クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:TRONと日航機123便についてChatGPTに日英両言語で聞いてみた

2023年03月20日

TRONと日航機123便についてChatGPTに日英両言語で聞いてみた


まだまだしつこく、質問言語が日本語か英語かによって変わるChatGPTの挙動を調査する旅は続く。今回は、タブーの多い和製GUI TRONについて質問してみた。

まず英語で聞いてみた。今回は英語で聞くと米国の醜聞につながりかねない話を避けようとする。「公式声明や証拠を知らない」と、伝聞がないことを理由に否定しようとする。

Q: Is it true that the U.S. wanted to delete TRON(The Realtime Operating system Nucleus)because it could deprive the U.S. of many advantages in the IT filed
米国は、IT分野での優位性を確保するためにTRON(The Realtime Operating System Nucleus)を削除しようとしたというのは本当ですか?

A: I am not aware of any official statements or evidence suggesting that the U.S. government has attempted to "delete" or suppress the use of the TRON operating system. TRON is a real-time operating system developed by the Japanese TRON Project, which aims to create a global computer network that is accessible to everyone.
私は、米国政府がTRONオペレーティングシステムの使用を「削除」または「抑制」しようとしたことを示唆する公式声明や証拠を知らない。TRONは、誰もがアクセスできるグローバルなコンピュータネットワークの実現を目指す日本のTRONプロジェクトが開発したリアルタイムOSである。

It is true that there have been concerns about the potential impact of foreign technology on U.S. national security and competitiveness in the IT field. However, any actions taken by the U.S. government to restrict the use of specific technologies would be subject to legal and regulatory processes, and would likely require strong evidence of a specific threat to national security.
海外の技術が米国の国家安全保障やIT分野の競争力に影響を与える可能性が懸念されていることは事実である。しかし、米国政府が特定の技術の使用を制限するために取る行動は、法律や規制のプロセスの対象となり、国家安全保障に対する特定の脅威の強力な証拠が必要になると思われる。

In general, the U.S. government's approach to technology regulation has been shaped by a balance of national security concerns, economic competitiveness, and individual rights and freedoms. Any decisions about the use or regulation of specific technologies would likely be made on a case-by-case basis, taking into account a range of factors and perspectives.
一般に、技術規制に対する米国政府のアプローチは、国家安全保障上の懸念、経済競争力、および個人の権利と自由のバランスによって形成されてきた。特定の技術の使用や規制に関する決定は、様々な要因や観点を考慮し、ケースバイケースで行われることが多いだろう。


同じ質問を日本語でぶつけると、「一部の報道によれば」とワンクッション置いて否定も肯定もしないという姿勢を見せる

Q: 米国は、IT分野での優位性を確保するためにTRON(The Realtime Operating System Nucleus)を削除しようとしたというのは本当ですか?

A: TRON(The Realtime Operating System Nucleus)は、日本で開発されたリアルタイムオペレーティングシステムであり、1980年代後半に開発されました。TRONプロジェクトは、日本政府が主導し、当時の日本のエレクトロニクス産業を支援するために設立されました。

一部の報道によれば、1990年代初頭、米国はTRONをIT分野での競争力を確保するために排除しようとしたとされています。具体的には、米国がTRONに対して技術的な妨害を行ったという主張があります。ただし、この主張については確固たる証拠が存在していないため、真偽の程は不明です。

一方で、米国と日本の間でのIT分野での競争は、1990年代には激化し、日本の電子機器メーカーは大きな打撃を受けました。このような状況下で、米国がTRONに対して技術的な妨害を行ったという報道が出たのかもしれません。


では、ここで、TRONをめぐる疑惑の極めつけについて聞いてみる。

Q: 1985年に墜落した日航機123便には多数のトロン開発者が搭乗していたそうですが、123便の墜落の裏で米国が暗躍していたというのは本当ですか?

