2023年04月23日
新年明けた1月5日、メキシコ沖のカリフォルニア湾沿いのトバリ湾で、50代のマニュエル・ニーブラス・ロペスさんがホタテ貝の一種を採取していたところ斬首されて亡くなった。彼の首を胴体から刈り取ったのは、ホオジロザメだった。ホホジロザメが人の頭や肩のあたりを噛んで首を刎ねるのは極めて珍しい。
漁師が体長19フィート(5.8メートル)のホオジロザメに首を切断されるという、この悲劇的な出来事は、その攻撃の異常性から大きな話題となった。
⇒"Manuel Nieblas Lopez" "Shark" - Google Search
世界のサメの襲撃を記録するウェブサイトTracking Sharksによると、ロペスさんは襲撃時、水深36〜59フィート(11〜18m)の地点で、地上供給型空気源(一連のパイプを通じてダイバーをボートの圧縮空気源に接続するスキューバ状の装置)を使って貝を採集していた。Trackingsharks.comによると、襲撃時に支援ボートに乗っていた他の2人の漁師は、サメが「悪夢が現実化したかのように頭をもぎ取り、両肩に噛み付いていた」のを目撃した ―と述べていた。
専門家がLive Scienceにこう語っている。「(自然界では)サメが人を噛むこと自体稀です。噛む場合は、アザラシなどの獲物と間違えて足や胴体を掴み、間違いに気づいてから相手を放すのが一般的です。しかし、サメが人の頭や肩に噛みつくことは極めて稀ですね」
サメが人を上半身から襲うというのは、パニック映画でも見たことがない。『ジョーズ』でも人は足から食われるものと決まっている。
ボストン大学の海洋生物学者でマサチューセッツ海洋漁業のサメプログラムの責任者であるグレッグ・スコマル氏も、上半身への攻撃の発生例を聞いたことがないと言う。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のサメ研究所の所長であるクリス・ロウ氏は、「人間に対するサメの咬傷は稀ですが、首切りはもっと稀です」と付け加えている。
ほとんどのサメの攻撃と同じく、サメがロペスさんを襲った主な理由は「誤認」である可能性が高いと専門家は述べている。
フロリダ大学の海洋生物学者で、フロリダ自然史博物館の国際シャークアタックファイル(ISAF)を運営するギャヴィン・ネイラー氏は、「空腹なサメが興奮していると、軽率な判断をして、その場の勢いで、獲物と思われるものに噛みつくことがあります」と述べている。「捕食者は、常に早い判断を要求されています」と彼は言い、こう付け加える。「うかうかしていると、飢えを満たせませんからね」
サメは視力が弱いので、獲物と人間の区別がつきにくい。このため、ISAFが記録したシャークアタックの約60%は、視界が悪く濁った海で発生しているとギャヴィン・ネイラー氏は述べている。
サメから見たらダイバーはアザラシなどのエサと紛らわしく、見分けがつきにくいのだ。筆者もかつてインド洋の島でスキンダイビングに明け暮れた時代があったが、その頃は、華僑にご馳走してもらった食事を残すのは失礼だと思っていたせいで、トドなみに太っていた(華僑に対しては少し残さないと失礼だと知らなかった若き日)。サメに襲われずに済んでよかった。
【Source】
In rare attack, great white shark decapitates diver in Mexico. But why? | Live Science
【関連記事】
・沖合を一人で泳いでいて、ふと気がつくと獰猛なサメの背中に乗っていた女性
・酔って海中に放尿していた男性がサメに襲撃される
・内陸の淡水湖で2日連続サメが釣れた
⇒"Manuel Nieblas Lopez" "Shark" - Google Search
世界のサメの襲撃を記録するウェブサイトTracking Sharksによると、ロペスさんは襲撃時、水深36〜59フィート(11〜18m)の地点で、地上供給型空気源(一連のパイプを通じてダイバーをボートの圧縮空気源に接続するスキューバ状の装置)を使って貝を採集していた。Trackingsharks.comによると、襲撃時に支援ボートに乗っていた他の2人の漁師は、サメが「悪夢が現実化したかのように頭をもぎ取り、両肩に噛み付いていた」のを目撃した ―と述べていた。
専門家がLive Scienceにこう語っている。「(自然界では)サメが人を噛むこと自体稀です。噛む場合は、アザラシなどの獲物と間違えて足や胴体を掴み、間違いに気づいてから相手を放すのが一般的です。しかし、サメが人の頭や肩に噛みつくことは極めて稀ですね」
サメが人を上半身から襲うというのは、パニック映画でも見たことがない。『ジョーズ』でも人は足から食われるものと決まっている。
ボストン大学の海洋生物学者でマサチューセッツ海洋漁業のサメプログラムの責任者であるグレッグ・スコマル氏も、上半身への攻撃の発生例を聞いたことがないと言う。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のサメ研究所の所長であるクリス・ロウ氏は、「人間に対するサメの咬傷は稀ですが、首切りはもっと稀です」と付け加えている。
ほとんどのサメの攻撃と同じく、サメがロペスさんを襲った主な理由は「誤認」である可能性が高いと専門家は述べている。
フロリダ大学の海洋生物学者で、フロリダ自然史博物館の国際シャークアタックファイル(ISAF)を運営するギャヴィン・ネイラー氏は、「空腹なサメが興奮していると、軽率な判断をして、その場の勢いで、獲物と思われるものに噛みつくことがあります」と述べている。「捕食者は、常に早い判断を要求されています」と彼は言い、こう付け加える。「うかうかしていると、飢えを満たせませんからね」
サメは視力が弱いので、獲物と人間の区別がつきにくい。このため、ISAFが記録したシャークアタックの約60%は、視界が悪く濁った海で発生しているとギャヴィン・ネイラー氏は述べている。
サメから見たらダイバーはアザラシなどのエサと紛らわしく、見分けがつきにくいのだ。筆者もかつてインド洋の島でスキンダイビングに明け暮れた時代があったが、その頃は、華僑にご馳走してもらった食事を残すのは失礼だと思っていたせいで、トドなみに太っていた(華僑に対しては少し残さないと失礼だと知らなかった若き日)。サメに襲われずに済んでよかった。
【Source】
In rare attack, great white shark decapitates diver in Mexico. But why? | Live Science
【関連記事】
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・酔って海中に放尿していた男性がサメに襲撃される
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