2007年08月09日
今の人生が終わっても、必ずまた生まれ変わることができる。そう信じる人もいる。だが、現世の後で生まれ変わることができるのなら、そもそも今ここにいるわれわれが前世から現世へと生まれ変わった存在だということになる。生まれ変わりを信じていても、自分が生まれ変わった存在であることを実感している人、つまり前世の記憶がある人はめったにいない。
また、仮に前世の記憶が蘇ったとしても、その前世があまりにも遠い過去であったり、どこの国の何という場所で暮らしていたのかを具体的に思い出せない場合は、自分の記憶が正しいかどうかを確認するすべがない。だが逆に、前世がそんなに遠い昔のことではなく、地名を覚えていてその地名が実在し、なおかつ現在の居住地からさほど遠くない場合は、その地を訪れて確認することも可能である。
英国のグラスゴーにキャメロン・マコーリーという6歳の少年がいる。彼に“記憶”が蘇ったのは、まだ2歳のときだった。保育園に預けるようになって間もないころ、保育園の先生が母親のノーマさんに面談を求めてきた。「息子さんは“Barra(バーラ)”という島のことばかり話しているのですが・・」と。
“Barra(バーラ)”は、スコットランド西海岸の沖合いに実在する島の名前だった。キャメロン君と母親のノーマさんが暮らすグラスゴーから260キロの距離にある。だが、キャメロン君はもちろん、母親のノーマさんも、離婚した父親でさえも一度も訪れたことのない島だった。
キャメロン君は、砂の上に建った白い家のことも話した。浜辺に飛行機が着陸するのを眺めていたことも話した。彼の話によれば、その家で“ママ”や兄弟、そして白黒のぶち犬と一緒に暮らしていた。
“ママ”はもともと髪が長かったが、あるときからショートカットに変えた。“パパ”は不注意から事故に遭い、皆を残して先立ってしまった。一家には、大きな黒い車があった。
そして、キャメロン君は一家の姓がロバートソンであり、“パパ”の名がシェーンであったことを“記憶”していた。
キャメロン君は“ママ”が恋しくてたまらない様子だった。母のノーマさんが保育園に迎えに来たときに、「バーラ島に帰って、“ママ”に会いたい」と泣き叫んだりするようにさえなった。(現世における)実の母であるノーマさんにしたら、さぞかし複雑な思いがしたはず。
だが、ノーマさんは理解と思いやりに溢れた母だった。キャメロン君が“前世のママ”や“前世の家族”のことをいくら恋しがっても、ノーマさんは心を開き続けた。
キャメロン君のこの“記憶”は、5歳になるまで、何一つ食い違うことなく彼の口から語られ続けた。5歳のある日を境に、彼の“ホームシック”は落ち着きを見せる。6歳の今は、もう前世のことを口にしなくなった。
5歳のある日、キャメロン君はノーマさんに連れられてバーラ島を訪れ、自分の記憶どおりの白い家を目にしたのである。この“里帰り”には、テレビ局のスタッフたちも同行していた。
テレビ・カメラを付き従えてバーラ島に到着した一行は、島にはロバートソンという姓の人がほとんどいないと聞いて、ややがっかりする。だが、ロバートソンという一家が夏に別荘として過ごしていた家が実在することが判明する。数十年前、ロバートソンという一家が、その家で2〜3夏を過ごした記録があるという。
キャメロン君が恋しがっていた白い家が、まさしく存在していた。キャメロン君の記憶どおり、その家には白黒のぶち犬が飼われていたこと、大きな黒い車があったことも判明した。
そして、そのロバートソン家の一員である女性が見つかり、一行と面会してくれることになった。彼女は半ば優しげ、半ば不安そうな面持ちでキャメロン君を見つめた。
キャメロン君が前世の父の名として“記憶”しているシェーン・ロバートソンという名の男性がいた証拠は見つからなかった。その代わり、ジェームズ・ロバートソンという名の男性なら、数名実在したという。
恋しく心に描き続けた白い家をその目に焼き付けた後、それまで情緒不安定だったキャメロン君に変化が起きた。“ホームシック”は嘘のように消え、気難しいところもなくなった。“前世の記憶”が徐々に失われていった。今では、すっかり幸せそうな、落ち着きのある6歳の男の子になっている。
“前世の記憶”を失うことで、キャメロン君はようやく“今ある自分”として生まれ変わることができたということか。
筆者はどちらかというと生まれ変わり肯定派かもしれないが、さほど強く信じているわけではない。だが、記憶メディアの使いまわしのような仕組みがあるのかもしれないと考えてみたりする。通常はデータを完全に消去してから再使用するのだが、たまに消し忘れがあったりするのではないかとか。
なお、まだ“前世の記憶”があったとき、キャメロン君は“前世”でも自分の名はキャメロンだったと話していたとのこと。
