クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:地下鉄の中に置き忘れたクリスマスプレゼントが彼女の元に戻ってきたのは、数日前に落ちていた小切手帳を落とし主に送り届けていたおかげ

2009年12月25日

地下鉄の中に置き忘れたクリスマスプレゼントが彼女の元に戻ってきたのは、数日前に落ちていた小切手帳を落とし主に送り届けていたおかげ


12月21日のこと、ニコール・スノウさんという女性がニューヨークの地下鉄に乗って職場に向かっていた。いつもと違うのは、クリスマス・プレゼントを携えていること。出勤前に郵便局に寄って発送するつもりだった。
B線に乗り換えようとして列車を降りたニコールさんは自分が大変な忘れ物をしていることに最初気づかなかった。ホームから乗り換え通路への角を曲がったところでプレゼントを座席の上に置き忘れていることに気がつき、大慌てで引き返す。しかし、ホームに戻ったときはもうドアが閉まっていた。

確かに座席の上にプレゼントが置き去りにされているのが見える。でも、無情にも列車は発車してしまった。

時計を数十秒巻き戻すと、ニコールさんが地下鉄車両から降りたとき、すれ違いざまに乗車してきた男性がいた。デニス・ヌーナンさんである。ニコールさんとデニスさんはニューヨーカーという以外に何の接点もない赤の他人同士。

デニスさんはドアが閉まった後で、座席の上に置き去りにされているクリスマス・プレゼントに気づいた。彼は、プレゼントが入った袋を持ち上げ、「このままでは、誰かのクリスマスが台無しになってしまう」と思った。

プレゼントの袋を調べてみると、どうやら「ニコール・スノウ(Nicole Snow)」という女性が差出人であるらしいことがわかった。だが、連絡先などの情報は不明である。しかし、デニスさんがとても機転の利く男性だったことが幸いした。

Snowというラストネームは珍しい。検索してみれば何かわかるのではないか。実際、デニスさんは以前、妻がナッシュビルで運転免許証をなくしてパニック状態になったときに、検索で手がかりを見つけたことがあった。

そして、結果的にデニスさんはニコールさんと連絡を取ることに成功し、12月23日に大事な忘れ物を彼女に手渡すことができた。しかし、それが可能だったのは、ニコールさんが自分で忘れ物をする前の週に誰かの忘れ物を見つけて送り届けるという善行を働いていたからだった。

クリスマスプレゼントを地下鉄の中に忘れた日の数日前、ニコールさんは路上に落ちている小切手帳を見つけた。小切手帳など、落としたことに気づいたら普通は再発行するものだし、本人がサインしなければ使えないものだし、別に落とし主に戻してあげる必要もなさそうに思えた。

でも、ニコールさんはこう考え直した。落とした小切手帳を送り届けてくれた人がいたら、それだけで落とし主は本当に幸せな気持ちになれるんじゃないかしら、と。

まあしかし、自分自身が大事なクリスマスプレゼントを地下鉄の中に置き忘れてしまったニコールさんの落胆は大きく、自分が数日前に誰かの落とし物を郵便で送り届けていたことなど、すっかり忘れてしまっていた。

デニスさんがFacebookで“Nicole Snow”という名前を検索して見つけたのは、まさしくその落とし主のページだった。自分が落とした小切手帳が郵便で戻ってきた。送り主の名は“Nicole Snow”だったというようなことが書かれていた。

そこでデニスさんは、そのページの主に事情を説明し、“Nicole Snow”さんが小切手帳を郵送するときに記入していた送り主住所を突き止め、その住所に手紙を送った。「地下鉄の中にプレゼントを忘れたのはあなたではありませんか?」と。

その手紙を受け取ったニコールさんには、その手紙がまるで天使からの手紙のように見えた。すぐに返事を出し、プレゼントを手渡してもらう約束をするに至った。本件のソースとして参照したwcbstv.comの記事には、ニコールさんとデニスさんがハグしているシーンの写真が掲載されている。

ただし、元記事を読むだけでは、小切手帳を送り届けたニコールさんの名前をデニスさんがFacebook上で見つけるに至ったいきさつが説明不足でよくわからない。上には、プレゼントの袋のどこかにデニスさんのフルネームを示す情報があったと書いたが、元記事にそう明記されているわけではない。デニスさんが落とし主のページをFacebook上で見つけたとも書いたが、これまたソースにそう明記されているわけではない。

