2006年06月28日
当ブログでは、九死に一生を得た人たちの話をこれまでにも多く取り上げてきた。そういった体験は、その人の肉体と精神に多大な負荷(トラウマとストレス)を強いる。“命拾い”とは、裏を返せば“寿命が縮む”ような体験であったりはしないか(もちろん、その場で助かることが何より重要であり、助かった後の人生の長さにかまってなんかいられないわけだが)。
たとえば、運転していた車が雪崩に巻き込まれたが、車に積んでいたビールを大量に飲み、小便で雪を溶かして脱出に成功した男性のことを以前取り上げたことがある(リンクは本稿末尾)。その男性の場合は、短時間で大量のビールを飲んだせいで、腎臓と肝臓を痛めてしまった。彼は九死に一生を得たが、その代償として自分の寿命を縮めたということになるかもしれない。
また、ストレスのない生活を送ることが長寿の秘訣だとよく言われる。日常的なストレスもさることながら、九死に一生みたいな極限のストレスなど、長寿のためには“もってのほか”のはずである。大怪我で生死の境をさまよったり、成功率が決して高くない大手術を受けたことのある人が100歳を過ぎてなお健在というのは、ちょっと考えにくいことかもしれない。
長寿に関する常識を覆す男性がロシアにいる。101歳のニキータ・ベリャエフさんは、30代、40代、50代のときにそれぞれ“寿命が縮みそうな”どころか、今生きていることが不思議なくらい過酷な体験をしている。
隣人がそう予言してから、まだ“数百年”には遠く及ばないが、それでも46年という長い長い歳月が流れた。2回目の手術以降、ニキータさんのガンは再発していない。最初にガンと宣告されてから58年、2回目の難手術を生き延びてから46年もの間、ニキータさんは元気に暮らしてきた。その年齢も3桁の大台に乗り、もうすぐ102歳の誕生日を迎える。
娘のリディアさん(60歳)は、ニキータさんの長寿に特に秘訣といえるものはなさそうだと言う。ただ、習慣にしていることが1つある。
「父は、毎朝、朝食の前にウォッカをほんの一滴だけ飲み、ラードをひとかけらだけ食べることを習慣にしています。幼いころから、ずーっとその様子を見てきました。父によると、これは手術を担当してくれた教授のアドバイスに従ってのことだそうです。でも、父はパーティーの席などでは、決してお酒を飲みません」
ニキータさん自身の言によれば、自分が長生きしてきたのは神の思し召しだという。神のなせる業かどうかはともかく、3回にもわたって死の淵から蘇り、101歳まで長生きしてきたこの事実、まさしく神がかっている。
と同時に、本件は、“寿命が縮みそうな”過酷な体験を繰り返しても本当に寿命が縮むとは限らないことを示してくれる好例だと言えるだろう。長生きしてもしようがないという理屈もあるが、たとえば「自分はこれまでさんざん無茶をしてきたから、どうせ長生きなんかできそうにない」と決め付けるのは早計かもしれない。
■ Source: Pravda - 102-year-old man lives with cancer for 60 years
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また、ストレスのない生活を送ることが長寿の秘訣だとよく言われる。日常的なストレスもさることながら、九死に一生みたいな極限のストレスなど、長寿のためには“もってのほか”のはずである。大怪我で生死の境をさまよったり、成功率が決して高くない大手術を受けたことのある人が100歳を過ぎてなお健在というのは、ちょっと考えにくいことかもしれない。
長寿に関する常識を覆す男性がロシアにいる。101歳のニキータ・ベリャエフさんは、30代、40代、50代のときにそれぞれ“寿命が縮みそうな”どころか、今生きていることが不思議なくらい過酷な体験をしている。
- 1941年:ニキータさん36歳 ドイツ軍がソ連に侵攻し、ニキータさんは軍に召喚される。2ヵ月後、彼の所属していた部隊がドイツ軍の急襲に遭う。仲間たちは、ほぼ全員死亡。ニキータさんも頭部に銃弾を浴びる。
5日目になってようやく救援隊がニキータさんを発見。現場の地面に空いた穴の中で、仲間たちの無残な亡骸の中に埋もれながら虫の息で生きていた。顔面の一部が吹き飛ぶほどの大怪我を負っていた。ただちにレニングラードの病院に運ばれた。
