2008年07月02日
英国ウェスト・ミッドランド州のバーミンガムで暮らしているテリー・ライトさんは現在60歳で、5人の子がいる。パブ・シンガーをしている彼の体に異変が現れ出したのは10年ほど前のこと。そのころを境に髪の毛が急に薄くなった。もちろん、その年になって髪が薄くなっただけなら“異変”とは呼べない。髪だけでなく、髭や体毛も薄くなってしまったのだ。
体毛が減るにつれて、女性のように滑らかな肌になった。更年期の女性みたいに体の火照りを覚えるようになった。そして乳房が膨らみ始めた。つまり、50歳ごろを境に、テリーさんの体はじわじわと女性化の一途を辿って来たのである。
今では、その顔つきも体つきも、初老の女性と間違われても不思議ではないレベルにまで女性化が進行してしまっている(本件を伝えているSun紙の記事に写真あり)。テリーさんが本当は男だと知っている近所の子供たちは、テリーさんの姿を見つけると「おんな男だ!」とはやし立てる。
テリーさんのことをまったく知らない人は、往々にして彼のことを女性だと思い込んでしまう。あるとき、見知らぬ子供がテリーさんにぶつかってきたことがある。すると、母親らしき女性がその子に向かって、「あのおばさんに謝って来なさい」と注意するではないか。母親は、テリーさんのことを“おばさん”だと思い込んだのだ。
友人や家族は、テリーさんの変貌ぶりに驚いているものの、「可愛らしい系の男ということでいいんじゃないの?」などと事なかれ主義的な反応を示す。日本人よりはるかに大柄な男が多い英国にあって、テリーさんの背丈は162.5cmしかない。しかも、細身。それゆえ、テリーさんはいっそう女っぽく可愛らしく見えてしまう。
テリーさんの係り付けの医者は、診るたびに女っぽくなっているテリーさんが女性ホルモンを摂取しているのだと思い込んだ。ならば、性転換手術を受けてみてはと薦める始末。そんなふうに薦められたのは、テリーさんにとって実に心外なことだった。
「僕は男です。女じゃありません。女になりたいなんて思っていません」テリーさんは訴える。「元通りの人生を取り戻したいのです」
血液検査を受けると、血中のエストロゲン(女性ホルモン)レベルが異常に高くなっていることが判明した。こういう場合にまず疑われるのは、睾丸に腫瘍が出来ている可能性である。しかし、MRIスキャンの結果、エストロゲン増加は腫瘍によるものではないことが確認された。
では何が原因なのかというと、実際のところ医師らにも原因がまったくわからない。医師らの口からは、「こんな症例は見たことも聞いたこともありません」とか「非常にユニークな症例です」とかいう言葉が発せられるばかり。
Sun紙の相談医を勤めているキャロル・クーパー医師によると、睾丸の腫瘍以外にも、ある種の薬物が原因となって男性ホルモンが阻害されて男性の女性化が起きることもある。たとえば、前立腺がんの治療薬で、このような副作用が生じることがあるという。
しかし、テリーさんの場合には該当しない。なぜなら、彼の体内では女性ホルモンだけが増えているのではなく、男性ホルモンも高いレベルにあるからだ。
クーパー医師によれば、人体が特定のホルモンに反応しなくなることは稀にしかないが、テリーさんの体内組織がテストステロン(代表的な男性ホルモン)への耐性を持つようになった可能性が考えられるという。もしテリーさんの症状がこれに当てはまるなら、彼の体は男性ホルモンの存在を無視して、女性ホルモンに支配されているということになる。
テリーさんは精神科医による診察も受けたが、精神にまったく異常なしとの診断が下った。性同一性障害の有無もチェックされたはず。いくら女性化が進行しても彼の体がいまだに解剖学的に男であるという前提で考えれば、性同一性障害が認められないのは当然のことだろう。
しかし、テリーさんは、自分が肉体的にはもう女になってしまったと感じている。そこに基準を移して考えれば、テリーさんは“後天的な性同一性障害”を患っていると見ることもできるかもしれない。心は男のままなのに、体がどんどん女になっていくという矛盾を抱えて生きているのだから。
■ Source: Man's natural sex change
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テリーさんのことをまったく知らない人は、往々にして彼のことを女性だと思い込んでしまう。あるとき、見知らぬ子供がテリーさんにぶつかってきたことがある。すると、母親らしき女性がその子に向かって、「あのおばさんに謝って来なさい」と注意するではないか。母親は、テリーさんのことを“おばさん”だと思い込んだのだ。
