2008年07月19日
米国メイン州のケネベック川で、釣り人がとんでもない獲物をルアーで釣り上げた。生きた人間である。・・・こんな書き方をすると、川に潜っていた人がルアーを魚と間違えて針にかかったという意味のように読めてしまいかねない。釣りの話をネタにした“釣り”を仕掛けるつもりもないのだが、キャッチーな書き出しをするとこうなってしまう。
実際には、人命救助の話である。しかし、釣りをする人なら、こういう方法で人を救うこともできるのだと覚えておくべきかもしれない。
ボブ・グリーンさんがケネベック川の方から聞こえて来る奇妙な物音に気づいたのは、7月17日の午前4時半ごろのことだった。グリーンさんは川辺の自宅で早起きしてコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。最初に物音を聞いたときは、てっきり川に棲んでいる鵜(ウ)が騒いでいるのだろうと思った。
しかし、20分ぐらい過ぎると、川に何かが浮かんでいるのが見えた。よく見ると男の人が浮いたり沈んだりしながら、ゆっくり流されているではないか。「これは今すぐにでも川に飛び込んで救助しなければ」と思ったグリーンさんだったが、911に通報するのが先だと思い直す。
話を聞いたオペレータは、「飛び込まずに、何かを川に投げて男の人を救い出すことはできませんか」とグリーンさんに指示する。川に投げ込んで男性を救うには、おあつらえ向きのものがグリーンさんの手元にあった。ルアー釣りの道具一式である。
グリーンさんはラインにルアーをセットすると、川にルアーを投げ込み、見事に男性のシャツにフックを引っ掛けることに成功した。今まで釣り上げたどんな大物よりも重い“獲物”だったが、徐々にラインを巻き取り、ついに岸辺に寄せることができた。
男性は、ただちに最寄の病院へ搬送されたが重体だという。橋の上から飛び降りて自殺しようとしたらしい。グリーンさんは、正確なキャスティングで見事に男性の命を救ったのだ。
しかし、ブラックバス釣りに使うような繊細な道具立てでは、いくら抵抗しないとはいえ何十キロもある成人男性を“取り込む”ことはできなかったかもしれない。グリーンさんが使ったラインの太さなどの詳細は不明。
【追記】
ケネベック川では、アトランティック・サーモン(タイセイヨウサケ)と呼ばれる大型のサケが釣れるらしい。Wikipediaの「タイセイヨウサケ」の項によると、最大で全長150センチ以上、体重40kg以上に達するとのこと。これを読んで納得。
グリーンさんが用いたのは、アトランティック・サーモン用のタックル(釣具)だったのだろう。最大で40kgを超える大型のサケを仕留めるためのロッド、リール、ライン(釣り糸)を使えば、たとえ体重100kg超の人間でも(抵抗しないで浮いている限りは)引き寄せることが可能なはず。
それと、もしグリーンさんの投じたルアーのフックが男性のシャツに首尾よく引っ掛かっていなければ、この男性が命を落としていた可能性はかなり高いと思われる。なんとなくユーモラスにも聞こえる話だが、かなり紙一重のところでグリーンさんは男性の命を救ったことになる。
■ Source: Fisherman hooks drowning man, reels him in
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ボブ・グリーンさんがケネベック川の方から聞こえて来る奇妙な物音に気づいたのは、7月17日の午前4時半ごろのことだった。グリーンさんは川辺の自宅で早起きしてコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。最初に物音を聞いたときは、てっきり川に棲んでいる鵜(ウ)が騒いでいるのだろうと思った。
しかし、20分ぐらい過ぎると、川に何かが浮かんでいるのが見えた。よく見ると男の人が浮いたり沈んだりしながら、ゆっくり流されているではないか。「これは今すぐにでも川に飛び込んで救助しなければ」と思ったグリーンさんだったが、911に通報するのが先だと思い直す。
話を聞いたオペレータは、「飛び込まずに、何かを川に投げて男の人を救い出すことはできませんか」とグリーンさんに指示する。川に投げ込んで男性を救うには、おあつらえ向きのものがグリーンさんの手元にあった。ルアー釣りの道具一式である。
グリーンさんはラインにルアーをセットすると、川にルアーを投げ込み、見事に男性のシャツにフックを引っ掛けることに成功した。今まで釣り上げたどんな大物よりも重い“獲物”だったが、徐々にラインを巻き取り、ついに岸辺に寄せることができた。
男性は、ただちに最寄の病院へ搬送されたが重体だという。橋の上から飛び降りて自殺しようとしたらしい。グリーンさんは、正確なキャスティングで見事に男性の命を救ったのだ。
しかし、ブラックバス釣りに使うような繊細な道具立てでは、いくら抵抗しないとはいえ何十キロもある成人男性を“取り込む”ことはできなかったかもしれない。グリーンさんが使ったラインの太さなどの詳細は不明。
【追記】
ケネベック川では、アトランティック・サーモン(タイセイヨウサケ)と呼ばれる大型のサケが釣れるらしい。Wikipediaの「タイセイヨウサケ」の項によると、最大で全長150センチ以上、体重40kg以上に達するとのこと。これを読んで納得。
グリーンさんが用いたのは、アトランティック・サーモン用のタックル(釣具)だったのだろう。最大で40kgを超える大型のサケを仕留めるためのロッド、リール、ライン(釣り糸)を使えば、たとえ体重100kg超の人間でも(抵抗しないで浮いている限りは)引き寄せることが可能なはず。
それと、もしグリーンさんの投じたルアーのフックが男性のシャツに首尾よく引っ掛かっていなければ、この男性が命を落としていた可能性はかなり高いと思われる。なんとなくユーモラスにも聞こえる話だが、かなり紙一重のところでグリーンさんは男性の命を救ったことになる。
■ Source: Fisherman hooks drowning man, reels him in
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1. 釣り人が生きた人間をルアーで釣り上げる [ clydemender ] 2008年07月20日 17:35
http://rate.livedoor.biz/archives/50680473.html
超人技です。でも釣り針が刺さりそうで怖いなあ。...
この記事へのコメント
1. Posted by D.T 2008年07月20日 00:01
初めまして、いつも楽しく読ませて貰っています!
大型魚用のPEラインなら強度は100lb(45キロ)以上有ってもおかしく無いので、ゆっくり取り込めば可能な感じですね。
ナイスフィッシュ♪
大型魚用のPEラインなら強度は100lb(45キロ)以上有ってもおかしく無いので、ゆっくり取り込めば可能な感じですね。
ナイスフィッシュ♪
2. Posted by えめとん 2008年07月20日 08:36
上手く服にかけるなんて見事としか言えないですね。
万が一皮膚に刺さっていたら大変な事になっていたかも知れない…
万が一皮膚に刺さっていたら大変な事になっていたかも知れない…
3. Posted by なるっち 2008年07月20日 19:50
自殺しようとしていた人の命を救ってしまうのは…
彼の命は救われても人生は救われないんじゃないかろうか、
とも思ったり。
彼の命は救われても人生は救われないんじゃないかろうか、
とも思ったり。
4. Posted by hasegawa 2008年07月22日 12:11
はるか離れたエリ首に見事にルアーを引っ掛けるとは…物凄い腕前ですね。
5. Posted by on the main page 2014年05月09日 21:01
ecigarette なんでも評点:釣り人が生きた人間をルアーで釣り上げる
on the main page http://racehunden.dk/free-e-cig-esmoker-5152.asp
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