奇跡的に、ニキータさんの脳は損傷を免れていた。しかし、頭部と顔面の手術をその後4回にわたって受ける。一部が吹き飛んだ彼の顔面を外科医たちが段階的に再建したのである。
ただし、片方の目とほとんどの歯を失った。6週間の入院生活の後、退院。奇跡の生還ではあるが、代償も大きかった。
代償は、顔面が変形し、片目と歯を失ったことだけではなかった。再建手術を統率した教授は、「あなたは、将来、ガンになるかもしれないので覚悟しておいてほしい」とニキータさんに言い下した。ドナー(おそらく死人であろう)からニキータさんに移植された皮膚に問題があったらしい。
- 1948年:ニキータさん43歳 「ガンになるかもしれない」という警告が現実のものとなってしまった。悪性表皮腫の疑いのある出来物が上唇に見つかった。治療を受けるが効果はなく、腫瘍はますます大きくなって行った。結局、ガンと診断され、ニキータさんは深い絶望の淵に沈む。
43歳当時のニキータさんには、5人の子がいて、一番下の娘はまだ5歳。ここで死ぬわけにはいかない。最後まであきらめるものかと意を決し、手術を受けた。
そして手術は見事に成功。生への強い意志が功を奏してか、奇跡的な回復を見せる。
- 1960年:ニキータさん55歳 再発もなく、ガンが完治したと信じ切っていたニキータさんだったが、12年もの時を隔てて再びガンが見つかる。前回よりも、はるかに深刻な状態だった。手術自体、成功する見込みはきわめて低いという。
ニキータさんは、手術室に運び込まれる前に愛する家族に別れを告げた。だが、今回も、ニキータさんは死の淵から蘇り、数ヵ月後に退院を果たす。
無事退院したニキータさんが玄関口の椅子に腰掛けているのを見た隣人は、こんな言葉で彼の生還を祝福した。「あなたは、きっと長生きする。数百年後も、まだ生きていたりして」
隣人がそう予言してから、まだ“数百年”には遠く及ばないが、それでも46年という長い長い歳月が流れた。2回目の手術以降、ニキータさんのガンは再発していない。最初にガンと宣告されてから58年、2回目の難手術を生き延びてから46年もの間、ニキータさんは元気に暮らしてきた。その年齢も3桁の大台に乗り、もうすぐ102歳の誕生日を迎える。
娘のリディアさん(60歳)は、ニキータさんの長寿に特に秘訣といえるものはなさそうだと言う。ただ、習慣にしていることが1つある。
「父は、毎朝、朝食の前にウォッカをほんの一滴だけ飲み、ラードをひとかけらだけ食べることを習慣にしています。幼いころから、ずーっとその様子を見てきました。父によると、これは手術を担当してくれた教授のアドバイスに従ってのことだそうです。でも、父はパーティーの席などでは、決してお酒を飲みません」
ニキータさん自身の言によれば、自分が長生きしてきたのは神の思し召しだという。神のなせる業かどうかはともかく、3回にもわたって死の淵から蘇り、101歳まで長生きしてきたこの事実、まさしく神がかっている。
と同時に、本件は、“寿命が縮みそうな”過酷な体験を繰り返しても本当に寿命が縮むとは限らないことを示してくれる好例だと言えるだろう。長生きしてもしようがないという理屈もあるが、たとえば「自分はこれまでさんざん無茶をしてきたから、どうせ長生きなんかできそうにない」と決め付けるのは早計かもしれない。
どんでん返し指数9 | ■■■■■■■■■□ |
■ Source: Pravda - 102-year-old man lives with cancer for 60 years
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この記事へのコメント
1. Posted by うつ 2006年06月28日 04:48
自殺者がいきてたらもしかしたら長生きってこと?
2. Posted by mw 2006年06月28日 10:16
どちらかというと
健康に恵まれない人達に希望を与える話かな
健康に恵まれない人達に希望を与える話かな
3. Posted by XXZ 2006年06月30日 09:10
二度目のがんがどこにできたものかは分からないのだが、他人由来の組織にできたものであれば、全身転移はなさそうだね。ニキータさんの免疫系を調べてみたい。
4. Posted by 生粋の(ry 2006年07月03日 20:45
ロシアンはウオトカを余り飲まなけりゃ長生きするのか。
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