クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:超肥満一家が合計635キロの減量に成功

2006年01月09日

超肥満一家が合計635キロの減量に成功


一家合わせて635キロの減量に成功するなんてことがありえるのだろうか? 100キロ超級が揃っているとしても、4人家族だったら全員が消滅しないと無理だ。しかし、フランス・ノルマンディー地方の北東沖に位置する英国領ガーンジー島には、現実に635キロの減量に成功した一家がいる。
厳密に言えば“一家”というより“一族”が正しいかもしれないが、うち9人が胃のバイパス手術を受け、合計635キロの減量に成功したのである。一家で最も体重が重かったのは、51歳のジョン・ソーンさんで、241キロあった。

最初に減量に成功したのは、ジョンさんの弟マーティンさんである。彼も222キロあった。彼は病院のポーターとして働いていた。

ある日のこと、マーティンさんは、年間200件もの胃バイパス手術を執刀しているマイケル・バンデンボッシュ医師から声を掛けられた。「肥満手術を受けてみたいと考えたことはありませんか?」

胃バイパス手術には死のリスクが1パーセントあると説明を受けたが、マーティンさんは決心した。そして術後1年で222キロから102キロまで痩せ、120キロの減量に成功したのである。

その結果を目の当たりにして、一家全員が感銘を受けた。彼らは、マーティンさんが手術を受けたのと同じプリンセス・エリザベス病院で次々と胃バイパス手術を受けた。

この一家の変身ぶりを一覧にまとめると次のようになる。

  • マーティン・ソーン(47歳)  222 kg→102 kg(▽102 kg)
    一家で最初に胃バイパス手術を受ける。

  • ジョン・ソーン(51歳)  241 kg→101 kg(▽140 kg)
    マーティンさんの兄。仕事ができないほどにまで肥満していたが、現在は職に就いている。糖尿病も消えてしまった。

  • アン・ブロンデル(49歳)  133 kg→98 kg(▽35 kg)
    マーティンさんの姉。減量後、さらなるシェイプアップを目指してジムに通い始めた。曰く「人に私だと気づかれないこともあるわ」。

  • クレア・ブロンデル(27歳)  140 kg→102 kg(▽38 kg)
    アンさんの娘。減量前、34歳の恋人カールさんにプロポーズされていたが、バージンロードを太った体でよたよた歩きしたくないと言って拒んでいた。だが、減量後、カールさんと式を挙げることに同意した。曰く「以前着ていた服は全部処分しちゃいました」

  • アンジェラ・ロールト(年齢不明)  102 kg→73 kg(▽29 kg)
    アンさんの義理の妹(または姉)。この一家で唯一、バイパス手術後に問題が生じた。胃を2つに分断しているステープルが外れ、病院に救急搬送された。敗血症に陥ったが現在は完全に回復している。

    アンジェラさんは、醸造技術者の夫ケビンさん(49歳)と暮らしており、27歳の娘ポーラがいる。アンジェラさん曰く「今では、毎日が楽しくて」。

  • スコット・ソーン(18歳)  140 kg→108 kg(▽32 kg)
    ジョンさんの息子。一家の中で手術を受けた最年少者である。曰く「手術を受けてよかったと思っています。手術を受ける前は、自分に自信がなくて、まともに人付き合いできませんでした。でも、今では自信を持って人とコミュニケーションできるようになりました」。

  • その他3名
    マーティンさんの妻リンダさん、いとこのウィリアムさん、ロバートさんも胃バイパス手術を受けた。詳細は不明。


National Obesity Forum(英国肥満フォーラム)のデビッド・ハスラム医師は、大変身したマーティンさん一家について、このようにコメントしている。「驚かされました。同じ家族の中で2人が手術を受けることさえ珍しいのに9人が手術を受けただなんて。この家族は、寿命が何年も延びたことになりますよ。何十年と言うべきかもしれませんが」

マーティンさんは言う。「私の知る限りでは全英を探しても(こんなに大変身したのは)うちの一家だけではないでしょうか」

この一家の減量ストーリーは、英国のテレビ番組『Discovery Home & Health』(1月10日放映)で取り上げられる。

本件は、当ブログで毎度お馴染み英国Sun紙のオンライン版がソースだが、下記のリンクをクリックして「術前」と「術後」の写真をぜひご覧になることをお勧めしたい。2枚の家族写真が掲載されているのだが、その変貌ぶりに驚かされる。別の家族にしか見えない。しかしながら、減量に成功したと言っても、まだ少し太めである。

最初に手術を受けたマーティンさんは、胃バイパス手術には死のリスクが1パーセントあると聞かされたようだが、最近、術後長期にわたる追跡調査を行ったところ、そのリスクがもっと高いかもしれないという調査結果が発表されている(参考:USATODAY.com - Doctors debate safety of obesity surgeries)。

なお、当ブログでしばしば参照している『メルクマニュアル家庭版』には、胃バイパス手術に関して、わかりやすい図解と共に次のような説明がある。

胃のバイパス手術では、ホチキスを使って胃を2つの部分に分けます。食物は胃部ポーチと呼ばれる上部の小さい方だけに入ります。小腸を切断し、切断部より下の小腸を胃部ポーチにつなぎます。それにより、胃の下部と小腸の上部がバイパスされます。その結果、一度に食べられる食物の量が劇的に減少し、吸収される量が少なくなります。切断した小腸の上の部分は、胃部ポーチにつないだ小腸のさらに下方につなぎ合わせます。この処置により、バイパスされた胃の部分でつくられた胃液が小腸に届き、食べものと混ざります。
【引用元】メルクマニュアル家庭版, 156 章 肥満


それにしても、9人合わせてのこととは言え、635キロもの脂肪が余分に蓄積されていたのだ。その635キロ分の脂肪がエネルギーとなって宙空に解放されたことを考えると、運動した後に感じるのと同質かも異質かもしれない“脱力感”を覚えてしまう。

脱力度7■■■■■■■□□□





■ Source: The Sun Online - Fat family lose 100 stone

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2. ケタ外れのダイエット〜635kgの減量に成功した一族  [ ボビーといっしょに ]   2006年01月09日 22:13
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