2010年12月07日
2010年は、世界規模で見ると、年初から大きな地震が連発で2つ起きた。1月12日のハイチ地震と2月27日のチリ地震の2つである。チリ地震の際は翌28日に気象庁が地域を分けて大津波警報、津波警報、および津波注意報を出した。
しかし、2010年は、日本国内に関する限り、チリ地震と同じく2月27日に沖縄本島近海でM7.2の地震が起きた以外、大きな地震が発生しなかった1年だった（まだ2010年は1か月弱残っているわけで、過去形で言うのは気が早すぎるかもしれないが）。昨2009年も、大きな地震と言えば8月11日に駿河湾で発生し死者1人を出したM 6.5の地震だけだった。
2008年までさかのぼると、5月8日に茨城県沖でM 7.0の地震が起きている。そのときたまたま中国の胡錦濤主席が来日中だったのだが、２ちゃんねるのオカルト版で「胡錦濤が持ち帰ったから安心」云々という書き込みがあり、5月12日にあの四川大地震が起きた。ただし、胡錦濤が持ち帰ったというのは全部ではなかったようで、6月23日に死者・行方不明者23人を数えたM7.2の岩手・宮城内陸地震が起きている。さらに7月24日に岩手県沿岸北部でM 6.8の地震が起き、9月11日に十勝沖でM 7.1の地震が発生した。
2009年、2010年と日本の地震活動は比較的小規模なものに落ち着いていたわけだが、2010年は「天変地異の前兆」を思わせる怪現象には事欠かなかった。その中から、筆者が特に強い印象を覚えたものを以下に列挙してみよう。
1. リュウグウノツカイ
2010年は、日本各地で深海魚が浜辺に打ち上げられる事例が頻繁に発生した。中でも、幻の深海魚として知られるリュウグウノツカイの発見件数が異常に多かった。特に石川県での発見例は目を見張るものであり、1月以降、県内各地の海岸で16匹が見つかった。次のURLにその詳細が記されている。(ご注意：2014年2月現在リンク切れ）。
2. 東海地方で爆発音
8月7日、午後5時過ぎに東海地方の広い範囲で「ドーンという爆発音があった」との通報が相次いだ。さまざまな憶測を呼んだが、結局、原因は不明のまま。
関東大震災の前にも、似たような原因不明の爆発音が聞こえたという話がある。関東大震災は1923年9月1日に起きたわけだが、その年の4月から5月にかけて以下のような現象が報告されていた。
3. 瀬戸内海に謎の気泡
播磨灘の中央部で、海面に複数の気泡が間断なく浮かび上がる現象が目撃され、神戸新聞が8月31日に映像入りの記事で詳しく伝えた。
今年は猛暑だったわけだが、そのせいで海底からのメタン発生が促進されたとかいう説明を付ける専門家もいたようだが、結局、その原因はおろか、この現象自体がそもそも何だったのかさえ解明されることなく終わったようである。「日本沈没」でも、これに似た現象が予兆として観測されるという下りがあるようだが・・・。
4. 中海の渦巻き
11月6日、鳥取、島根県境の中海に直径約50メートルの巨大な緑色の渦が発生した。緑に見えるのはプランクトンのアオコのせいということだが、渦を巻いている理由がよくわからない。
第8管区海上保安本部美保航空基地の担当者は「こんな現象は初めて。中海の栓が抜けたように見えた」と驚きをあらわにした。詳細は次のURLを参照。
5. 琵琶湖底で堆積物噴き上げ
実際にこの現象が発見されたのは正確には2010年ではなく、前年の年末12月27日のことだが、3月8日に共同通信が伝えた。
最後の記述「琵琶湖西岸断層帯があり、調査地点では活断層特有の磁場変動の異常がみられた」に注目されたい。そもそも琵琶湖は断層から生まれた湖である。その断層が再び活動する予兆かもしれない現象が発見されたということになる。
ともあれ、2008年までと比べると、2009年、2010年は大きな地震が少なく、しかも上記のような“宏観異常”的な現象が2010年を通じて頻繁に報告されている。そろそろ大きいのが来てもおかしくはないだろう。まあ、筆者がこういうことを書くとたいしたことは起こらないという“実績”もあるのだが・・・（「関連記事」参照）。
【余談】
筆者はチリ地震による津波の警報・注意報が気象庁から出されたとき、たまたま淀川河川敷で自転車に乗っていたのだが、堤防上に一定間隔で配置されている電気設備のようなものから、いきなりスピーカーで退去を呼びかける声が流されたことに驚いたのを覚えている。そのアナウンスは国土交通省の名の下に流され、日本語版と英語版を交互に繰り返していた。
国土交通省ご自慢の河川敷警報システムが（少なくとも津波に関しては）設置後初めて作動した瞬間だったのではなかろうか。
【関連記事】
2008年までさかのぼると、5月8日に茨城県沖でM 7.0の地震が起きている。そのときたまたま中国の胡錦濤主席が来日中だったのだが、２ちゃんねるのオカルト版で「胡錦濤が持ち帰ったから安心」云々という書き込みがあり、5月12日にあの四川大地震が起きた。ただし、胡錦濤が持ち帰ったというのは全部ではなかったようで、6月23日に死者・行方不明者23人を数えたM7.2の岩手・宮城内陸地震が起きている。さらに7月24日に岩手県沿岸北部でM 6.8の地震が起き、9月11日に十勝沖でM 7.1の地震が発生した。
2009年、2010年と日本の地震活動は比較的小規模なものに落ち着いていたわけだが、2010年は「天変地異の前兆」を思わせる怪現象には事欠かなかった。その中から、筆者が特に強い印象を覚えたものを以下に列挙してみよう。
1. リュウグウノツカイ
2010年は、日本各地で深海魚が浜辺に打ち上げられる事例が頻繁に発生した。中でも、幻の深海魚として知られるリュウグウノツカイの発見件数が異常に多かった。特に石川県での発見例は目を見張るものであり、1月以降、県内各地の海岸で16匹が見つかった。次のURLにその詳細が記されている。(ご注意：2014年2月現在リンク切れ）。
