2021年11月17日
地下水の異常(多くは水位の低下)は地震の前兆である可能性が高い。地下水と地震の関係については、産業技術総合研究所(産総研)の活断層・火山研究部門が真剣に研究している。その詳細は、「日本沈没」から生まれた研究者!? 地下水は地震の情報屋!?に記載がある。
![111701](https://livedoor.blogimg.jp/miccckey/imgs/7/0/703c469c.jpg)
さて、現在、琵琶湖の水位が異常に低下している。11月11日のマイナス59センチから、16日にはマイナス63センチまで低下が進んでいる。その原因は今年の秋以降の降水量が少なかったためだと報道されれている。
しかし、琵琶湖への水の年間流入量の1〜2割は地下水だという。その詳細は、滋賀県立大学環境科学部のサイトに記載されている。今回の水位低下にも、地下水が少なくとも部分的に関係しているはずだ。しかし、上記のとおり、地下水の異変は地震の前兆(宏観異常現象)の1つとして知られている。
ここで、あまり知られていない驚愕の事実がある。近年、琵琶湖の水位が秋季に大きく低下したことが2回あり、いずれも翌年春までに大地震が起きている。
・1回目は1994年。水位がマイナス123センチまで低下した。阪神・淡路大震災の前年の秋のことである。
・2回目は2002年。マイナス94センチまで低下。多数回発生している宮城県沖地震の1つの前年のことである。
動画入りの「カンテレ」ニュース「琵琶湖で水不足 危機的な状況 20年ぶりの『取水制限』発動の恐れも」が上記を詳しく説明しているが、原因としては降雨量が減ったことしか述べていない。
1994年の水位低下のことは、もっと知られているべきではなかったか。これは、日本という地震国がこれから地震に打ち勝つための有力な手段となる地震予知の根幹となる知見である。
そして、さらに注目すべき事象は、東日本大震災の東日本大震災の前年、2010年の暮れに起きた琵琶湖湖底からの堆積物吹き上げである。原因は解明されていないが、湖底の地面が湖水を温め対流を起こしていると推測された。「琵琶湖西岸断層帯があり、調査地点では活断層特有の磁場変動の異常がみられた」とのこと。当時の報道記事はネットからもう消えているが、こちらに記事の引用が残っている。
琵琶湖は単に日本一大きい湖なだけでなく、単に関西の水瓶であるだけでなく、科学的表現ではないが本州全土の地脈・水脈の中枢を担っているのではないか。琵琶湖の異変には、もっと目を光らせるべきだ。
今回の水位低下は、近い将来の大地震到来を告げているはずだ。しかし、2002年と2010年の異変の後、想像を絶する遠隔地で地震が起きた。どこで起きる地震かはわからない。
ところで、最近の琵琶湖の異変は、水位だけではない。外来魚が激減しているという。朝日新聞デジタルの記事「琵琶湖に異変? 姿消す外来魚、駆除量は去年の4割」に詳細が記載されている。
この記事の先頭に戻る