2010年08月09日
米国フロリダ半島東岸、大西洋を一望できるベシューン・ビーチにウイリアムス夫婦の乗った車がやって来た。時刻は午後7時半。だが奄美大島とほぼ同じ緯度にある当地では、この時期8時過ぎまで日が沈まない。妻のマーサさんと夫のロンさんは真夏の大海原の眺望を楽しもうと車から降りた。
数十メートル沖合を女性が泳いでいるのが見えた。2人はその元気な女性の泳ぎをしばらくぼんやり眺めていた。ところが、まもなくすると水中に黒っぽい大きな生き物の一群が現れるのが見えた。サメだった。
女性スイマーは岸と平行に泳いでいる。サメたちは女性スイマーより岸寄りの水中にいるが、同じく岸と平行な方向に泳いでいる。
「まあ大変! サメたちが彼女のことを完全に無視して、というか気付きもせずに通り過ぎてくれたらいいんだけど」とマーサさんはロンさんに声をかける。
しかし現実は容赦ない。サメたちは急に向きを変えると、女性スイマーの方へ突進していく。マーサさんは悲鳴を上げる。「大変だわ! どうしよう! サメたちが彼女めがけて泳いでいくわ」
展開が急すぎて、浜辺から見ている夫婦になすすべはなかった。女性スイマーの周囲の海面が沸き立ち、水が逆巻く。女性スイマーの身体が海面から空中に投げ出されてしまう。空中で彼女の両手と両足が激しく揺れているのが見えた。
女性スイマーの名は、ジュディ・フィッシュマン。2002年ごろからエクササイズのためにこのあたりの海で泳いでいる。その日(8月5日)も、いつものようにベシューンビーチ沖合を爽快に泳いでいたのだが、何かおかしいと気付いた次の瞬間には、巨大な黒っぽい生き物の背中に自分の身体が乗っていた。
「この巨体はマナティであってくれ」というジュディさんの期待はもろくも崩れ去る。黒い尾が見えたからだ。そう、彼女は巨大なサメの背中に乗っていたのだ。
そして脇を見ると、横にも別のサメが泳いでいるではないか。ジュディさんは大声で何かを叫んだ。しかし、何を叫んだのかは自分でも覚えていない。
ジュディさんは、これほどまでの極限状況に置かれながらも冷静さを残していて、以前テレビで見たサメ撃退法を思い出した。――サメに強烈なパンチを浴びせて、サメに自分を手強い生き物だと思わせること。
その撃退法を思い出したジュディさんは夢中でサメを殴り始めた。すると、サメは身体を横に傾けたり、尾を彼女の身体の方に反らせたりして嫌がった様子を見せ始めた。
そのとき大きな波がやって来た。その波が合図になったかのように、サメたちの群れが一斉に姿を消した。
「サメたちは、私が獲物じゃないと感じたのでしょう」とジュディさんは言う。「そう言えば、私は黒い水着を着ていたので、彼らは私のことをアザラシだと思ったのかもしれませんね」
一方、浜辺からその様子を見ていたロン・ウィリアムスさんは、女性スイマーが怪我を負っているに違いないと思い、大慌てで波打ち際に駆けつけた。ところが、遠浅の海から波打ち際近くまで辿り着いた女性スイマー、ジュディさんは平気な様子で水中を歩いてくる。
そう、ジュディさんはサメの大群に襲われ、海面から空中に放り投げられながらも、ほとんど無傷で生還を果たしたのである。両足に軽いかすり傷を負っただけだった。
ジュディさんと目撃者のマーサさんは、翌日、フロリダ大学のシャークアタック研究家ジョージ・バージェス氏を訪ねて、この出来事の一部始終を話した。話を聞いたバージェス氏は、現時点では、その生き物がサメであったとは断定しかねているようだ。イルカや小型のクジラなどの海生哺乳類であった可能性も否定できないという。
しかし、当のジュディさんも目撃者のマーサさんとロンさんも、ジュディさんを取り囲んで襲おうとした生き物がサメであったと確信している。また、8月5日はいつものように、付近のあらゆる海域でサメの姿が目撃されていた。筆者が思うに、専門家のバージェス氏としては、サメの背中に乗った人が無傷で生還を果たしたこと自体が前代未聞なため、慎重な姿勢を取っているのだろう。
なお、ジュディさんは数十メートル沖合を泳いでいたが、それは砕け散る波を嫌ってのことだという。ベシューン・ビーチの海は遠浅で、数十メートル沖合でも1.8メートルあるかないかの深さらしい。ジュディさんによると、泳いでいるときにサメの姿を目にするのは、しょっちゅうのことだという。マナティにも何度か遭遇している。
ジュディさんが今回のことで懲りて海でのエクササイズを取りやめるかというと、そうは問屋が卸さない。翌日には、もう何事もなかったかのように海に入って泳いだという。普段からサメを目撃しながらも平気で泳いでいる人なのだから。
ジュディさんは、守護天使が自分のことを見守っていてくれたから生還できたのかもしれないと話している。なお、名は体を表すというが、ジュディさんのラストネームは先に記したとおりフィッシュマン(Fischman)。そして、Fischはドイツ語で魚の意味。
