クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:大谷翔平がサイヤング賞とMVPをダブル受賞するかどうかは、アメリカ人のイノベーション魂にかかっている

2022年10月27日

大谷翔平がサイヤング賞とMVPをダブル受賞するかどうかは、アメリカ人のイノベーション魂にかかっている


大谷翔平。何やら海の向こうで凄い活躍をしているらしい。

少年の夢
花巻東高の1年生だった16歳のときに被災した大谷翔平は、純朴な野球少年だった。その少年が夢見たものは、ベースボールの常識を打ち破ること。MLBに渡った彼は、昨2021年から「リアル二刀流」というありえない夢を現実にし、ベースボールの本場、アメリカのファンの度肝を抜き続けている。

震災から10年が経った2021年、彼はキャンプの地アリゾナ州からメッセージを出した。

「東日本大震災から10年。月日とともに薄れていくことも多い中で『忘れてはいけない事』『忘れられない事』も多いかと思います。自分自身できることは微力ではあると思いますが、少しでも被災地の力になれるように、まだまだ頑張っていきたいと思っています」

東日本大震災の影響は米国西海岸にまで及び、東北地方から津波に流された車両や被害者の遺体までもが見つかっている。彼の移籍エンゼルスの本拠地ロサンゼルスは、奇しくも西海岸。アメリカ人を震撼させたリアル二刀流の背後には、M9.0の途方もないエネルギーが渦巻いていることを地震多発地域の西海岸の人たちなら薄々気づいているか。

さて、2022年シーズンも終わりを迎え、大谷翔平を巡っては、2つの重要な賞の行方が全米を揺るがせている。

記録を打ち立てるということは、それまでの記録保持者を呼び覚ますということ。大谷翔平が打ち破った記録の保持者と言えば、まず100年前の二刀使いベーブ・ルース。投手陣に関してはランディ・ジョンソン、そしてメジャー随一のノーヒットノーラン男、ノーラン・ライアン。ここに来て、ノーラン・ライアンが大谷翔平の受賞を期待していることを表明している。

誰にも聞けない二刀流

メジャーで二刀流にチャレンジした選手は、ベーブ・ルース以外にも多数いる。

大谷のチームメイト、ジャレッド・ウォルシュ外野手は、かつて二刀流選手として2019年に5イニング投球した経験から「ピッチングは時として、少し苦痛を伴うんだ。チームがそれを必要としないのであれば、僕は自分の身体をそれに使いたくはない
ね」と語る。

高校時代はクローザーとしてもプレーした経験を持つフィリーズの捕手J.T・リアルムトは、「彼がやっていることは、(人々に)インスピレーションを与えていると思う。もし、今ここに12歳の子供で、(投打の)両方にかなり秀でている子がいたとしたら、彼はショウヘイを見て、“わあ、これって可能なんなんだ。僕も両方やろうかな。僕が次の二刀流スターになろうかな”って言えるんだよ」と述ている。

二刀流の元祖、ベーブ・ルースでさえ、投手と打者を同じ試合で兼ねることはなかった。日本ハムのビッグボスこと新庄剛志も、一時二刀流にチャレンジするも、高校野球のように投げながら打つわけではなかった。

大谷翔平は、2021年4月4日、ホワイトソックス戦に「2番投手」で出場し、メジャーでも初のリアル二刀流の第一歩を記した。大谷翔平でさえ、それまでは投手として出場する試合で打者を兼ねることはなかった。

2022年のア・リーグMVPは、ニューヨーク・ヤンキースのアーロン・ジャッジなのか、それともロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平なのか? 今、全米が揺れている。
運命の日は、来たる11月17日。ア・リーグのMVPはリーグ新記録の62本塁打を放ったアーロン・ジャッジ外野手(ヤンキース)が有力とみられ、昨季のMVPで、史上初めて投打で規定に到達した大谷翔平選手(エンゼルス)も候補に挙がってはいる。

こちらのYouTubeを視聴されたい。


やはり本塁打数が重要のか? ファンにインタビューすると、6割から8割はジャッジが有利と見ていて、「アメリカ人は、ホームラン以外どうでもいいからね」と言い切る人さえいる。

「大谷をヤンキースに入れ、ジャッジをエンゼルスに入れたら、間違いなく大谷だね」との声や「ジャッジがMVPで、大谷がサイヤング賞なら理想的じゃないか」との声も聞こえる中、ヤンキースはMVP受賞に有利なのかも。ヤンキースは日本で言えば巨人ほどの人気球団だから(いや、読売巨人軍の人気に陰りがある気がする。阪神ファンが全国的に増殖中だが、関東圏のファンは否応なく村上(神)擁する東京ヤクルトスワローズに流れていると思う)。

今年の成績をまとめると…

2022年シーズンの大谷翔平選手は、投手として166.0回を投げぬいて規定投球回数を達成し、15勝9敗の勝敗成績を上げた(アメリカンリーグ4位)。QS(クオリティー・スタート)は16(アメリカン・リーグ15位タイ)も、防御率は2.33(アメリカン・リーグで4位)を記録。