キャメロン君のストーリーは、“The Boy Who Lived Before”というドキュメンタリ番組にまとめられた。下のYoutubeビデオがそれである。47分という長さなのでご注意。
■ Sources:
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“Barra(バーラ)”は、スコットランド西海岸の沖合いに実在する島の名前だった。キャメロン君と母親のノーマさんが暮らすグラスゴーから260キロの距離にある。だが、キャメロン君はもちろん、母親のノーマさんも、離婚した父親でさえも一度も訪れたことのない島だった。
キャメロン君は、砂の上に建った白い家のことも話した。浜辺に飛行機が着陸するのを眺めていたことも話した。彼の話によれば、その家で“ママ”や兄弟、そして白黒のぶち犬と一緒に暮らしていた。
“ママ”はもともと髪が長かったが、あるときからショートカットに変えた。“パパ”は不注意から事故に遭い、皆を残して先立ってしまった。一家には、大きな黒い車があった。
そして、キャメロン君は一家の姓がロバートソンであり、“パパ”の名がシェーンであったことを“記憶”していた。
キャメロン君は“ママ”が恋しくてたまらない様子だった。母のノーマさんが保育園に迎えに来たときに、「バーラ島に帰って、“ママ”に会いたい」と泣き叫んだりするようにさえなった。(現世における)実の母であるノーマさんにしたら、さぞかし複雑な思いがしたはず。
だが、ノーマさんは理解と思いやりに溢れた母だった。キャメロン君が“前世のママ”や“前世の家族”のことをいくら恋しがっても、ノーマさんは心を開き続けた。
キャメロン君のこの“記憶”は、5歳になるまで、何一つ食い違うことなく彼の口から語られ続けた。5歳のある日を境に、彼の“ホームシック”は落ち着きを見せる。6歳の今は、もう前世のことを口にしなくなった。
5歳のある日、キャメロン君はノーマさんに連れられてバーラ島を訪れ、自分の記憶どおりの白い家を目にしたのである。この“里帰り”には、テレビ局のスタッフたちも同行していた。
テレビ・カメラを付き従えてバーラ島に到着した一行は、島にはロバートソンという姓の人がほとんどいないと聞いて、ややがっかりする。だが、ロバートソンという一家が夏に別荘として過ごしていた家が実在することが判明する。数十年前、ロバートソンという一家が、その家で2〜3夏を過ごした記録があるという。
キャメロン君が恋しがっていた白い家が、まさしく存在していた。キャメロン君の記憶どおり、その家には白黒のぶち犬が飼われていたこと、大きな黒い車があったことも判明した。
そして、そのロバートソン家の一員である女性が見つかり、一行と面会してくれることになった。彼女は半ば優しげ、半ば不安そうな面持ちでキャメロン君を見つめた。
キャメロン君が前世の父の名として“記憶”しているシェーン・ロバートソンという名の男性がいた証拠は見つからなかった。その代わり、ジェームズ・ロバートソンという名の男性なら、数名実在したという。
恋しく心に描き続けた白い家をその目に焼き付けた後、それまで情緒不安定だったキャメロン君に変化が起きた。“ホームシック”は嘘のように消え、気難しいところもなくなった。“前世の記憶”が徐々に失われていった。今では、すっかり幸せそうな、落ち着きのある6歳の男の子になっている。
“前世の記憶”を失うことで、キャメロン君はようやく“今ある自分”として生まれ変わることができたということか。
筆者はどちらかというと生まれ変わり肯定派かもしれないが、さほど強く信じているわけではない。だが、記憶メディアの使いまわしのような仕組みがあるのかもしれないと考えてみたりする。通常はデータを完全に消去してから再使用するのだが、たまに消し忘れがあったりするのではないかとか。
なお、まだ“前世の記憶”があったとき、キャメロン君は“前世”でも自分の名はキャメロンだったと話していたとのこと。
キャメロン君のストーリーは、“The Boy Who Lived Before”というドキュメンタリ番組にまとめられた。下のYoutubeビデオがそれである。47分という長さなのでご注意。
■ Sources:
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1. 2歳のときに「前世の記憶」が蘇った少年、思い出の地に立ち寄り「記憶」を消化する 他 [ 神楽書堂‐ニュースログ‐ ] 2007年08月09日 10:27
2歳のときに「前世の記憶」が蘇った少年、思い出の地に立ち寄り「記憶」を消化する
