2006年09月16日
米国オハイオ州ウィロウィックで、末期ガンの宣告を受けた17歳の女子高生が幼いころからの夢をかなえようとしている。花嫁になるという夢である。ありふれた夢かもしれない。だが彼女には、残りわずかな時間しか残されていない。
ニコールさんは、在宅学習を続けてきた高校3年生。非常に稀な進行性のガンにかかっている。もはや末期のステージに達しているとの宣告が下されている。
これまでに胃、肝臓、骨盤から腫瘍を取り除く手術を受けた。放射線治療も受けている。もともとスレンダーだった体がさらに細く痩せ衰えている。
「死ぬのは怖くありません。ただ、苦しみながら死ぬのは、ちょっと嫌かもしれません」とニコールさんは言う。「毎晩、神様とお話しています。どんなことも理由があるから起きるのだと思っています。だから、私はそれを(自分の死を)受け入れるつもりです」
「でも、子供のころからずーっと花嫁になるのが夢でした。自分が病気だとわかったとき、その夢はもうかなわないのかと思いました」
でも、その夢がかなえられることになった。お相手は、ニコールさんが長年交際を続けてきた彼氏、クリスチャン・マイケル・ジョン・ロバートさん(19歳)である。式の日取りも決まっている。実は、本稿を書いている今日この日、9月16日に現地の教会で式が挙げられることになっている。
ニコールさんとクリスチャンさんは、固い約束を交わした。「死が二人を分かつときまで」という約束を。
クリスチャンさんは、その約束の持つ意味の重さを心の奥深くで受け止めている。ありふれた若いカップルが「死ぬまで一緒にいようね」と言うのとはわけが違う。普通、この二人くらいの年齢の若者にとって未来はうんさりするほど半永久的に続くかのように思えるものだが、ニコールさんには限られた時間しか残されていない。
それを考えると「つらい」とクリスチャンさんは言う。つらいけど、二人でいろいろ話をしている。誰かを愛したら、その人と一緒にいる。それが当然なことではないかとクリスチャンさんは言う。
クリスチャンさんは、ぎりぎりになってプロポーズしたわけではない。彼がプロポーズしたのは昨年の夏のことだった。ソース記事の記述が若干曖昧なのだが、ニコールさんがガンにかかっていることは1年以上前からわかっていたようだ。
だが、おそらくプロポーズの後すぐに式を挙げるわけにはいかなかったのだろう。前述したような手術や治療を受けねばならなかったし、教会に大勢の人に集まってもらい、その前でウェディングドレス姿を披露して式を挙げることがニコールさんの夢だったはず。
盛大な結婚式を挙げるのには、費用もかかる。ハネムーンの手配だってしなければならない。ニコールさんの母、コニー・ディドナートさんは娘がプロポーズされたことを知ると、なんとかして夢をかなえてあげたいと行動を起こした。
そして、NPOのMake-A-Wishがニコールさんの夢をかなえてくれることになった。255名を招いて盛大に開かれる結婚式とハネムーンの費用全額をMake-A-Wishが出してくれる。
二人は神父の前で誓いを上げるが、実際には正式に入籍するわけではない。もちろん、花嫁の死期が近づいていて長く続かない結婚になるからというわけではない。
ニコールさんの治療費は、シングルマザーである母親が加入している保険から支払われている。クリスチャンさんと入籍してしまうと、治療費が出なくなってしまうのだ。
籍を入れようが入れまいが、ニコールさんにとって幼いころからの夢が現実のものとなることには違いがない。彼女は言う。「結婚式の日がやって来る。物心ついたときからの夢がかなうんです」
ソース記事には、ニコールさんが余命どれくらいと宣告されているかに関する記述はない。筆者だって、こんな話を聞けば奇跡が起きて末期のガンが自然縮退すればいいのにと思う。
「死が二人を分かつときまで」という約束の重みが心に響く。「二人に死がおとずれて 星になる日が来ても あなたと離れはしない」という歌もあるが(「愛のメモリー」、作詞:たか たかし)、そんな甘ったるいロマンチシズムに浸っている余裕など、この二人にはないはず。
■ Source: http://www.vindy.com/content/national_world/
288257191815120.php
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これまでに胃、肝臓、骨盤から腫瘍を取り除く手術を受けた。放射線治療も受けている。もともとスレンダーだった体がさらに細く痩せ衰えている。
「死ぬのは怖くありません。ただ、苦しみながら死ぬのは、ちょっと嫌かもしれません」とニコールさんは言う。「毎晩、神様とお話しています。どんなことも理由があるから起きるのだと思っています。だから、私はそれを(自分の死を)受け入れるつもりです」
「でも、子供のころからずーっと花嫁になるのが夢でした。自分が病気だとわかったとき、その夢はもうかなわないのかと思いました」
でも、その夢がかなえられることになった。お相手は、ニコールさんが長年交際を続けてきた彼氏、クリスチャン・マイケル・ジョン・ロバートさん(19歳)である。式の日取りも決まっている。実は、本稿を書いている今日この日、9月16日に現地の教会で式が挙げられることになっている。
ニコールさんとクリスチャンさんは、固い約束を交わした。「死が二人を分かつときまで」という約束を。
クリスチャンさんは、その約束の持つ意味の重さを心の奥深くで受け止めている。ありふれた若いカップルが「死ぬまで一緒にいようね」と言うのとはわけが違う。普通、この二人くらいの年齢の若者にとって未来はうんさりするほど半永久的に続くかのように思えるものだが、ニコールさんには限られた時間しか残されていない。
それを考えると「つらい」とクリスチャンさんは言う。つらいけど、二人でいろいろ話をしている。誰かを愛したら、その人と一緒にいる。それが当然なことではないかとクリスチャンさんは言う。
