2008年07月21日
オーストラリアのメルボルンで7月12日(土曜日)、ビキニ姿の女性たちが舞台に登場して美を競うコンテストが開かれた。「美を競う」と言っても、美人コンテストではない。彼女らが競っていたのは“筋肉美”である。女性だけのボディビル・コンテストが行われていたのだ。
当然のことながら、参加選手はハイティーンもしくは成人女性ばかりである。しかし、その中に混じって1人だけ、ひときわ小柄な選手がいた。小柄だが筋肉質な体は周囲の選手たちと遜色なかった。遠くの席から彼女のビキニ姿を見ていた観客には、彼女の年齢を言い当てることができただろうか。
会場のアナウンスが彼女の氏名と年齢を告げると、会場がざわめいた。あんなに筋肉質なのに、まだ10歳だというのだ。
10歳という幼さであるにも関わらず、モーン・ウェルハムちゃんの全身の筋肉には、きれいにカットが出ている。腹筋も見事に割れている。長年筋肉を鍛えてきたに違いない他の選手と比べても見劣りなどしない。いや、ごく自然に脂肪が付いていないことによるカットの出方は彼女の方が上を行っているかもしれない。
舞台上のモーンちゃんがポーズを取り、腹筋を収縮させると、観客席から拍手喝采の嵐が巻き起こった。左の写真は演技中のモーンちゃんを撮影したもの(クリックすると拡大画像が表示される)。わずか10歳の女の子がこんなに筋肉質な体をしているだなんて、にわかには信じがたい。
このコンテストは、筋肉増強剤などの薬物を使用しないことを絶対条件として定めている国際ボディビル組織が主催したものだった。しかし、ボディビルダは薬物を使わないとしても、かなり体に負担のかかるウェイトトレーニングを積み重ねる。コンテスト前は、厳しい食事制限の日々を過ごさなければならない。
成長過程にある10歳の女の子がそのようなトレーニングやダイエットをしても大丈夫なのか? そう心配する人もいるだろう。実際、現地の専門家の中にも、モーンちゃんの健康への影響を懸念している人たちがいる。
オーストラリアでスポーツ医学のエキスパートとして知られているピーター・ラーキンズ医師はこう指摘する。「まだ思春期を迎えていない子供がウエートトレーニングをするのは安全ではなく、効果もないはずです。筋肉が発達するために必要なホルモンがまだ分泌されていないのですから」
しかし、モーンちゃんに関する限り、このような懸念はどうやら杞憂のようだ。というのも、モーンちゃんのこの見事な筋肉はウェイトトレーニングに頼らずに作られたものだからだ。それに、モーンちゃんの母ミシェルさんも「子供にウェイトトレーニングをさせるだなんて無責任なことはできません」と断言している。
モーンちゃんは、体を動かすことが大好き。とにかく走ることが好きで、腕立て伏せとスクワットも日課にしている。ウェイトを使わないトレーニングだけで、10歳の女の子がここまで筋肉質な体を作り上げるとは驚きだ。
ミシェルさんによると、モーンちゃんはボディビルダを目指しているわけではなく、オリンピック選手になることを夢みている。彼女が特に憧れているのは、2003年と2007年の世界選手権で女子四百メートル障害を制したジャナ・ローリンソン選手である。
モーンちゃんは、テレビでボディビル・ショーを見た後、自分もコンテストに出たいと言い出した。そこで、ミシェルさんがいろいろ調べて、今回のコンテストへの出場手配をしたのだった。ミシェルさんによれば、モーンちゃんは純然たる楽しみのためにコンテストに参加してみただけだという。
ともあれ、筋肉を発達させるために必要なホルモンがまだ分泌されていないはずのモーンちゃんがラン、プッシュアップ(腕立て伏せ)、スクワットだけのトレーニングで、ここまでムキムキになったのは実に不思議である。当ブログでは、「ミオスタチン関連筋肉肥大」という“超人的体質”を持つ人たちが2004年以降、世界で100人ほど見つかっているという話題を取り上げたことがある。
“ミオスタチン関連筋肉肥大”の人たちは、生まれたときから筋肉の量が通常の1.4倍もある。体脂肪がほとんどないため、大量の食事を必要とする。まったく太ることはなく、幼少時から抜群の筋力を発揮する。そして、体は幼いときからムキムキである。
もしかしたら、モーンちゃんも、生後5ヶ月で十字懸垂をし、普通の子供よりも筋肉が40パーセントも多い米国ミシガン州のリアム・フックストラちゃんと同じく、“現存する超人”の1人なのかもしれない。
もしそうだとしたら、オリンピックに出たいという彼女の夢が現実のものとなる可能性は格段に高くなるだろう。そしてその場合、モーンちゃんが大きくなったころに果たしてオリンピックがまだ存続しているだろうか、という点が最大の懸念事項となるわけである。
※評点追加(7/25 17:45):お約束の評点を付けるのが大幅に遅れてしまった。
■ Source: Concern over girl, 10, at Melbourne bodybuilding competition
【関連記事】
会場のアナウンスが彼女の氏名と年齢を告げると、会場がざわめいた。あんなに筋肉質なのに、まだ10歳だというのだ。
10歳という幼さであるにも関わらず、モーン・ウェルハムちゃんの全身の筋肉には、きれいにカットが出ている。腹筋も見事に割れている。長年筋肉を鍛えてきたに違いない他の選手と比べても見劣りなどしない。いや、ごく自然に脂肪が付いていないことによるカットの出方は彼女の方が上を行っているかもしれない。
舞台上のモーンちゃんがポーズを取り、腹筋を収縮させると、観客席から拍手喝采の嵐が巻き起こった。左の写真は演技中のモーンちゃんを撮影したもの(クリックすると拡大画像が表示される)。わずか10歳の女の子がこんなに筋肉質な体をしているだなんて、にわかには信じがたい。