友人や家族は、テリーさんの変貌ぶりに驚いているものの、「可愛らしい系の男ということでいいんじゃないの?」などと事なかれ主義的な反応を示す。日本人よりはるかに大柄な男が多い英国にあって、テリーさんの背丈は162.5cmしかない。しかも、細身。それゆえ、テリーさんはいっそう女っぽく可愛らしく見えてしまう。
テリーさんの係り付けの医者は、診るたびに女っぽくなっているテリーさんが女性ホルモンを摂取しているのだと思い込んだ。ならば、性転換手術を受けてみてはと薦める始末。そんなふうに薦められたのは、テリーさんにとって実に心外なことだった。
「僕は男です。女じゃありません。女になりたいなんて思っていません」テリーさんは訴える。「元通りの人生を取り戻したいのです」
血液検査を受けると、血中のエストロゲン(女性ホルモン)レベルが異常に高くなっていることが判明した。こういう場合にまず疑われるのは、睾丸に腫瘍が出来ている可能性である。しかし、MRIスキャンの結果、エストロゲン増加は腫瘍によるものではないことが確認された。
では何が原因なのかというと、実際のところ医師らにも原因がまったくわからない。医師らの口からは、「こんな症例は見たことも聞いたこともありません」とか「非常にユニークな症例です」とかいう言葉が発せられるばかり。
Sun紙の相談医を勤めているキャロル・クーパー医師によると、睾丸の腫瘍以外にも、ある種の薬物が原因となって男性ホルモンが阻害されて男性の女性化が起きることもある。たとえば、前立腺がんの治療薬で、このような副作用が生じることがあるという。
しかし、テリーさんの場合には該当しない。なぜなら、彼の体内では女性ホルモンだけが増えているのではなく、男性ホルモンも高いレベルにあるからだ。
クーパー医師によれば、人体が特定のホルモンに反応しなくなることは稀にしかないが、テリーさんの体内組織がテストステロン(代表的な男性ホルモン)への耐性を持つようになった可能性が考えられるという。もしテリーさんの症状がこれに当てはまるなら、彼の体は男性ホルモンの存在を無視して、女性ホルモンに支配されているということになる。
テリーさんは精神科医による診察も受けたが、精神にまったく異常なしとの診断が下った。性同一性障害の有無もチェックされたはず。いくら女性化が進行しても彼の体がいまだに解剖学的に男であるという前提で考えれば、性同一性障害が認められないのは当然のことだろう。
しかし、テリーさんは、自分が肉体的にはもう女になってしまったと感じている。そこに基準を移して考えれば、テリーさんは“後天的な性同一性障害”を患っていると見ることもできるかもしれない。心は男のままなのに、体がどんどん女になっていくという矛盾を抱えて生きているのだから。
はがゆさ10 | ■■■■■■■■■■ |
■ Source: Man's natural sex change
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この記事へのコメント
1. Posted by ヴァル 2008年07月02日 21:57
非腫瘍性で♂♀両ホルモンが高レベルとは、不思議な症例ですねぇ
2. Posted by 2008年07月02日 22:43
男性ホルモンに耐性ができたから女性ホルモンの方に影響されたっていうのはいいけど
女性ホルモンが多くなった原因はどうなんでしょうね
とりあえず美少年が女体化していると思ってwktkしてきた俺に謝れ
女性ホルモンが多くなった原因はどうなんでしょうね
とりあえず美少年が女体化していると思ってwktkしてきた俺に謝れ
3. Posted by にがトマト 2008年07月03日 07:31
まずオバサンみたいな髪型を何とかしなさいよ。
4. Posted by 絵利子 2008年07月05日 01:08
確かにこれは歯痒い…www
5. Posted by www 2008年07月07日 05:04
その年で女になっても得なんて無いなw
6. Posted by WAT 2008年07月07日 23:46
後天的な性同一性障害、まさにそうですね。
自分は性同一性障害(FTM)ですが、彼の歯がゆさがよくわかります。
でもそれ以上なんでしょうね、自分らは「わかってもらえなくても仕方ないさ〜」と半ば諦める気持ちもありますが、彼はそうはいかないでしょうから。
自分は性同一性障害(FTM)ですが、彼の歯がゆさがよくわかります。
でもそれ以上なんでしょうね、自分らは「わかってもらえなくても仕方ないさ〜」と半ば諦める気持ちもありますが、彼はそうはいかないでしょうから。
7. Posted by よしお 2010年04月07日 14:16

8. Posted by 2010年12月21日 22:01
そういや年食っておっさんが女装したり女になったりするのってこういうのと何らか関係してるのかな?