2007年07月13日
ベトナム北部のタイグエン県フービン地区で暮らすサンジウ族の夫妻ルク・ヴァン・クアンさん(47歳)とトゥルオン・ツィ・ナムさん(51歳)の間には、4人の娘と2人の息子がいる。一番上の子は1978年生まれ、一番下の子は1996年生まれである。この6人のうち、1人の息子を除く5人は顔面に謎の腫瘍を患っている。
4姉妹と1人の男の子は、生まれたときは異常が認められなかったが、7〜8歳の年齢に達すると顔面に腫瘍が出来始めた。成長するにつれて、どんどん大きくなっていく。5人のうち最年長である29歳の長女の腫瘍が最も大きい。
夫妻は人目を避けるため、5人の子供を別の家に住ませている。夫妻は1992年以来、タイグエンとハノイの病院を巡って子供たちを診せてきたが、現地の医師たちには病名もわからず、腫瘍の原因もわからなかった。医師らにできることといえば、抗生剤を処方することくらいだった。
2007年初頭、GHO(Global Health Organisation)に所属する米国の医師らがベトナムの口蓋形成異常児たちに手術を施すためにベトナムを訪れた。その際、医師らは、一家の末っ子ルク・ツィ・ニンちゃんの生検試料を採取して、米国に持ち帰った。試料が検査にかけられたが、米国の医師たちも確定診断を下すことはできなかった。
だが、その後、ハノイの医師らが4姉妹と男の子1人(注)に対して、一連の腫瘍切除手術を行うことを決定した。まず最初に、4姉妹の1人、11歳のルク・ツィ・リンさんの腫瘍を切除する手術が本日(7月13日)に開始された。
リンさんの腫瘍は他の4人よりも小さいため、最初の手術は彼女に対して行われることになった。執刀医らによると、腫瘍が最も小さいため最も手術が容易だという。リンさんの腫瘍は鼻腔から発生して外部に突出している。
医師らは、リンさんの手術で学んだことを次の手術に活かすことになる。次の手術は、28歳の娘ルク・ツィ・ハイさんに対して行われる。ハイさんの腫瘍は、片方の目の上に被さり、鼻と口を覆い尽くすほどの大きさまで成長している。
医師らによると、ハイさんは腫瘍で皮膚が引っ張られることに伴う組織の壊死と炎症を併発している。彼女の手術は、7月18日に予定されている。
他の3人は、さらに大きな腫瘍で顔面を覆われている。前述したように、最年長29歳の長女ルク・ツィ・モイさんの腫瘍が最も巨大化している。残りの3人の腫瘍は鼻、口、両目につながっているため、それを取り除く手術はかなり困難なものになると見られている。
長女モイさんの場合、1回目の手術に取り掛かるまでに数ヶ月の予備期間を要することになる。
父親のルク・ヴァン・クアンさん(47歳)と母親のトゥルオン・ツィ・ナムさんは、このような腫瘍を患っていない。だが、ベトナム第108陸軍病院のリハビリ病棟長を勤めた経歴のあるドゥオン・スアン・ダム教授は、遺伝的な原因によるものではないかと見ている。
ダム教授曰く。「タイグエン県の5人の姉妹らの症例は、家系的な遺伝子変異によって引き起こされた特殊な症例ではないかと思われます。親の代では顕在化していなかった遺伝子が子の代で顕在化し、遺伝病を引き起こすことがありえます」
ダム教授は、同じくベトナム北部のフート県で、ある一家の3兄弟全員に遺伝病と思われる症状が発現した例を診たことがある。いずれの子も生まれたときは正常だったが、4歳になると麻痺が始まった。手が最初に麻痺した後、脚が麻痺し、最後には全身が麻痺する。ダム教授らが治療を行ったところ、数ヶ月ほど延命することができたという。
■ Sources:
【関連記事】
夫妻は人目を避けるため、5人の子供を別の家に住ませている。夫妻は1992年以来、タイグエンとハノイの病院を巡って子供たちを診せてきたが、現地の医師たちには病名もわからず、腫瘍の原因もわからなかった。医師らにできることといえば、抗生剤を処方することくらいだった。
2007年初頭、GHO(Global Health Organisation)に所属する米国の医師らがベトナムの口蓋形成異常児たちに手術を施すためにベトナムを訪れた。その際、医師らは、一家の末っ子ルク・ツィ・ニンちゃんの生検試料を採取して、米国に持ち帰った。試料が検査にかけられたが、米国の医師たちも確定診断を下すことはできなかった。
だが、その後、ハノイの医師らが4姉妹と男の子1人(注)に対して、一連の腫瘍切除手術を行うことを決定した。まず最初に、4姉妹の1人、11歳のルク・ツィ・リンさんの腫瘍を切除する手術が本日(7月13日)に開始された。
注:本稿では3つのソースを参照しているが、最初にこの一家のことを伝えた記事では、4姉妹と2兄弟の計6人のうち、男の子1人を除く5人が腫瘍を患っていると伝えている。ところが、米国の医師らが生検試料を採取したことなどを伝えている記事と、今回行われる一連の手術を伝える記事では記述が曖昧で、1人の息子を除く5姉妹が腫瘍を患っているようにも読める。本稿では、とりあえず最初の記事の記述が正しいとみなし、「4姉妹と男の子1人」と記述しておく。
リンさんの腫瘍は他の4人よりも小さいため、最初の手術は彼女に対して行われることになった。執刀医らによると、腫瘍が最も小さいため最も手術が容易だという。リンさんの腫瘍は鼻腔から発生して外部に突出している。
