2006年11月05日
あれに締め付けられると、実は凄く熱いらしい。血流が止まったり、息ができなくなったりして苦しそうだと誰しも思うはずだが、熱いというのは少し意外である。しかし、筋肉が収縮すると熱が発生し、しかも筋肉が強く収縮すればするほど熱量が多くなるので、考えてみれば当然のことである。
いったい何のことを話しているのかと言うと、愛好家の間では、その肌触りがひんやりしていて気持ちいいとも言われるヘビの話である。実際、変温動物のヘビがおとなしくしているときは、われわれ恒温動物より体温がずいぶん低い。また、愛好家がヘビを自分の上半身に巻き付かせているときは、ヘビが全力で締め付けているわけではないので、熱いと感じることもないだろう。
ヘビの中でも、ニシキヘビ(パイソン)やアナコンダのような大型のものは、獲物に巻きついて締め付け、失神ないしは窒息させてから、獲物を丸呑みにする。つい最近もマレーシアで全長6メートルのニシキヘビが妊娠中の雌羊を丸呑みして話題になったことがある。そのニシキヘビの場合は、獲物が大きすぎて自分も身動きできなくなり、いとも簡単に人間に捕獲されてしまった。
人間がニシキヘビやアナコンダなどの大蛇の餌食になることもある。丸呑みにされなくても、ペットとして飼っていたニシキヘビに巻き付かれて命を落とす人がたまにいる。おそらく自分ひとりしかいないときに大蛇に巻き付かれたら、逃れることはほとんど不可能だろう。だから、「大蛇に全力で締め付けられると実は凄く熱いのだ」という体験談を生きて語れる人はほとんどいない。
だが、南アフリカ共和国イースタンケープ州ストゥッターハイム近郊の村には、大蛇に呑み込まれる寸前で難を逃れて生還を果たした牛飼いの少年がいる。ルーヴォ・グウェダナエール君という9歳の少年である(牛飼いをしながら、南アでも義務教育のはずの小学校に通っているかどうかは不明)。
去る10月31日のこと、ルーヴォ君は牛飼い仲間の少年2人と共に、草原で放牧中の牛を集める作業をしていた。足元の草の背丈は決して低くなかった。ルーヴォ君は何かを踏んだのに気づいたが、最初は牛の糞を踏んづけたかなくらいにしか思わなかった。
ところが、数秒後、彼は異変に気づく。“熱い”と感じた。実はその時点で既に大蛇が彼の足に巻きついていたのだが、重いとか痛いとか感じるより先に、大蛇の体から発せられる熱に圧倒されたのである。
ルーヴォ君は、こう話している。「体中が熱くなったんだ。熱いのは、僕が生まれて一度も見たことがないくらい大きな蛇が巻き付いていたからだったんだ」
大蛇はルーヴォ君の両脚にがっちりと巻きついていた。ルーヴォ君は悲鳴が出そうになるのを必死でこらえた。大声を出したら、ヘビがもっと興奮するかもしれないと思ったからだ。
だからルーヴォ君は身じろぎもせずにじっとしていた。だが大蛇は彼の体の周囲をぐるぐる回りながら上がってくる。大蛇はルーヴォ君の胴に巻きついた。そして、大蛇の頭がルーヴォ君の顔にどんどん近づいてくる。
靴もズボンも脱げてしまった。全力で締め付けてくる大蛇の筋肉から発せられる凄まじい熱。痛みよりも恐怖がルーヴォ君を支配していたが、とにかく熱くて、重くて、汗が噴き出してきた。あまりに恐ろしくて、大蛇の体や頭に目を向けることはできなかった。
大蛇の息遣いが耳元で聞こえてきた。顔を守らないと息ができなくなると思い、ルーヴォ君は腕で頭を抱えるようにして耐えた。
だが幸い、ルーヴォ君はひとりきりだったわけではない。頼もしい年上の牛飼い仲間がいた。その1人、アテンコシ・ンガロ君(14歳)がルーヴォ君を救うべく、猛然と大蛇に立ち向かった。
アテンコシ君は言う。「ルーヴォが死ぬなんて嫌だった。気が付くと、無我夢中でヘビを殴っていたんです」
少年たちと大蛇の戦いは30分ほども続いた。だが、ついに大蛇が根負けしたようで、突然、巻き付いていた体を解いて、ブッシュの中に消えて行った。シューシューという大きな呼吸音を捨て台詞のように残しながら。