2. 東海地方で爆発音
8月7日、午後5時過ぎに東海地方の広い範囲で「ドーンという爆発音があった」との通報が相次いだ。さまざまな憶測を呼んだが、結局、原因は不明のまま。
関東大震災の前にも、似たような原因不明の爆発音が聞こえたという話がある。関東大震災は1923年9月1日に起きたわけだが、その年の4月から5月にかけて以下のような現象が報告されていた。
鎌倉、藤沢あたりで毎夜大砲を撃つような音が聞こえ、ガラス戸が破れんばかりの振動を受けた。大島の噴煙は火柱となり、夜間は殊に美しかった。
（出典）http://www.eleshow.com/namazu/zenchou.html
3. 瀬戸内海に謎の気泡
播磨灘の中央部で、海面に複数の気泡が間断なく浮かび上がる現象が目撃され、神戸新聞が8月31日に映像入りの記事で詳しく伝えた。
今年は猛暑だったわけだが、そのせいで海底からのメタン発生が促進されたとかいう説明を付ける専門家もいたようだが、結局、その原因はおろか、この現象自体がそもそも何だったのかさえ解明されることなく終わったようである。「日本沈没」でも、これに似た現象が予兆として観測されるという下りがあるようだが・・・。
4. 中海の渦巻き
11月6日、鳥取、島根県境の中海に直径約50メートルの巨大な緑色の渦が発生した。緑に見えるのはプランクトンのアオコのせいということだが、渦を巻いている理由がよくわからない。
第8管区海上保安本部美保航空基地の担当者は「こんな現象は初めて。中海の栓が抜けたように見えた」と驚きをあらわにした。詳細は次のURLを参照。
5. 琵琶湖底で堆積物噴き上げ
実際にこの現象が発見されたのは正確には2010年ではなく、前年の年末12月27日のことだが、3月8日に共同通信が伝えた。
センターの熊谷道夫環境情報統括員（地球物理学）らは昨年１２月２７日、東京大などと共同開発した自律型潜水ロボット「淡探」を使って高島市沖約５キロの湖底を観測。水深約９０～１００メートルの２地点で長さ計約１・３キロにわたって堆積物がむくむくと上り、湖水が濁る様子をとらえた。高さ１メートルほど上がっていた場所もあった。
得られたデータから、地下水やメタンガスの噴出を検討したが、気泡が見つからないなどの理由でこれらの可能性を排除。湖底の地面が湖水を温め対流を起こしているとも推測できるという。琵琶湖の西には琵琶湖西岸断層帯があり、調査地点では活断層特有の磁場変動の異常がみられた。
（出典）http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030801000461.html
最後の記述「琵琶湖西岸断層帯があり、調査地点では活断層特有の磁場変動の異常がみられた」に注目されたい。そもそも琵琶湖は断層から生まれた湖である。その断層が再び活動する予兆かもしれない現象が発見されたということになる。
ともあれ、2008年までと比べると、2009年、2010年は大きな地震が少なく、しかも上記のような“宏観異常”的な現象が2010年を通じて頻繁に報告されている。そろそろ大きいのが来てもおかしくはないだろう。まあ、筆者がこういうことを書くとたいしたことは起こらないという“実績”もあるのだが・・・（「関連記事」参照）。
【余談】
筆者はチリ地震による津波の警報・注意報が気象庁から出されたとき、たまたま淀川河川敷で自転車に乗っていたのだが、堤防上に一定間隔で配置されている電気設備のようなものから、いきなりスピーカーで退去を呼びかける声が流されたことに驚いたのを覚えている。そのアナウンスは国土交通省の名の下に流され、日本語版と英語版を交互に繰り返していた。
国土交通省ご自慢の河川敷警報システムが（少なくとも津波に関しては）設置後初めて作動した瞬間だったのではなかろうか。
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この記事へのコメント
1. Posted by Ｄ.Ｔ 2010年12月07日 16:57
ノアの洪水伝説が本当に神の怒りに触れての事なら、現代はもう十二分に怒りに触れるべきだろうな…などと思う。2. Posted by ｴﾆｬﾝ 2010年12月08日 10:42
DTさんに超同感。3. Posted by あ 2010年12月12日 04:58
既出のニュースのまとめ記事とはいえ、こうして読むと面白い
なのに この記事への反応が過疎っているのがなんか不気味
空白域は怖い
なのに この記事への反応が過疎っているのがなんか不気味
空白域は怖い
4. Posted by japanese man 2011年03月14日 12:02
まさかこんな予期情報があったなんて。今回の東北沖地震につながることとして今後に活かしてもらいたい。
5. Posted by Mr.K 2011年03月18日 07:26
言葉にならない…6. Posted by 偶然でも・・・・ 2011年03月27日 00:41
次の地震はどこですか？7. Posted by え 2011年05月02日 20:38
まさかだよ…8. Posted by pneumatic cylinder kits 2012年07月25日 16:28
また、年を取った犬や猫を飼い主から有料で引き取り、代わりに世話をしている施設の衛生管理がずさんなことや、オークションで取り引きされたペットの病歴などがたどれないことが問題になっているため、環境省は、こうした施設などの運営業者に対し都道府県への登録を義務づけ、設備や情報の管理を改善させる方針です
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