医師らは、リンさんの手術で学んだことを次の手術に活かすことになる。次の手術は、28歳の娘ルク・ツィ・ハイさんに対して行われる。ハイさんの腫瘍は、片方の目の上に被さり、鼻と口を覆い尽くすほどの大きさまで成長している。
医師らによると、ハイさんは腫瘍で皮膚が引っ張られることに伴う組織の壊死と炎症を併発している。彼女の手術は、7月18日に予定されている。
他の3人は、さらに大きな腫瘍で顔面を覆われている。前述したように、最年長29歳の長女ルク・ツィ・モイさんの腫瘍が最も巨大化している。残りの3人の腫瘍は鼻、口、両目につながっているため、それを取り除く手術はかなり困難なものになると見られている。
長女モイさんの場合、1回目の手術に取り掛かるまでに数ヶ月の予備期間を要することになる。
父親のルク・ヴァン・クアンさん(47歳)と母親のトゥルオン・ツィ・ナムさんは、このような腫瘍を患っていない。だが、ベトナム第108陸軍病院のリハビリ病棟長を勤めた経歴のあるドゥオン・スアン・ダム教授は、遺伝的な原因によるものではないかと見ている。
ダム教授曰く。「タイグエン県の5人の姉妹らの症例は、家系的な遺伝子変異によって引き起こされた特殊な症例ではないかと思われます。親の代では顕在化していなかった遺伝子が子の代で顕在化し、遺伝病を引き起こすことがありえます」
ダム教授は、同じくベトナム北部のフート県で、ある一家の3兄弟全員に遺伝病と思われる症状が発現した例を診たことがある。いずれの子も生まれたときは正常だったが、4歳になると麻痺が始まった。手が最初に麻痺した後、脚が麻痺し、最後には全身が麻痺する。ダム教授らが治療を行ったところ、数ヶ月ほど延命することができたという。
■ Sources:
- First of five sisters with facial tumors gets surgery
- Siblings with facial turmours: still a mystery
- A family with five children with humps on their faces
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1. 神楽書堂‐ニュースログ‐ [ 神楽書堂‐ニュースログ‐ ] 2007年07月13日 19:41
2. 顔面腫瘍で息を潜めて生きてきた四姉妹と弟、1人目が切除手術 [ CELESTIAL FORTUNE-21st wayイラスト投稿者東陽子の雑記帖 ] 2007年07月14日 14:32
顔面を巨大な腫瘍で覆われた四姉妹と弟 ― 原因不明も、まず11歳の四女から切除手術が開始される(なんでも評点)
http://rate.livedoor.biz/archives/50396987.html
何で、この特定の家族に、しかも6人姉弟中5人まで、顔面を腫瘍で覆われる、などと言う現象がある...
この記事へのコメント
1. Posted by エンジェル 2007年07月13日 21:02
手術成功して堂々と外を歩いて欲しいです。一つ疑問があるんだけど、鼻と口を腫瘍が覆ってるのに呼吸はどうやってしてるんだろう…いずれにしても、
やっぱり苦しいだろうな
やっぱり苦しいだろうな
2. Posted by 2007年07月13日 23:14
顔に手の平を常に当てているような感じではなんでしょうか。
手術成功するといいですね。
手術成功するといいですね。
3. Posted by ・ 2007年07月14日 03:03
>>1
口や鼻が腫瘍に覆われているとしても、隙間はあるはずだよ
それにしても、原因も分からないうちにメス入れるなんて、チャレンジャーだなぁ
一番軽度な一人目の四女にして、かなりの高リスク手術になりそう
口や鼻が腫瘍に覆われているとしても、隙間はあるはずだよ
それにしても、原因も分からないうちにメス入れるなんて、チャレンジャーだなぁ
一番軽度な一人目の四女にして、かなりの高リスク手術になりそう
4. Posted by Urza 2007年07月16日 23:44
北ベトナム?
本当に遺伝疾患ですかね?^^;
場所が場所だけに・・・・。
本当に遺伝疾患ですかね?^^;
場所が場所だけに・・・・。
5. Posted by 阿桑 2007年07月17日 06:16
↓枯れ葉剤でしたっけ?
その可能性はあると思います(∋_∈)
その可能性はあると思います(∋_∈)
6. Posted by At 2007年07月20日 08:27
この子達が堂々と外を歩ける様になります様に・・・
7. Posted by サンチス 2007年07月20日 09:30
これはプロメテウス症候群という病気だと思われます。映画エレファントマンのジョンメリック氏が患った病気ですね。骨が異常に成長する事によって主要となる症候群です。腫瘍自体を取り除いても骨が異常生育する原因を突き止めないと、すぐに腫瘍は再生してしまいます。遺伝病なので枯葉剤とは関係は無さそうです。
9. Posted by 集団ストーカー 2012年05月11日 19:04
アメリカ軍はベトナム戦争で・小型の核爆弾を使い・其れの放射能を誤魔化す為に・大量の枯葉剤を撒いたらしい・地中深くに達する爆弾の・テストを遣ったのだ