ともかく、その群れが彼女の確信するようにサメであったとするなら、まさに紙一重の生還劇だったといえるだろう。
【付記】
おっと、久しぶりにテレビ番組向きの話題を取り上げてしまったようだ。この記事は現段階では、AP、AFP、ロイターなどのグローバルな通信社が報じておらず、フロリダ州のローカルメディアだけが伝えている。
実は仕事が詰まっているのだが、個人的に好きな系統の話なので、どうしても記事にしたくなった次第。エロ・グロ系のネタでアクセスが集まるのもブログがにわかに活気づいて嬉しい気はするが、もうブログからの金銭的収入には一切期待しないスタンスになりつつある。
そのうち、自己買い用にAmazonだけを残し、その他の広告を一切排除するつもり。たまに趣味的に更新するだけでいいだろうと思っている。
■ Source: Woman: Shark took me for a ride - News
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女性スイマーは岸と平行に泳いでいる。サメたちは女性スイマーより岸寄りの水中にいるが、同じく岸と平行な方向に泳いでいる。
「まあ大変! サメたちが彼女のことを完全に無視して、というか気付きもせずに通り過ぎてくれたらいいんだけど」とマーサさんはロンさんに声をかける。
しかし現実は容赦ない。サメたちは急に向きを変えると、女性スイマーの方へ突進していく。マーサさんは悲鳴を上げる。「大変だわ! どうしよう! サメたちが彼女めがけて泳いでいくわ」
展開が急すぎて、浜辺から見ている夫婦になすすべはなかった。女性スイマーの周囲の海面が沸き立ち、水が逆巻く。女性スイマーの身体が海面から空中に投げ出されてしまう。空中で彼女の両手と両足が激しく揺れているのが見えた。
女性スイマーの名は、ジュディ・フィッシュマン。2002年ごろからエクササイズのためにこのあたりの海で泳いでいる。その日(8月5日)も、いつものようにベシューンビーチ沖合を爽快に泳いでいたのだが、何かおかしいと気付いた次の瞬間には、巨大な黒っぽい生き物の背中に自分の身体が乗っていた。
「この巨体はマナティであってくれ」というジュディさんの期待はもろくも崩れ去る。黒い尾が見えたからだ。そう、彼女は巨大なサメの背中に乗っていたのだ。
そして脇を見ると、横にも別のサメが泳いでいるではないか。ジュディさんは大声で何かを叫んだ。しかし、何を叫んだのかは自分でも覚えていない。
ジュディさんは、これほどまでの極限状況に置かれながらも冷静さを残していて、以前テレビで見たサメ撃退法を思い出した。――サメに強烈なパンチを浴びせて、サメに自分を手強い生き物だと思わせること。
その撃退法を思い出したジュディさんは夢中でサメを殴り始めた。すると、サメは身体を横に傾けたり、尾を彼女の身体の方に反らせたりして嫌がった様子を見せ始めた。
そのとき大きな波がやって来た。その波が合図になったかのように、サメたちの群れが一斉に姿を消した。
「サメたちは、私が獲物じゃないと感じたのでしょう」とジュディさんは言う。「そう言えば、私は黒い水着を着ていたので、彼らは私のことをアザラシだと思ったのかもしれませんね」
一方、浜辺からその様子を見ていたロン・ウィリアムスさんは、女性スイマーが怪我を負っているに違いないと思い、大慌てで波打ち際に駆けつけた。ところが、遠浅の海から波打ち際近くまで辿り着いた女性スイマー、ジュディさんは平気な様子で水中を歩いてくる。
そう、ジュディさんはサメの大群に襲われ、海面から空中に放り投げられながらも、ほとんど無傷で生還を果たしたのである。両足に軽いかすり傷を負っただけだった。
ジュディさんと目撃者のマーサさんは、翌日、フロリダ大学のシャークアタック研究家ジョージ・バージェス氏を訪ねて、この出来事の一部始終を話した。話を聞いたバージェス氏は、現時点では、その生き物がサメであったとは断定しかねているようだ。イルカや小型のクジラなどの海生哺乳類であった可能性も否定できないという。
しかし、当のジュディさんも目撃者のマーサさんとロンさんも、ジュディさんを取り囲んで襲おうとした生き物がサメであったと確信している。また、8月5日はいつものように、付近のあらゆる海域でサメの姿が目撃されていた。筆者が思うに、専門家のバージェス氏としては、サメの背中に乗った人が無傷で生還を果たしたこと自体が前代未聞なため、慎重な姿勢を取っているのだろう。
なお、ジュディさんは数十メートル沖合を泳いでいたが、それは砕け散る波を嫌ってのことだという。ベシューン・ビーチの海は遠浅で、数十メートル沖合でも1.8メートルあるかないかの深さらしい。ジュディさんによると、泳いでいるときにサメの姿を目にするのは、しょっちゅうのことだという。マナティにも何度か遭遇している。
