体のことである。マグマのことではなく、地下水の1つの存在形態である。琵琶湖の水位低下と全く無関係とはいえない。
琵琶湖の水には、阪神淡路大震災の発生前にも東日本大震災前の発生前にも異変が起きていた。琵琶湖の水が地下水を介して、東北の海底とリンクしていると考えるのは、オカルトじみている。しかし、物理学の世界でも重力がオカルト扱いされていた時期が長かったことを忘れるべきではないだろう。
このあたりのことを「阪神大震災前にも東日本大震災前にも琵琶湖の水に異変が起きていた」の記事に書いたわけだが、この記事で筆者は「今回の水位低下は、近い将来の大地震到来を告げているはずだ」と書いていた。
【仮説】日本列島の地下には地震を引き起こす「地殻流体」のネットワークが存在し、琵琶湖を通じて地上世界に開けている
【地殻流体ネットワーク仮説 ― 最新記事】
地震のトリガーとなり、バヌアツの法則も説明してしまう“地殻流体ネットワーク”は通信網としても機能
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