元記事を30分も精読し、あらゆる可能性を吟味した結果、上のようないきさつ以外には考えられないと判断した次第。

★ ★ ★


さてところで、筆者自身、1か月ほど前、思いがけない親切に触れる経験をした。ある雨の日、傘をささずに場末の道を歩いていると、雨脚がいよいよ強くなってきた。雑貨や食料品などを置いている個人商店に飛び込み、傘は売ってませんかと訊くと、店主のおばちゃんが首を振る。私が残念そうな表情を見せると、「そこにある傘を持っていってくれたらええよ」と言う。

“そこにある傘”とは、外の傘立てに立ててある傘のこと。4、5本の傘があったが、どれも高級そうな傘ばかりで安物の傘は1つもない。わたしが戸惑っていると、おばちゃんはこう言う。「それ、うちの傘とちゃうねん。もう何ヶ月も前にお客さんが忘れたまま、取りに来てない傘ばっかりやねん」

おばちゃんは一番高そうなオール木製の傘を私に渡してくれた。「返しに来なくてもええで。どうせ、忘れたまま取りに来てない傘やねんから」

私はその傘を有り難く拝借して雨の中を急いだ。

いかにも人情の町、大阪的な話である。大阪でなければありえない素晴らしい話である。・・・なーんて書くと、さまざまな突っ込みがあることだろう。

そもそも、いくら長い間忘れ主が取りに来ていないとしても、店のおばちゃんではなく、忘れ主の客に所有権があるのだから、良い話なわけないだろう、という突っ込みもあるだろう。いや、実際私もそう思う。(傘は後日返しに行った)。

大阪という一地域に限定した良い話だみたいな言い方が気にくわない、という突っ込みも考えられる。

なんでこんな話を持ち出したかというと、元記事の末尾に余計な一文が書き加えられていて、英語Webのあちこちで物議をかもしているからなのだ。

“It's a wonderful holiday story that could only happen in New York City.”という一文である。「これぞ、ニューヨーク市でなければ決して起こらなかった素晴らしいホリデーストーリーだ」という意味になる。たとえば、某サイトのコメント欄でも、この一文がやり玉に挙がっている。

まあ、当ブログでも美談を紹介しながら、末尾にひねりを入れた一文を加えたところ、その一文に一部の人たちから集中砲火を浴びた経験があったりもする。まあ、そういう一文が蛇足であることだけは確かだろう。しかし、蛇足部分に粘着して、肝心の本題を忘れてしまう人たちもなんだか寂しい。




■ Source: Holiday Hero: Subway Rider Returns Lost Xmas Gifts - wcbstv.com

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この記事へのコメント

1. Posted by heime   2009年12月25日 09:35
親切は返ってくるとはよく言ってたが
確かにそうだなと思える記事ですな
しないよりもする方がそういう場面に遭遇しやすいのかも
もっとも、親切をしてあげたと記憶に残してるような人にゃ中々返ってこないんでしょうけど。

何か言葉の使い方が変や。
2. Posted by 村人M   2009年12月25日 20:08
情けは人のためならずですね。
3. Posted by ふと思う   2009年12月25日 22:20
借りた傘は返したのでしょうか?
そこから更に話が広が…ないかなぁ?
日本じゃ無理かな?
浪花節の大阪だから、そこから話が展開して膨らむ可能性って…あるんじゃない?
4. Posted by     2009年12月25日 22:45
なんにせよ、色々手を尽くしてまで忘れ物を届けようという善意に感動させられますね。
警察に届けるのすら面倒だと思う人も多いでしょうに。
5. Posted by uuu   2009年12月28日 01:51
>>3
返したって書いてんじゃん
6. Posted by ユラユラ   2009年12月31日 16:58
4 アッタマ良いわ〜
感心しました。
7. Posted by はて?   2010年01月02日 02:42
日本なら、駅員に問い合わせ→見つかりました、って流れが普通だと思うが、あちらの駅員は信用ならんのかな?
8. Posted by マナ   2010年01月11日 11:41
海外でプレゼントを送る場合大抵手紙やカードが入っているのでそれを読んだんではないでしょうか。
9. Posted by 恋活婚活をはじめよう   2011年11月27日 02:29
4 ^H}Sm}fE, www.vipcall.biz/sp, 恋活婚活をはじめよう, http://www.vipcall.biz/sp/?p=66
10. Posted by boyaci   2012年01月17日 04:09
なんにせよ、色々手を尽くしてまで忘れ物を届けようという善意に感動させられますね。
警察に届けるのすら面倒だと思う人も多いでしょうに。
11. Posted by Highly recommended Online site   2014年05月11日 06:44
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12. Posted by sites   2014年05月12日 07:35
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