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2. こういう親だからこそ解決できたと思う。 [ CELESTIAL FORTUNE-21st wayイラスト投稿者東陽子の雑記帖 ] 2007年08月09日 16:06
2歳のときに実在の地名を含む“前世の記憶”が蘇った少年、ついにその地を訪れ安心して記憶を失くす(なんでも評点)
http://rate.livedoor.biz/archives/50403774.html
普通。
全然知らない土地の事や、両親だというカップルの事を、子供に聞かされたら、「何言...
3. 前世の記憶の残っていた少年。 [ onoZawaの萌え燃えダイアリ〜! ] 2007年08月10日 11:30
[なんでも評点] 2歳のときに実在の地名を含む“前世の記憶”が蘇った少年、ついにその地を訪れ安心して記憶を失くす [miccckey] [(評)なんとも言えない度] (2007-08-09 03:44)
(中文略)
英国のグラスゴーにキャメロン・マコーリーという6歳の少年がいる。彼に“....
この記事へのコメント
1. Posted by 前世と言えばモーリー・バーンスタイン 2007年08月09日 11:43
1952年に、セラピストのモーリー・バーンスタインはバージニア・タイに催眠術をかけた。
するとすぐにバージニアはアイルランド訛で話し始め、自分はアイルランドのコーク出身の19世紀の女性、赤毛のブライディー・マーフィーであると主張した。
そのニュースは広まり、レポーター達は、調査のためアイルランドに向かった。彼らは確かに彼女を見つけたが、彼女は海の向こうの墓に眠っていたわけではなかった。
彼らは、彼女をシカゴで見つけたのだ。
ブライディー・マーフィー・コーケルは、バージニアが育った場所から、通りを隔てた反対側に住んでいたのだ。
するとすぐにバージニアはアイルランド訛で話し始め、自分はアイルランドのコーク出身の19世紀の女性、赤毛のブライディー・マーフィーであると主張した。
そのニュースは広まり、レポーター達は、調査のためアイルランドに向かった。彼らは確かに彼女を見つけたが、彼女は海の向こうの墓に眠っていたわけではなかった。
彼らは、彼女をシカゴで見つけたのだ。
ブライディー・マーフィー・コーケルは、バージニアが育った場所から、通りを隔てた反対側に住んでいたのだ。
2. Posted by 2007年08月10日 01:21
前世の記憶が蘇ったとも、何者かの霊が乗り移っていたとも取れるニュースですね。
3. Posted by 2010年07月03日 14:51
俺も記憶があるよ。
でも子供の頃に話すと記憶消されるから話さなかった。
いまはもう話せる。
前の親に逢いたいとは思わないよ。
とても良い家族だったけど、あれは俺の仕事の為に生まれた家だったから。
家族を成長させる為に。
でも子供の頃に話すと記憶消されるから話さなかった。
いまはもう話せる。
前の親に逢いたいとは思わないよ。
とても良い家族だったけど、あれは俺の仕事の為に生まれた家だったから。
家族を成長させる為に。
4. Posted by supra shoes online 2011年06月11日 12:38

5. Posted by Online Classes 2011年11月18日 02:45

6. Posted by PMP 2011年11月18日 02:47

7. Posted by birthday present ideas 2011年11月18日 02:49

8. Posted by it service support 2011年11月22日 08:58

9. Posted by Lyrics 2012年01月20日 12:33

10. Posted by PM Perfect 2012年02月10日 21:35

彼らは、彼女をシカゴで見つけたのだ。
ブライディー・マーフィー・コーケルは、バージニアが育った場所から、通りを隔てた反対側に住んでいたのだ。
11. Posted by online tobacco retailer 2012年04月09日 14:11
自分の記憶が正しいかどうかを確認するすべがない。だが逆に、前世がそんなに遠い昔のことではなく、地名を覚えていてその地名が実在し、なおかつ現在の居住地からさほど遠くない場合は、その地を訪れて確認することも可能である。
12. Posted by fery smith 2012年05月30日 00:11

13. Posted by made my day 2014年05月06日 14:05
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