ジュディさんが今回のことで懲りて海でのエクササイズを取りやめるかというと、そうは問屋が卸さない。翌日には、もう何事もなかったかのように海に入って泳いだという。普段からサメを目撃しながらも平気で泳いでいる人なのだから。
ジュディさんは、守護天使が自分のことを見守っていてくれたから生還できたのかもしれないと話している。なお、名は体を表すというが、ジュディさんのラストネームは先に記したとおりフィッシュマン(Fischman)。そして、Fischはドイツ語で魚の意味。
ともかく、その群れが彼女の確信するようにサメであったとするなら、まさに紙一重の生還劇だったといえるだろう。
紙一重指数10 | ■■■■■■■■■■ |
【付記】
おっと、久しぶりにテレビ番組向きの話題を取り上げてしまったようだ。この記事は現段階では、AP、AFP、ロイターなどのグローバルな通信社が報じておらず、フロリダ州のローカルメディアだけが伝えている。
実は仕事が詰まっているのだが、個人的に好きな系統の話なので、どうしても記事にしたくなった次第。エロ・グロ系のネタでアクセスが集まるのもブログがにわかに活気づいて嬉しい気はするが、もうブログからの金銭的収入には一切期待しないスタンスになりつつある。
そのうち、自己買い用にAmazonだけを残し、その他の広告を一切排除するつもり。たまに趣味的に更新するだけでいいだろうと思っている。
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この記事へのコメント
1. Posted by 2010年08月09日 03:25
俺も乗られたいな
2. Posted by ハラ 2010年08月09日 04:57
最近知ったばかなのり残念です
3. Posted by yao 2010年08月09日 06:06
海に関してはすごいとか恐怖とか感動とか色んな感情を改めて覚えます
4. Posted by サメ 2010年08月09日 09:37

5. Posted by あう 2010年08月09日 09:50
タイトル見て一瞬海のトリトンみたいなのを想像しましたが。
なかなか現実は上手くいかないね〜。
なかなか現実は上手くいかないね〜。
6. Posted by Shyun 2010年08月09日 10:35
サメって『サメ肌』って言われるぐらいヤスリ状の皮膚でしょ?
跨がったっていうけど微細な擦過傷なんかつかなかったんですかね? 傷から病原菌にでも感染したら幸運じゃ済まないかも…。
跨がったっていうけど微細な擦過傷なんかつかなかったんですかね? 傷から病原菌にでも感染したら幸運じゃ済まないかも…。
7. Posted by 2010年08月10日 22:11
相手が鮫で、本当にアザラシと間違えられてたらよってたかって食いちぎられてる。
サメは表皮に痛覚がないから胴体をなぐっても効かない。
殴られた圧力は感じるが
鼻先は神経が多いので、なぐった拍子に流れる微弱電流(心臓マッサージで心臓が再鼓動することがあるのもこの微弱電流による。ポンプ作用ではない)で驚くことがあるだけで
だからサメだったら 殴られる→身をよじって確認する→スイマー発見→ごちそうさまでした
イルカだな
サメは表皮に痛覚がないから胴体をなぐっても効かない。
殴られた圧力は感じるが
鼻先は神経が多いので、なぐった拍子に流れる微弱電流(心臓マッサージで心臓が再鼓動することがあるのもこの微弱電流による。ポンプ作用ではない)で驚くことがあるだけで
だからサメだったら 殴られる→身をよじって確認する→スイマー発見→ごちそうさまでした
イルカだな
8. Posted by 2010年08月13日 10:48
>7
背に乗って殴ったならおそらく眼かエラだろう。
全身に痛覚がないなんて迷信だ。
仮に鼻先と同じように微弱な電流が流れるだけだとしても、
そういう「予想外の反撃」に野生生物は弱いんだよ。
そしてサメが群をなしていようと獲物にすぐ襲い掛かるわけじゃない。
しかしいずれにしても助かった彼女は運がよかったね。
背に乗って殴ったならおそらく眼かエラだろう。
全身に痛覚がないなんて迷信だ。
仮に鼻先と同じように微弱な電流が流れるだけだとしても、
そういう「予想外の反撃」に野生生物は弱いんだよ。
そしてサメが群をなしていようと獲物にすぐ襲い掛かるわけじゃない。
しかしいずれにしても助かった彼女は運がよかったね。
9. Posted by 蒼 2010年10月08日 18:08
本当にサメなんかな
怖い話だ
怖い話だ
10. Posted by 静 2011年02月09日 02:55

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