クリスチャンさんは、ぎりぎりになってプロポーズしたわけではない。彼がプロポーズしたのは昨年の夏のことだった。ソース記事の記述が若干曖昧なのだが、ニコールさんがガンにかかっていることは1年以上前からわかっていたようだ。
だが、おそらくプロポーズの後すぐに式を挙げるわけにはいかなかったのだろう。前述したような手術や治療を受けねばならなかったし、教会に大勢の人に集まってもらい、その前でウェディングドレス姿を披露して式を挙げることがニコールさんの夢だったはず。
盛大な結婚式を挙げるのには、費用もかかる。ハネムーンの手配だってしなければならない。ニコールさんの母、コニー・ディドナートさんは娘がプロポーズされたことを知ると、なんとかして夢をかなえてあげたいと行動を起こした。
そして、NPOのMake-A-Wishがニコールさんの夢をかなえてくれることになった。255名を招いて盛大に開かれる結婚式とハネムーンの費用全額をMake-A-Wishが出してくれる。
二人は神父の前で誓いを上げるが、実際には正式に入籍するわけではない。もちろん、花嫁の死期が近づいていて長く続かない結婚になるからというわけではない。
ニコールさんの治療費は、シングルマザーである母親が加入している保険から支払われている。クリスチャンさんと入籍してしまうと、治療費が出なくなってしまうのだ。
籍を入れようが入れまいが、ニコールさんにとって幼いころからの夢が現実のものとなることには違いがない。彼女は言う。「結婚式の日がやって来る。物心ついたときからの夢がかなうんです」
けなげさ10 | ■■■■■■■■■■ |
ソース記事には、ニコールさんが余命どれくらいと宣告されているかに関する記述はない。筆者だって、こんな話を聞けば奇跡が起きて末期のガンが自然縮退すればいいのにと思う。
「死が二人を分かつときまで」という約束の重みが心に響く。「二人に死がおとずれて 星になる日が来ても あなたと離れはしない」という歌もあるが(「愛のメモリー」、作詞:たか たかし)、そんな甘ったるいロマンチシズムに浸っている余裕など、この二人にはないはず。
■ Source: http://www.vindy.com/content/national_world/
288257191815120.php
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1. 末期ガンに冒された17歳少女が花嫁になる夢をかなえる―「死が二人を分かつときまで」 [ 風風書堂 ] 2006年09月17日 23:22
米国オハイオ州ウィロウィックで、末期ガンの宣告を受けた17歳の女子高生が幼いころからの夢をかなえようとしている。花嫁になるという夢である。ありふれた夢かもしれない。だが彼女には、残りわずかな時間しか残されてい
2. 情けない質問 [ ネット上でみつけたおもしろいもの ためになるもの紹介しようかなーー ] 2006年09月22日 20:31
au「無期限くりこし」は得なのか!?
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0609/20/news061.html
鷹の爪団員会報
http://www.kaeruotoko.com/merumaga/vol0014/
情けない質問
http://q.hatena.ne.jp/1158552379
末期ガンに冒された17歳少女が花嫁...
3. 死さえも二人を分かつことなく [ エムスクール風な何か、 ] 2006年12月06日 03:28
いつもIT系の話ばかりですので、たまには違ったお話を。 ■死さえも二人を分かつことなく ~ 先に臨終を迎えた妻と手を繋いだまま昏睡に落ちた夫が、手をほどかれた30分後に臨終を迎える(なんでも評点) このなんでも評点さんは、「日本では知られていない海外のニュース」...
この記事へのコメント
1. Posted by ・・・・ 2006年09月16日 19:56
泣けた。
思い出した話。
血液内科をやってるごつい大阪人の友人が研修医のとき、そいつが泣いているという噂を聞いた。同じく血液内科の友人から。「俺たち、白血病とかなんとかで、自分と同世代とかちょっと年下の人が毎週死んでいくのを見るからね、あいつの担当患者先週続けて3人亡くなってさ、あいつ泣いてたよ。」って。
それまで小児科志望だったけど、ならなくてよかった、と思った。もちろん、お年寄りだったらいいって訳ではないけれど。
今後は医療経済が破綻して、自己負担部分が増えてくるだろうし、そうなったら「若い人でもお金が無いから治療を受けられない」って人がたくさん出てくるだろうな。なんだか、なぁ・・・
思い出した話。
血液内科をやってるごつい大阪人の友人が研修医のとき、そいつが泣いているという噂を聞いた。同じく血液内科の友人から。「俺たち、白血病とかなんとかで、自分と同世代とかちょっと年下の人が毎週死んでいくのを見るからね、あいつの担当患者先週続けて3人亡くなってさ、あいつ泣いてたよ。」って。
それまで小児科志望だったけど、ならなくてよかった、と思った。もちろん、お年寄りだったらいいって訳ではないけれど。
今後は医療経済が破綻して、自己負担部分が増えてくるだろうし、そうなったら「若い人でもお金が無いから治療を受けられない」って人がたくさん出てくるだろうな。なんだか、なぁ・・・
2. Posted by ななし 2006年09月21日 08:42
男の名前、マイケルでジョンでロバートなのかよ!
3. Posted by 、 2006年09月22日 00:30
(´;ω;`)ブワッ
4. Posted by ななお 2006年09月23日 03:58
ブラックジャックにもそんなお話あったよね
5. Posted by 名無し 2007年01月21日 14:25

7. Posted by visit my homepage 2014年05月12日 06:48
vaporizer なんでも評点:末期ガンに冒された17歳少女が花嫁になる夢をかなえる―「死が二人を分かつときまで」