クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:ジャズコンサート中に新しい心臓が見つかった10歳の少年、500人の聴衆から拍手喝采を浴びながら会場を後に

2007年05月11日

ジャズコンサート中に新しい心臓が見つかった10歳の少年、500人の聴衆から拍手喝采を浴びながら会場を後に


5月5日の午後、米国ペンシルバニア州のスリッパリーロック大学でジャズコンサートが開かれていた。会場には、およそ500人の聴衆が詰め掛け、演奏を堪能していた。その中に、1組の親子連れがいた。10歳の少年ジョン・ポール・メイ君と母スーさんの2人である。
ジョン君は、重い心臓病を患っていて心臓移植を必要としていたが、その日はお母さんと一緒に大好きなジャズを聴きにやって来たのだった。

ところが演奏半ばで、会場に異変が起きる。警察官らしき人が現れ、ビッグバンドを指揮している最中のバンドマスターの方につかつかと歩み寄った。そして、演奏が続いていることにお構いなしに、バンドマスターに何かを告げた。

すると、バンドマスターは演奏を中断し、会場の方を振り返った。ジョン君の母スーさんは、きっとバンドマスターの身内に不幸があったか何かだろうと思った。まさか、自分たち親子に関することだとは予想もしなかった。

ところが、警察官がマイクを手に持ち、「会場にスー・メイさんという女性はおられますか?」と自分を名指しにしてきたではないか。メイさんがびっくりして挙手すると、「ジョン君に移植する心臓が見つかったんです!」と告げた。

最初は怪訝そうに見守っていた500人の聴衆たちが一気に沸いた。メイさんとジョンが席を立って歩き始めるや、全員が立ち上がりスタンディング・オベーションが沸き起こった

「会場のみんなが拍手と歓声で送り出してくれました。感極まる思いがしました」とスーさん。

バンドを指揮していたスリッパリーロック大学の音楽教授スティーブ・ホークさんは、感慨深げに言う。「私は、エンターテインメントの世界に30年間携わってきましたが、ライブ演奏中にここまで衝撃的で感動的な出来事を経験したことは一度もありません」

スーさんは、当然のマナーとして携帯電話の電源を切って演奏を聴いていた。もしマナー違反を犯していたら、わざわざコンサートを中断する必要はなかった。病院から直接連絡を受けていたはずだ。

ジョン君は、適合する心臓が見つかり次第ピッツバーグ小児病院で移植手術を受ける手筈になっていた。そして、その日の午後に適合する心臓が見つかったのだが、病院スタッフがスーさんの携帯にかけても、つながらなかった。

移植には4時間というタイムリミットがあった。そこで、担当の心臓専門医ブライアン・ファインゴールド医師とその同僚の心臓専門医が警察に連絡を入れ、スーさんを見つけ出してほしいと依頼した。

しかし、スーさん親子がどこにいるかは誰も知らなかった。そこで、警察は携帯電話会社にスーさんの携帯電話の現在位置を調べるように依頼した。こうして得られた座標値が示した位置には、スリッパリーロック大学のコンサートホールがあった・・・というわけである。

州警察のジェームズ・グリーン氏は言う。「礼状なしに携帯電話の座標を割り出してよいのは、人の生死にかかわる場合と、殺人犯の行方を追跡する場合だけです」

その日の夜、ピッツバーグ小児病院で移植手術が行われ、無事成功した。ジョン君は、早く退院したくてたまらない様子で、またジャズ演奏を聴きに行くことを楽しみにしている。

前述したように、新しい心臓の移植には4時間というタイムリミットがあった。ジョン君の母スーさんは、あきらめずに自分を見つけ出してくれた警察に心から感謝の意を表している。

ともあれ、会場にいた500人あまりの聴衆は、全員がすぐに事情を呑み込んで拍手喝采を浴びせたわけである。さすが世界第一の臓器移植大国である。

これが日本で起きたことだったら、ただただきょとんとして、状況を理解するのに時間がかかる人が多かったのではないだろうか。

あるいは、ドナーが見つかったということは、誰かが脳死判定されたことを意味するわけで、その辺に複雑なものを感じ、ストレートに祝福する気になれなかったりするかもしれない。しかも、10歳の男の子に適合する心臓が見つかったのだから、あまり年の離れていない子供が亡くなったことを意味する。

【追記】

「当然のマナーとして携帯電話の電源を切って演奏を聴いていた」という部分は、ソース記事にそう明記されていたわけではなく、文脈からの推測である。コメント欄で指摘があって初めて気づいたのだが、もしかしたら、電源は入っていたが着信音が鳴らないようにしていたのかもしれない。あるいは、コメント主もご指摘のように、直前に電源が切られた位置の座標を知ることができた可能性もある。




■ Source: http://www.thepittsburghchannel.com/
news/13279277/detail.html
(ビデオあり)

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この記事へのコメント

1. Posted by Yosk8er   2007年05月11日 17:40
電源を切っていたにもかかわらず、
電話会社は、所有者の現在位置情報をも突き止めてしまう


のでしょうかね?


それとも、最後に電源を切った場所情報なんでしょうかね

ソースには書いてなさそうですが

中々くだらなくも鋭いポイントだとコメントしますっ
2. Posted by みや   2007年05月13日 10:30
5 外国って映画みたいな感動的な事がよく起きるよね。又それが似合うのよね
無事ドナー見つかって良かったね
映画化決定!?
3. Posted by     2007年05月14日 15:21
新しい心臓が見つかったということは
別の命がどこかで散ったということなのに。
4. Posted by     2007年05月15日 05:40
>>3
逆に考えるんだ。
その散った命はジョン君の命を繋いだ。
命は少しも散っていないんだよ。
5. Posted by     2007年05月16日 16:55
うまいこと言うねー
6. Posted by maro   2007年06月16日 01:41
もしこれが日本だったとしたら、警察はこんなに迅速に動いてくれないだろうなぁ。

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