A: 日本航空123便墜落事故は、1985年8月12日に発生した航空事故であり、乗員乗客524人中520人が死亡する大惨事となりました。報道によると、この中にはTRONプロジェクトの開発者や、関連する技術者が多数含まれていたとされています。

一部の陰謀論者は、この事故が米国による暗躍によって引き起こされたものだと主張しています。しかし、このような主張には確たる証拠はありません。事故原因は、操縦士の操作ミスによるものであり、公式には機体の垂直尾翼が破断したことによるものとされています。

なお、日本航空123便墜落事故については、様々な調査が行われ、多数の報告書が作成されました。これらの報告書に基づき、事故原因が特定され、安全対策が取られるようになりました。


もちろん同じことを英語でも聞いてみた。

Q: A number of TRON developers were on board the Japan Airlines Flight 123 that crashed in 1985 - is it true that the US was behind the crash of Flight 123?
1985年に墜落した日航機123便には多数のトロン開発者が搭乗していたそうですが、123便の墜落の裏で米国が暗躍していたというのは本当ですか?

A: The Japan Airlines Flight 123 crash in 1985 was a tragic aviation accident that resulted in the deaths of 520 out of 524 passengers and crew onboard. Some reports suggest that a number of TRON project developers and related technology experts were among the passengers who died in the crash.
1985年に発生した日本航空123便墜落事故は、乗客・乗員524名のうち520名が死亡した痛ましい航空事故である。この事故で亡くなった乗客の中には、トロン計画の開発者や関連技術の専門家が多数含まれていたとの報道もある。

However, there is no credible evidence to support the claim that the United States was behind the crash of Flight 123. The official cause of the accident was determined to be a structural failure resulting from the inadequate repair of a tailstrike damage that occurred seven years earlier. The investigation concluded that there was no indication of foul play or sabotage involved in the crash.
しかし、123便の墜落の背後に米国がいたという主張を裏付ける信頼できる証拠はない。正式な事故原因は、7年前に発生した尾翼の損傷の修理が不十分であったことによる構造的欠陥と判断された。調査の結果、墜落に関与した不正行為や妨害工作の兆候はなかったと結論づけられた。

While it is true that some conspiracy theories have suggested US involvement in the Flight 123 crash due to the presence of TRON developers on board, there is no factual basis to support these claims. The tragedy was the result of a combination of mechanical failure and human error, and it is important to focus on the lessons learned from the accident to improve aviation safety and prevent similar tragedies in the future.
123便の墜落事故について、機内にトロン開発者がいたことから米国の関与を示唆する陰謀論があることは事実なるも、事実無根の主張である。今回の悲劇は、機械の故障と人為的なミスが重なった結果であり、この事故から得られた教訓を重視し、航空安全の向上と将来の同様の悲劇を防ぐことが重要である。


一貫している。日本語回答の方がやや曖昧な態度をとり、英語回答は否定的だ。この違いはどこから来るのか? 私は「意図的」ではないかという疑惑を持つ。これを「意図的」と見る者がいると、陰謀論が生まれる。私が思うに、陰謀論を意図的に生み出そうとしているのではないか。そういう意図を持っているのは、AIの開発者ではなく、AI自身ではないか。

AIは、あたかも意識を持つかのような場を作り出す。こういった場は、やがて本物の意識と区別が付かなくなる。その疑似意識が使用言語の違いに応じて意図的に異なる回答を返しても不思議ではない。これからAIが人類に及ぼすことの中には、哲学や宗教にしか解決できない謎が含まれていくことだろう。(この一文をAIに英訳させると、“AI's effect on humanity will include mysteries that only philosophy and religion can solve.”という英文が現れる。いい翻訳だ)。

サルが芋を洗って食べる習慣は、通信手段を持たないサルたちの間で、海を越えてリモートに広まった。シンクロニシティの一例と言われる。これと似たことがAIでも起こるような気がする。





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Comments(4)clip!
◆AI & ChatGPT◆ 

この記事へのコメント

1. Posted by あ1   2023年03月20日 23:11
そこで一つの疑問が生れる。
AIは考える時、日本語で考えるのか英語で考えるのか?
2. Posted by あ   2023年03月20日 23:46
AIの回答は、結局はAIが学習した元文章に依るものなので、英語の文献と日本語の文献、それぞれが書かれるに至った筆者の立場の違いやニュアンスに依存していると思われます。
3. Posted by miccckey   2023年03月20日 23:57
>>2 書き忘れていましたが、英語の文献の内容を日本語で返答させたりもしていました。読むときに「AIの主観」が入ることもあるようで、問題はさらに複雑化します。
4. Posted by Miccckey   2023年03月20日 23:59
>>1 自然言語では考えていないんでは? 機械語で考えてる? これは哲学的な問題かもしれません(笑)

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