2006年07月23日
7月15日のこと、米国フロリダ州オーランドの南フロリダ病院に14歳の少年アルジュウォン・ピプキン君が意識不明の重体で運び込まれてきた。脳のスキャンを取ったところ、異常が認められた。アルジュウォン君は、水中に少なくとも7分間沈んでいた。酸素不足により、脳が損傷した可能性があった。
だが、アルジュウォン君はまもなく意識を取り戻す。再度のCTを含む一連の検査の結果、脳やその他の器官に永続的な損傷が一切生じていないことが確認された。家族が最悪の事態を覚悟した事故から、わずか1週間後に晴れて退院を許されたのである。
呼吸できない状態が数分続くだけでも、人間の脳は回復不能な損傷を受ける可能性がある。アルジュウォン君が水中から救助されるまでにかかった時間は、短くても7分、もしかしたら15分ほどかかったかもしれないと見られている。しかも、沈んだのがお湯の中だったので、低体温になって酸素消費が抑えられて助かるという、最近よく知られるようになった例のパターンも期待できない。
普通なら、意識を回復できる見込みさえ少ない。だが、アルジュウォン君は意識を回復したどころか、たった1週間で何の障害も残らずに全快して退院できた。その秘密は、おそらくアルジュウォン君の父親シャリフさんのとっさの行動にあった。映画、アニメ、ドラマでたまに見られる水中キスである。
ディズニーワールドで遊ぶために、ニュージャージー州からオーランドにやってきたピプキン一家は当地のラディソン・パークウェイ・ホテルに宿泊していた。事故当時、アルジュウォン君はプールの傍にあるジャグジー風呂に入っていた。ところが風呂の排水口をカバーしていた格子が破損していた。
アルジュウォン君は排水口に吸い込まれ、全身が水面下に引き込まれてしまった。排水口がお湯を吸い込んでいく力があまりに強く、アルジュウォン君は風呂の底にぴったり吸いつけられてしまった。
父親シャリフさんは言う。「今思い出しても、血が凍るほど恐ろしい光景でした。息子が風呂の底に吸いつけられていました。周りの人たちが息子を引っ張り上げようとしても、息子は浮かんできません。私も息子の身体に手をかけて引っ張ってみましたが、びくともしませんでした」
大勢の人たちがアルジュウォン君を助け出そうと力を合わせている間、水中の息子は酸素を必要としているはずだと考えた父親シャリフさんに、1つのアイデアが閃いた。効果はないかもしれない。だがやってみよう。
水面で息を吸って、風呂の底にもぐり、息子に口移しで空気を与えることにした。その作業を何度も繰り返した。
結局、お湯を循環させているポンプを停止させると、アルジュウォン君を水中から引き出すことができた。だが、前述したように、アルジュウォン君を救い出すまでに短くて7分、長くて15分もの時間を要したのである。
すっかり元気になったアルジュウォン君だが、自分が風呂の底に沈んでいた間のことは何も覚えていないという。大勢の人たちが必死になって助け出そうとしたことも、父から空気を口移しで与えられたことも。
アルジュウォン君は言う。「プールに行ってから病院で目が覚めるまでの間のことは、何も覚えていません。でも、前よりも生きていることのありがたみがわかるようになりました」
訴訟大国アメリカの話なのでホテル側を相手取って、すわ訴訟かと思いきや、アルジュウォン君の両親は「ホテル側を責めるつもりはありません」と話している。「(不可抗力で起きた)事故だったと思います」と。
ともあれ、アルジュウォン君が何の障害もなく全快したのは、やはり父親シャリフさんが口移しで酸素を補給したおかげなのだろう。われわれがこれと似たようなシチュエーションに遭遇した場合も、水中マウス・トゥ・マウス(水中口移し)を実践すれば、尊い誰かの命を救えるかもしれない。
■ Source: Dad Breathes Air Into Son Trapped Underwater For 7 Minutes
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普通なら、意識を回復できる見込みさえ少ない。だが、アルジュウォン君は意識を回復したどころか、たった1週間で何の障害も残らずに全快して退院できた。その秘密は、おそらくアルジュウォン君の父親シャリフさんのとっさの行動にあった。映画、アニメ、ドラマでたまに見られる水中キスである。
ディズニーワールドで遊ぶために、ニュージャージー州からオーランドにやってきたピプキン一家は当地のラディソン・パークウェイ・ホテルに宿泊していた。事故当時、アルジュウォン君はプールの傍にあるジャグジー風呂に入っていた。ところが風呂の排水口をカバーしていた格子が破損していた。
