2007年12月01日
先日からお伝えしている書籍の件だが、一応、原稿用紙400字詰め換算で460枚相当の原稿が完成した。当ブログの1000本以上の過去記事から100本を厳選し、ブログ記事では表現や情報が足りなかった部分を補ったり、構成を大幅に変更するなどの加筆修正を施した原稿である。
縦書き書籍となるので、当然、数字や英字などの表記や書式を縦書き標準に合わせる必要があったが、これらはすべてMS Wordでマクロプログラムを作成して自動処理した。このブログでこういう話をしたことはないと思うが、筆者はBasic系のプログラミングなら少しくらいは出来る。
昔は、Visual Basicで小さなアプリを作ったりしていたし、実用系のアプリをフリーソフトとして公開していたこともある。それどころか、MS Wordのマクロプログラムの製作を企業から外注されて報酬を得ていたこともある。
筆者の職業は翻訳家ということになっているが、大量のドキュメントの翻訳が発生する外資系ソフトウェア会社相手に合理化コンサルティングみたいな仕事をしていたこともある。マニュアルを日英両方で書き起こすマニュアルライターの仕事を兼業していた時期もある。
自分が関わっている翻訳の仕事の内容を具体的にここに書いたりしないのは、守秘義務を厳守しなければならないからである。実際、企業秘密に関わる内容を扱うことも多いのだ。
書籍を翻訳する仕事は、もう長い間やっていない。21世紀に入ってすぐに1冊訳したのが最後である。訳者名として本名が出ているが、印税制ではなく買取り制だったので、その本が売れたかどうか一切関知していない。
20世紀の終わりごろには書籍の翻訳にそこそこ関わっていたが、常に買取制だった。筆者が訳すような書籍には時事性の高いものが多く、売れるとしても短期間で一気に売れるパターンしかなかった。
つまり増刷が発生する可能性がほとんどない。ゆえに印税制だと儲かるどころか、爪に火をともす結果にすらなりかねない。印税制の誘いがあっても絶対に断って、買取制で受けていた。
買取制でも受注経路によっては、そこそこ儲かることがあった。監修者として某著名教授の名が冠される企業向けの書籍の翻訳をゴーストライター的に受けたことがあるが、そのときは1冊でたしか400万円くらいになった。その本が売れたかどうかをやはり関知していないが、大企業勤めの友人や知人がその本を購入していたりしたので、予定数には達したのではないかと思われる。
この「時事性」という問題は、今回、書籍版「なんでも評点」を作るに当たって、明確にしておかなければならないポイントになった。編集部は最初、「ニュース」という言葉を題名に入れることを希望していたのだが、私としては最も避けたい言葉が「ニュース」だった。
当ブログで何か話を取り上げるときは、確かに「時事性」とか「ニュースバリュー」もネタ選びの基準になる。しかし、書籍になったときには、収録された話をニュースと見る限り、それらはもう過去のものになっている。最初から鮮度が落ちてしまっているのだ。しかも、刊行日から時間が経てば経つほど、さらに鮮度が落ちていく。
だから、「時事性」や「ニュースバリュー」の観点だけから注目してブログで取り上げた記事は、書籍に収録しない方針を採った。普遍性があり、その事件や出来事がいつ起きたことであっても面白みやインパクトや感動性のある話を中心に選んだのである。
そしてもう一つ。あくまで読み物というスタンスを重視した。実際に起きたこと(あるいは起きたとされること)は、読み物の題材に過ぎないというスタンスである。ニュース記事の“翻訳”ではなく、読み物であることを前面に打ち出す言い回し、表現、構成、情報追加を徹底することにした。具体的に言えば、書籍版の方がもっとのびのびと演出を加えた記事が多いということになるだろう(もちろん、過度の誇張や脚色は避けている)。
もちろん、このことは書籍の前書きでも明確に示しておくつもりである。そもそも、このブログ自体が“翻訳”ではないのに、いまだに翻訳だと勘違いしている方もおられるようだ。その点も明記しておかねばなるまい。
それと、事後報告になるが、ある1つの記事に関しては、コメント欄に書き込まれた読者の方の感想や解釈をいくつか書籍の中で紹介させていただくことにした(“150ドル”と言えば、コメントを付けられた方は、どの記事かわかるはず)。
ともあれ、一応、おおもとの原稿が完了したことにより、来年1月末の刊行に遅れが生じることはなくなったはず。(それと、ブログの更新ペースも何とか元に戻さないといけない)。
なお、第2弾が出る場合は、「サイエンス/サーベイ」系の記事を選りすぐったものになるが、その場合も上記のコンセプトは変わらない。鮮度云々よりもネタとしての面白さを楽しめるものを中心に選んで加筆修正することになる。
【関連記事】
昔は、Visual Basicで小さなアプリを作ったりしていたし、実用系のアプリをフリーソフトとして公開していたこともある。それどころか、MS Wordのマクロプログラムの製作を企業から外注されて報酬を得ていたこともある。
筆者の職業は翻訳家ということになっているが、大量のドキュメントの翻訳が発生する外資系ソフトウェア会社相手に合理化コンサルティングみたいな仕事をしていたこともある。マニュアルを日英両方で書き起こすマニュアルライターの仕事を兼業していた時期もある。
自分が関わっている翻訳の仕事の内容を具体的にここに書いたりしないのは、守秘義務を厳守しなければならないからである。実際、企業秘密に関わる内容を扱うことも多いのだ。
書籍を翻訳する仕事は、もう長い間やっていない。21世紀に入ってすぐに1冊訳したのが最後である。訳者名として本名が出ているが、印税制ではなく買取り制だったので、その本が売れたかどうか一切関知していない。