本件を伝え聞いたスネークコレクターのモーン・ヴェンター氏は、アテンコシ君が大蛇に打撃を与えていなければ、ルーヴォ君は逃れることができず大蛇の餌食になっていたかもしれない、と語っている。
アテンコシ君は恐ろしい大蛇にも怯まず、よくぞ勇敢に戦った。幼いルーヴォ君も最後まであきらめずに耐えた。けなげだった。
爬虫類学者のイアン・デュ・プレシス氏によると、その大蛇は“レッサー・アフリカン・ロック・パイソン”というニシキヘビの仲間である可能性が高い。そうでなければ、どこかで飼われていた他大陸原産(南米原産など)の大型のヘビが逃げ出したものではないかという。
■ Source: I heard the snake breathing
【関連記事】
ヘビの中でも、ニシキヘビ(パイソン)やアナコンダのような大型のものは、獲物に巻きついて締め付け、失神ないしは窒息させてから、獲物を丸呑みにする。つい最近もマレーシアで全長6メートルのニシキヘビが妊娠中の雌羊を丸呑みして話題になったことがある。そのニシキヘビの場合は、獲物が大きすぎて自分も身動きできなくなり、いとも簡単に人間に捕獲されてしまった。
参考:ザイーガ:【画像】ニシキヘビが、羊まるごと一匹飲み込んだ時の形相
人間がニシキヘビやアナコンダなどの大蛇の餌食になることもある。丸呑みにされなくても、ペットとして飼っていたニシキヘビに巻き付かれて命を落とす人がたまにいる。おそらく自分ひとりしかいないときに大蛇に巻き付かれたら、逃れることはほとんど不可能だろう。だから、「大蛇に全力で締め付けられると実は凄く熱いのだ」という体験談を生きて語れる人はほとんどいない。
参考:人間の子供を丸呑みにした大蛇の画像(解体前と解体後:ショッキング注意)
だが、南アフリカ共和国イースタンケープ州ストゥッターハイム近郊の村には、大蛇に呑み込まれる寸前で難を逃れて生還を果たした牛飼いの少年がいる。ルーヴォ・グウェダナエール君という9歳の少年である(牛飼いをしながら、南アでも義務教育のはずの小学校に通っているかどうかは不明)。
去る10月31日のこと、ルーヴォ君は牛飼い仲間の少年2人と共に、草原で放牧中の牛を集める作業をしていた。足元の草の背丈は決して低くなかった。ルーヴォ君は何かを踏んだのに気づいたが、最初は牛の糞を踏んづけたかなくらいにしか思わなかった。
ところが、数秒後、彼は異変に気づく。“熱い”と感じた。実はその時点で既に大蛇が彼の足に巻きついていたのだが、重いとか痛いとか感じるより先に、大蛇の体から発せられる熱に圧倒されたのである。
ルーヴォ君は、こう話している。「体中が熱くなったんだ。熱いのは、僕が生まれて一度も見たことがないくらい大きな蛇が巻き付いていたからだったんだ」
大蛇はルーヴォ君の両脚にがっちりと巻きついていた。ルーヴォ君は悲鳴が出そうになるのを必死でこらえた。大声を出したら、ヘビがもっと興奮するかもしれないと思ったからだ。
だからルーヴォ君は身じろぎもせずにじっとしていた。だが大蛇は彼の体の周囲をぐるぐる回りながら上がってくる。大蛇はルーヴォ君の胴に巻きついた。そして、大蛇の頭がルーヴォ君の顔にどんどん近づいてくる。
靴もズボンも脱げてしまった。全力で締め付けてくる大蛇の筋肉から発せられる凄まじい熱。痛みよりも恐怖がルーヴォ君を支配していたが、とにかく熱くて、重くて、汗が噴き出してきた。あまりに恐ろしくて、大蛇の体や頭に目を向けることはできなかった。
大蛇の息遣いが耳元で聞こえてきた。顔を守らないと息ができなくなると思い、ルーヴォ君は腕で頭を抱えるようにして耐えた。
だが幸い、ルーヴォ君はひとりきりだったわけではない。頼もしい年上の牛飼い仲間がいた。その1人、アテンコシ・ンガロ君(14歳)がルーヴォ君を救うべく、猛然と大蛇に立ち向かった。
アテンコシ君は言う。「ルーヴォが死ぬなんて嫌だった。気が付くと、無我夢中でヘビを殴っていたんです」