このコンテストは、筋肉増強剤などの薬物を使用しないことを絶対条件として定めている国際ボディビル組織が主催したものだった。しかし、ボディビルダは薬物を使わないとしても、かなり体に負担のかかるウェイトトレーニングを積み重ねる。コンテスト前は、厳しい食事制限の日々を過ごさなければならない。
成長過程にある10歳の女の子がそのようなトレーニングやダイエットをしても大丈夫なのか? そう心配する人もいるだろう。実際、現地の専門家の中にも、モーンちゃんの健康への影響を懸念している人たちがいる。
オーストラリアでスポーツ医学のエキスパートとして知られているピーター・ラーキンズ医師はこう指摘する。「まだ思春期を迎えていない子供がウエートトレーニングをするのは安全ではなく、効果もないはずです。筋肉が発達するために必要なホルモンがまだ分泌されていないのですから」
しかし、モーンちゃんに関する限り、このような懸念はどうやら杞憂のようだ。というのも、モーンちゃんのこの見事な筋肉はウェイトトレーニングに頼らずに作られたものだからだ。それに、モーンちゃんの母ミシェルさんも「子供にウェイトトレーニングをさせるだなんて無責任なことはできません」と断言している。
モーンちゃんは、体を動かすことが大好き。とにかく走ることが好きで、腕立て伏せとスクワットも日課にしている。ウェイトを使わないトレーニングだけで、10歳の女の子がここまで筋肉質な体を作り上げるとは驚きだ。
ミシェルさんによると、モーンちゃんはボディビルダを目指しているわけではなく、オリンピック選手になることを夢みている。彼女が特に憧れているのは、2003年と2007年の世界選手権で女子四百メートル障害を制したジャナ・ローリンソン選手である。
注:ジャナ・ローリンソン選手は、オーストラリア代表として北京五輪に参加するはずだったが、7月9日に足の怪我を理由に参加を辞退することを発表した。
モーンちゃんは、テレビでボディビル・ショーを見た後、自分もコンテストに出たいと言い出した。そこで、ミシェルさんがいろいろ調べて、今回のコンテストへの出場手配をしたのだった。ミシェルさんによれば、モーンちゃんは純然たる楽しみのためにコンテストに参加してみただけだという。
ともあれ、筋肉を発達させるために必要なホルモンがまだ分泌されていないはずのモーンちゃんがラン、プッシュアップ(腕立て伏せ)、スクワットだけのトレーニングで、ここまでムキムキになったのは実に不思議である。当ブログでは、「ミオスタチン関連筋肉肥大」という“超人的体質”を持つ人たちが2004年以降、世界で100人ほど見つかっているという話題を取り上げたことがある。
“ミオスタチン関連筋肉肥大”の人たちは、生まれたときから筋肉の量が通常の1.4倍もある。体脂肪がほとんどないため、大量の食事を必要とする。まったく太ることはなく、幼少時から抜群の筋力を発揮する。そして、体は幼いときからムキムキである。
もしかしたら、モーンちゃんも、生後5ヶ月で十字懸垂をし、普通の子供よりも筋肉が40パーセントも多い米国ミシガン州のリアム・フックストラちゃんと同じく、“現存する超人”の1人なのかもしれない。
もしそうだとしたら、オリンピックに出たいという彼女の夢が現実のものとなる可能性は格段に高くなるだろう。そしてその場合、モーンちゃんが大きくなったころに果たしてオリンピックがまだ存続しているだろうか、という点が最大の懸念事項となるわけである。
※評点追加(7/25 17:45):お約束の評点を付けるのが大幅に遅れてしまった。
■ Source: Concern over girl, 10, at Melbourne bodybuilding competition
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1. 10歳のリアル筋肉少女登場 ― その幼さで、しかもウェイトトレなしで筋肉が見事に発達した彼女も“現存する超人”の1人なのか? [ clydemender ] 2008年07月21日 09:55
http://rate.livedoor.biz/archives/50681069.html
生まれつき筋肉が付きやすい体質ってのも遺伝子で決まってるんでしょうか。この記事で取り上げているのはかなり稀な体質だと思いますが興味深い。成長期に筋肉が付きすぎると骨の発達が遅れる話を聞いたことがあるんです...
この記事へのコメント
1. Posted by えめとん 2008年07月23日 08:14
マッチョな10才、しかも女の子ですか…う〜ん、羨ましいような、そうでもないような。
生まれながらの天才、は文系に限られないんですね〜
彼氏は浮気禁止指数10…
怒らせて喧嘩したら死んじゃうかも知れない!
オリンピック期待指数8
15才位から適切なトレーニングを積めば完璧かも…
生まれながらの天才、は文系に限られないんですね〜
彼氏は浮気禁止指数10…
怒らせて喧嘩したら死んじゃうかも知れない!
オリンピック期待指数8
15才位から適切なトレーニングを積めば完璧かも…
2. Posted by めるも 2008年07月28日 23:47
「かなづち指数」・・・なんだか微笑ましいですね
3. Posted by MIMI 2008年08月08日 02:36
この筋肉は惚れる
4. Posted by アルテマニアSAYYES 2012年04月15日 17:31
やばい きろくにのこらずとも きおくにのこってしまう
5. Posted by (χοψ)θ‥θ Ω 2012年04月15日 17:43
子供ボディビルダーは、何かと好きだな。 これは違うトコロでもやっていたな♪
6. Posted by try this 2014年05月10日 23:16
e-cigarette health なんでも評点:10歳のリアル筋肉少女登場 ― その幼さで、しかもウェイトトレなしで筋肉が見事に発達した彼女も“現存する超人”の1人なのか?