20世紀の終わりごろには書籍の翻訳にそこそこ関わっていたが、常に買取制だった。筆者が訳すような書籍には時事性の高いものが多く、売れるとしても短期間で一気に売れるパターンしかなかった。
つまり増刷が発生する可能性がほとんどない。ゆえに印税制だと儲かるどころか、爪に火をともす結果にすらなりかねない。印税制の誘いがあっても絶対に断って、買取制で受けていた。
買取制でも受注経路によっては、そこそこ儲かることがあった。監修者として某著名教授の名が冠される企業向けの書籍の翻訳をゴーストライター的に受けたことがあるが、そのときは1冊でたしか400万円くらいになった。その本が売れたかどうかをやはり関知していないが、大企業勤めの友人や知人がその本を購入していたりしたので、予定数には達したのではないかと思われる。
この「時事性」という問題は、今回、書籍版「なんでも評点」を作るに当たって、明確にしておかなければならないポイントになった。編集部は最初、「ニュース」という言葉を題名に入れることを希望していたのだが、私としては最も避けたい言葉が「ニュース」だった。
当ブログで何か話を取り上げるときは、確かに「時事性」とか「ニュースバリュー」もネタ選びの基準になる。しかし、書籍になったときには、収録された話をニュースと見る限り、それらはもう過去のものになっている。最初から鮮度が落ちてしまっているのだ。しかも、刊行日から時間が経てば経つほど、さらに鮮度が落ちていく。
だから、「時事性」や「ニュースバリュー」の観点だけから注目してブログで取り上げた記事は、書籍に収録しない方針を採った。普遍性があり、その事件や出来事がいつ起きたことであっても面白みやインパクトや感動性のある話を中心に選んだのである。
そしてもう一つ。あくまで読み物というスタンスを重視した。実際に起きたこと(あるいは起きたとされること)は、読み物の題材に過ぎないというスタンスである。ニュース記事の“翻訳”ではなく、読み物であることを前面に打ち出す言い回し、表現、構成、情報追加を徹底することにした。具体的に言えば、書籍版の方がもっとのびのびと演出を加えた記事が多いということになるだろう(もちろん、過度の誇張や脚色は避けている)。
もちろん、このことは書籍の前書きでも明確に示しておくつもりである。そもそも、このブログ自体が“翻訳”ではないのに、いまだに翻訳だと勘違いしている方もおられるようだ。その点も明記しておかねばなるまい。
それと、事後報告になるが、ある1つの記事に関しては、コメント欄に書き込まれた読者の方の感想や解釈をいくつか書籍の中で紹介させていただくことにした(“150ドル”と言えば、コメントを付けられた方は、どの記事かわかるはず)。
ともあれ、一応、おおもとの原稿が完了したことにより、来年1月末の刊行に遅れが生じることはなくなったはず。(それと、ブログの更新ペースも何とか元に戻さないといけない)。
なお、第2弾が出る場合は、「サイエンス/サーベイ」系の記事を選りすぐったものになるが、その場合も上記のコンセプトは変わらない。鮮度云々よりもネタとしての面白さを楽しめるものを中心に選んで加筆修正することになる。
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この記事へのコメント
1. Posted by 無名 2007年12月01日 04:03
多才ですよね。読物ぽい記事のばあい、あるときは筒井康隆、あるときは星新一、あるときは中島敦、あるときは吉田兼行などなどをほうふつとさせる言い回しと語り。
新しい文学の1分野を無意識に切り開いていませんか。
意外とそれが落とし穴?文学は終わっていますから。
現代の商業ベースにはマッチしないのです。
新しい文学の1分野を無意識に切り開いていませんか。
意外とそれが落とし穴?文学は終わっていますから。
現代の商業ベースにはマッチしないのです。
2. Posted by 2007年12月02日 01:41
>>1
携帯小説(笑)が売れる世の中ですしね。
私は購入させていただきます。
これからも頑張って下さい。
携帯小説(笑)が売れる世の中ですしね。
私は購入させていただきます。
これからも頑張って下さい。
3. Posted by さち 2007年12月03日 01:18
書籍化の話を知ってから発売までワクワクが止まりませんp(*^-^*)q
4. Posted by リリリー 2007年12月03日 04:30
文章が謙虚かつ的確で知的。
応援しております。
しかしケータイ小説・・・。
120万人が泣いた・・・。
前半だけ死ぬ気で読んだが
泣くほど笑ったの勘違いではないのか。
世も末。
応援しております。
しかしケータイ小説・・・。
120万人が泣いた・・・。
前半だけ死ぬ気で読んだが
泣くほど笑ったの勘違いではないのか。
世も末。
5. Posted by 久保 2007年12月04日 13:49
勉強になりました
6. Posted by アラーキー 2007年12月08日 00:43
大変楽しみです!!
早く読みたいな♪
早く読みたいな♪
7. Posted by 伯爵 2007年12月09日 03:44
クラシック奏者がジャズを演奏しているみたいなもの?
いや違う。いつもはアイドル歌手のバックを担当していたスタジオミュージシャンがいきなりソロデビューするみたいなもの?
いや違う。いつもはアイドル歌手のバックを担当していたスタジオミュージシャンがいきなりソロデビューするみたいなもの?
8. Posted by ・ 2007年12月09日 21:10
ブログを書籍化したタイプのものは今まで一切買ってこなかったけど、今回はちょっと読んでみたいから買ってしまおうかな。
しかし管理人さん、ほんと多才ですね。
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