少年たちと大蛇の戦いは30分ほども続いた。だが、ついに大蛇が根負けしたようで、突然、巻き付いていた体を解いて、ブッシュの中に消えて行った。シューシューという大きな呼吸音を捨て台詞のように残しながら。
本件を伝え聞いたスネークコレクターのモーン・ヴェンター氏は、アテンコシ君が大蛇に打撃を与えていなければ、ルーヴォ君は逃れることができず大蛇の餌食になっていたかもしれない、と語っている。
アテンコシ君は恐ろしい大蛇にも怯まず、よくぞ勇敢に戦った。幼いルーヴォ君も最後まであきらめずに耐えた。けなげだった。
けなげさ9 | ■■■■■■■■■□ |
爬虫類学者のイアン・デュ・プレシス氏によると、その大蛇は“レッサー・アフリカン・ロック・パイソン”というニシキヘビの仲間である可能性が高い。そうでなければ、どこかで飼われていた他大陸原産(南米原産など)の大型のヘビが逃げ出したものではないかという。
■ Source: I heard the snake breathing
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1. 11/5 ? [ Nog! ] 2006年11月05日 16:29
[画像]
Something to think about....[Bits & Pieces]
きれいな写真は好きです。
An apple a day.....[Bits & Pieces]
これベンツから撮ってる?
未必の故意(天空の城ラピュタ)[トキめかない]
ウル・ラピュタ。
2. 「締め付けられて凄く熱かった」と、丸呑みにされかけた牛飼いの少年が語る [ 風風書堂‐ニュースログ‐ ] 2006年11月05日 20:33
去る10月31日のこと、ルーヴォ・グウェダナエール君(9歳)は放牧中の牛を集める作業をしていた。ルーヴォ君は何かを踏んだのに気づいたが、最初は牛の糞を踏んづけたかなくらいにしか思わなかった。
ところが、数秒後、彀-
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この記事へのコメント
1. Posted by アマで臼 2006年11月05日 03:50
よくぞこのネタ(英文ソース)からここまで文章練り上げたものですね。おそれ入りました。
2. Posted by /**/ 2006年11月05日 15:21
ルーヴォ君が大蛇と遭遇した後の文章上手くできてるねえ
大蛇を別の言葉に置き換えても意味が通ってしまうんだもん
大蛇を別の言葉に置き換えても意味が通ってしまうんだもん
3. Posted by 一愛読者 2006年11月05日 16:11

4. Posted by 私 2006年11月06日 23:08
そうか絞められると熱くなるのか。あははっ♪
5. Posted by maro 2007年05月04日 22:39
>アテンコシ君は言う。「ルーヴォが死ぬなんて嫌だった。
なぜかここで涙が出そうになりました。
なぜかここで涙が出そうになりました。
7. Posted by 2010年08月10日 02:44
蛇を興奮させないように騒がなかったみたいだけど
蛇って実は聴覚ないんだっけ
蛇って実は聴覚ないんだっけ
8. Posted by via 2014年05月11日 02:06
e hookah なんでも評点:「締め付けられて凄く熱かった」と、丸呑みにされかけた牛飼いの少年が語る
9. Posted by content 2014年05月11日 18:43
e-cigar なんでも評点:「締め付けられて凄く熱かった」と、丸呑みにされかけた牛飼いの少年が語る
10. Posted by simply click the up coming internet page 2014年07月16日 10:08
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