打者として、打率は、2割7分3厘(アメリカン・リーグで25位)を達成し、本塁打34本(アメリカン・リーグで4位)に到達。打点は95打点(アメリカン・リーグで7位)、盗塁数は11個(アメリカン・リーグで31位タイ)だが、OPSは0.875(アメリカン・リーグで5位)を記録。

本塁打は21年の46本から34本に落ち込むも、大谷選手自身が「ボールの影響がちょっと強いかな」とコメントしたとおり、‟飛ばない“ボールへの変更が影響した模様。」

レジェンドがレジェンドを呼び覚ます

1993年に引退したMLB屈指の速球投手ノーラン・ライアンも、大谷選手がサイヤング賞を獲得するのも夢じゃないとサポート。

人類史上初めて「100マイル」(約161キロ)の壁を超え、最多の三振を奪い、メジャー最多の7度のノーヒットノーランを達成した至高の速球投手、リン・ノーラン・ライアン・ジュニア(Lynn Nolan Ryan Jr.)までをも魅了した大谷翔平!

ノーラン・ライアンは、大谷翔平と同じロサンゼルス・エンゼルスにかつて在籍大投手、いわば雲の上の大先輩。いや、大谷選手自身も、もはや雲の上の選手。

大谷選手が「雲の上」なのは、やはりリアル二刀流で野球の神様ベーブ・ルースを超えたこと。9月24日に6回途中、2失点の投球で今シーズン14勝目を手にし、野球の神様」ベーブ・ルースを超える二桁本塁打(34本)&二桁勝利(14勝)の記録を達成。

ベースボールに限らず、人類史において、伝説を築く途上にある若きレジェンドが古きレジェンドを呼び覚ますことが往々にしてある。大谷翔平という若きレジェンドが新たな伝説を作るたびに、歴史上のレジェンドが思い起こされ、蘇る。(英語のlegendには、「伝説」という意味のほか「伝説的な人物」という意味も)。
大谷翔平が蘇らせたレジェンドには、ベーブ・ルースのほか、ランディ・ジョンソン、そしてノーラン・ライアンという3つの巨星がいる。ノーラン・ライアンは、投手としての大谷翔平だけでなく、打者としての大谷翔平を高く評価している。

2022シーズン開幕時に「ケガさえしなければホームラン王も最多勝も可能性は十分あると思う。ショウヘイは今季もサクセスするだろうね」と述べていた。

大谷選手は、エンゼルスでは1977年のノーラン・ライアン以来となる6試合連続の2桁奪三振を7月29日に達成して、45年の歴史を持つ記録を塗り替えた。

「記録は破られるためにある、私はそう思ってきた」という名言を残したのは、最多優勝91回、チャンピオン獲得7度などF1の主な個人記録を更新したF1レーサー、ミハエル・シューマッハである(彼は2013年のスキー事故以来、表舞台から姿を消した)。

大谷選手が記録を破るたびにそれまでの記録保持者が思い起こされ、蘇る。そのたびに若き日の追憶にふけったり、未来が切り開かれていることに感動を覚えるファンも多いはず。リアル二刀流は子供たちに
とって新しい現実となる。
日本からベースボールの聖地へやって来た純朴そうな若者があらゆる世代の心を動かしている。

大谷翔平「タイトルダブル獲り」の可能性

メジャーリーグのシーズン最優秀投手に贈られるサイヤング賞は11月中旬、MVPは11月17日に決定される。長いメジャーリーグの歴史の中でサイヤング賞とMVPを同時受賞した選手は過去に11人。2000年以降は2人のみ、2014年のカーショー(ドジャース)が最後の同時受賞者。
大谷翔平は2021年にMVPを受賞したが、今年も2年連続でMVPに選ばれ、サイヤング賞にも輝く可能性はある。

イノベーション魂

シーズン開幕前は、打席数が増えることを理由に大谷翔平が本塁打数を伸ばし、MVPを連続受賞するのではないかという予想もあったが、「飛ばないボール」の影響は大きく、大谷翔平は本塁打34本にとどまり、62本を放ったジャッジ選手に大きく水を空けられた。まるで、NPBにおける村上(神)とその他大勢の強打者の差のようだ。

しかし、「先発投手兼DH」を許可する、つまり、マウンドから降りても野手として出場してよいオオタニルールをメジャーに認めさせた大谷選手は、「2番投手兼DH」で出場を続けながら、中5日ローテーションを守り続けて、ベースボールの常識を塗り替えたのである。

これはまさしくアメリカ人が大好きな「イノベーション」にほかならない。イノベーションとは、モノや仕組み、サービス、組織、ビジネスモデルなどに新たな考え方や技術を取り入れて新たな価値を生み出し、社会にインパクトのある革新や刷新、変革をもたらすことを意味する。読者の皆さんが日々使っているWindowsやマック、AndroidスマホやiPhoneも、まさしくアメリが世界市場に投じて、全人類を虜にしたイノベーションなのだ。

アメリカが世界における勝ち組の地位を維持しているのは、イノベーションを追求してきたからにほかならぬ。勇気を持ってベースボールにイノベーションを起こした日本の若者に最大限の賛辞を贈るのがアメリカ人ではないか。

単純でわかりやすい本塁打数を取ってジャッジを表彰するか、アメリカの命とも言えるイノベーションを成し遂げた大谷翔平を表彰するか

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