クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:5000万円拾った貧しい女性、本物と信じられず銀行に持ち込んで全額没収される

2006年01月29日

5000万円拾った貧しい女性、本物と信じられず銀行に持ち込んで全額没収される


お金を拾ったら、やはり正直に届け出るべきだろう。失うものがある人の場合は、なおさらである。届けずに自分のものにしてしまうと遺失物横領罪になる。10万円をネコババしたばかりに仕事や社会的信用を失うようなことになったら、本末転倒である。
ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニツァの路上で暮らしているファディラ・シラヴォニクさんという52歳のホームレス女性がごみ箱をあさっていると、大量の紙幣が出てきた。日本円で5千万円ほどの大金である。

彼女の場合は、何も失うものはなかった。だから、黙って頂戴してしまうというオプションも有力だった。

しかし、さすがにこんなところに大金が落ちているのはおかしい。こんな美味しい話があるはずがない。偽札ではないか。そう思ったファディラさんは、紙幣を銀行に持ち込んで鑑定してもらうことにした。

本物の現金だった。応対した行員も不審に思ったのだろう。これだけの大金をどうやって手に入れたかを彼女に聞いた。彼女は、拾い物だと正直に答えた。

当然、行員は現金をファディラさんに返さずに、警察に届けた。

ファディラさんは、こんなふうに話している。「私の正直さが最後に報われるといいなあと思っています。お金が結局、私のものになれば、貧乏生活からおさらばできます」

一定期間内に落とし主が現れなければ全額、彼女のものになるのだろう。落とし主が現れても、謝礼が支払われるのだろう。

ところで、彼女は大金を見つけた直後は、自分のものにするつもりだったはずである。そうでなければ、まず最初に警察に届けたはずだし、「こんな幸運なことがあるはずはない。偽札ではないだろうか」などと思ったりもしなかっただろう。

頂戴するつもりだったなら、彼女は大きな戦略ミスを犯したとも言える。紙幣をすべて銀行に持ち込まず、その一部だけを行員に見せて鑑定してもらえばよかったのだ。全額こっそり自分のものにすることの善悪を度外視するなら、本末転倒なミスであったと言えるだろう。

本末転倒度7■■■■■■■□□□


そんな悪知恵が働かなかったのは、ファディラさんが確かに“正直”な証かもしれない。正直者は損をするとは言うが、具体的には、こういうシチュエーションが典型例かもしれない。

こういうケース、道徳・倫理的観点から言えば損をする方が正しいわけだが、倫理よりも損得を優先すると豪語したあの人は今、拘置所の中。

ま、倫理よりも損得を優先するのは資本主義社会の真実でもある。だから、20世紀終盤になって資本主義体制に移行したボスニア・ヘルツェゴビナで、最底辺の生活に甘んじているファディラさんに悪知恵が働かなかったのは、ある意味、象徴的なことなのかもしれない。




■ Source: Finders keepers, or so homeless woman thought (AFP)

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この記事へのコメント

1. Posted by     2009年07月31日 00:44
つまりネコばばが正解ってことですね
2. Posted by visit the next website   2014年05月11日 06:29
e-shisha なんでも評点:5000万円拾った貧しい女性、本物と信じられず銀行に持ち込んで全額没収される

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