アルジュウォン君は排水口に吸い込まれ、全身が水面下に引き込まれてしまった。排水口がお湯を吸い込んでいく力があまりに強く、アルジュウォン君は風呂の底にぴったり吸いつけられてしまった。
父親シャリフさんは言う。「今思い出しても、血が凍るほど恐ろしい光景でした。息子が風呂の底に吸いつけられていました。周りの人たちが息子を引っ張り上げようとしても、息子は浮かんできません。私も息子の身体に手をかけて引っ張ってみましたが、びくともしませんでした」
大勢の人たちがアルジュウォン君を助け出そうと力を合わせている間、水中の息子は酸素を必要としているはずだと考えた父親シャリフさんに、1つのアイデアが閃いた。効果はないかもしれない。だがやってみよう。
水面で息を吸って、風呂の底にもぐり、息子に口移しで空気を与えることにした。その作業を何度も繰り返した。
結局、お湯を循環させているポンプを停止させると、アルジュウォン君を水中から引き出すことができた。だが、前述したように、アルジュウォン君を救い出すまでに短くて7分、長くて15分もの時間を要したのである。
すっかり元気になったアルジュウォン君だが、自分が風呂の底に沈んでいた間のことは何も覚えていないという。大勢の人たちが必死になって助け出そうとしたことも、父から空気を口移しで与えられたことも。
アルジュウォン君は言う。「プールに行ってから病院で目が覚めるまでの間のことは、何も覚えていません。でも、前よりも生きていることのありがたみがわかるようになりました」
不幸中の幸い度9 | ■■■■■■■■■□ |
訴訟大国アメリカの話なのでホテル側を相手取って、すわ訴訟かと思いきや、アルジュウォン君の両親は「ホテル側を責めるつもりはありません」と話している。「(不可抗力で起きた)事故だったと思います」と。
ともあれ、アルジュウォン君が何の障害もなく全快したのは、やはり父親シャリフさんが口移しで酸素を補給したおかげなのだろう。われわれがこれと似たようなシチュエーションに遭遇した場合も、水中マウス・トゥ・マウス(水中口移し)を実践すれば、尊い誰かの命を救えるかもしれない。
■ Source: Dad Breathes Air Into Son Trapped Underwater For 7 Minutes
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この記事へのコメント
1. Posted by 某最新映画は出来がいまいちらしい 2006年07月24日 02:59
未来少年コナンの1シーンを思い出した。
たしか、ヒロインがコナンに同じことしてた。
でも、これは相手がオヤジか…。
うん、助かってよかったね(笑)
たしか、ヒロインがコナンに同じことしてた。
でも、これは相手がオヤジか…。
うん、助かってよかったね(笑)
2. Posted by 紫煙 2006年07月25日 02:39
ナイトスクープで同じ依頼があったけど失敗してました。
必死になれば何でも出来るモンですね。
必死になれば何でも出来るモンですね。
3. Posted by 員同 2006年07月26日 00:47
外にお湯を捨てればよかったのでは?
4. Posted by こごろう 2006年07月26日 04:05

だがポンプ止めるまでに時間かかりすぎ。
5. Posted by ヨイウ 2006年08月01日 18:31
バーローの映画でそんなんあったな
6. Posted by ネズミーマウス 2007年05月02日 17:15
これがほんとのマウス・トゥ・マウス(ディズニーランドだけに)
7. Posted by web 2014年05月11日 02:12
ego electronic cigarette なんでも評点:水中キスによる空気口移しで九死に一生を得た少年
8. Posted by this article 2014年05月11日 10:44
e-cig reviews なんでも評点:水中キスによる空気口移しで九死に一生を得た少年
9. Posted by visit the following page 2014年05月11日 18:47
esmoker なんでも評点:水中キスによる空気口移しで九死に一生を得た少年
10. Posted by 2016年08月19日 11:39
コナンじゃん。ラナとのワンシーンだな。