クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:阪神岡田監督は坂本vs梅野問題に揺れるファンを煙に巻く古狸 ― 長い目でシーズンを見据えた大局観

2023年04月30日

阪神岡田監督は坂本vs梅野問題に揺れるファンを煙に巻く古狸 ― 長い目でシーズンを見据えた大局観


プロ野球セリーグが開幕した数日後の4月4日に、矢野政権下では1敗もできないというトーナメント心理がチームと選手に強迫観念を与えていたが、岡田政権下では勝ちもあれば負けもあるのが勝負事という落ち着いた勝負観がチームの底流になっている ― と言うようなことを書いた。
祝トラ開幕3連勝―「1敗もできない」から「勝負事は勝ちと負けがある」への大変革

中野サヨナラヒット
〈4月18日、広島戦で中野がサヨナラヒット〉

私は星野政権下から巨大掲示板の『今年の阪神はやらかす』スレを覗いてきた。現在は2ちゃんねるから5ちゃんねるに移動しているが、「今年の阪神はやらかす 23-130」を見ると、今、話題の中心は坂本vs梅野問題のようだ。坂本捕手の今シーズン結果が圧倒的だからだ。

11代打名無し@実況は野球ch板で
坂本 7勝0敗
梅野 6勝9敗

キャッチャー坂本
4/29 9回無失点
4/28 9回無失点
4/27 9回無失点
4/22 9回無失点
4/19 7回1失点
4/16 1回無失点
4/12 8回1失点
4/08 9回無失点
4/01 4回無失点
65回 防御率0.27

坂本 23打数9安打
梅野 53打数5安打

12代打名無し@実況は野球ch板で
>>11
去年は坂本で負けまくったのにな
今年の坂本はようやっとるわ

13代打名無し@実況は野球ch板で
ここは梅野への罵詈雑言専用スレということで


昨年までの「梅野ファン」・「梅野信者」をあざ笑うレスが多いのだが、ここは誰にも身元を知られない匿名掲示板なので、昨年まで梅野信者であった人の多くが素知らぬ顔をして今年は坂本推しに転身している可能性が高い。

プロ野球のファンなんて、そんなものだろう。だが阪神は、今や日本一ファン数が多い球団。ファンの声の圧力に揺るがされ続けるチームなのだ。坂本vs梅野問題が今、その中核にある。本日4月30日は、才木投手と久しぶりの梅野捕手がバッテリーを組む。

1週間前の4月25日の岡田彰布監督の珍発言が光る。

「4番梅野と決めとったんや」阪神・岡田監督

「梅野(隆太郎)の4番だけや、決めとったんは」

 25日が雨天中止にならなければ、「4番・梅野」の新打順で臨むつもりでいたという。

 これは本気なのか? 梅野はここまで49打数5安打、打率1割2厘。岡田監督は中日との3連戦(21〜23日)を終えた後、打線強化、得点力アップを掲げていたが、梅野こそ岡田監督に「スタメンに1割ってのが多すぎるのよ〜」とボヤかせた1人である。23日は9回表の一打同点という場面で、あえなく併殺打に倒れた。

 岡田監督は「(梅野の4番で)相手も警戒するやろ。フォアボールがあるかも分からん」と煙に巻いたが、もう一人の1割バッターの佐藤輝明については、「(練習の)取り組み方は間違ってないと思うわ。オレも5、6月くらいまで打率1割台もあったで。3年目やったかな。まあ、3割打ったけどな最後には」とも話していた。


結局、翌26日の巨人戦で、岡田監督は梅野捕手を2番打者として起用し、敗北を喫した。4番起用の話は「煙に巻く」の類であったと読む。しかし、この2番起用も現実に行動に移しながらも、実のところ、将棋などの頭脳勝負への造詣が深い岡田監督ならではの長丁場の勝負事全体を見据えた「大局観」の為せる業だったと思う。長丁場の勝負では、流れを変える一石を投じることが今後の勝負の行方を左右する時がある。そのときの勝ち負けだけにとらわれるのではなく、流れを変えるための一石なのだ。

坂本捕手が今現在のように梅野捕手に圧倒的な差を付けたままシーズンが進むことはないだろう。岡田さんは「梅野が正捕手」と断言している。その断言を撤回しなくとも、おのずと梅野優勢に収束していくはずだ。それが長丁場の勝負事である。梅野優勢に収束しつつも、坂本がその実力をファンや世間に知らしめれば、来年以降は坂本が正捕手となるかもしれない。それぐらい長い目で見たい。

岡田監督は、熱すぎる阪神ファンのコントロール能力を身に着けた初の阪神監督と言えるだろう。前監督は、ある意味、阪神ファンに潰された。正確には、シーズン開始直後に今年で辞めるわ発言をして、ファンを怒らせ、その怒りの前で「してはならないこと」を重ねて自滅した(「してはならないこと」を「してはならないタイミング」でしてしまう人の話を当ブログでは、しばしば話題にしてきた:)。

星野監督は、ファンの熱さに自分の熱さで対抗して、うるさいファンやOBを黙らせた初の監督であった。野村監督は、頭が良すぎて馬鹿なファン心理が読めず、チームを勝たせるという成果を上げる目標は叶わなかったが、チームと球団の意識変革に成功した初の監督だった。そして岡田監督は、第二次政権において、ファン心理を「煙に巻いて」、長期的に勝利数を敗北数より増加させようとしている。

これから、チームに人知れず危機が迫るたびに、古狸風にファンを煙に巻いてチームを明るい方向に導いてくれるはずだ。ダメダメとファンから批判が巻き起ころうとしている梅野捕手をわざわざ4番に立てるとボケたふりをしてツッコミだらけのファンを笑わせてしまうなんて芸当、岡田彰布にしかできない。

この記事の先頭に戻る

Google
WWW を検索 評点




この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
◎-->