2006年01月03日
インド中央部のマドヤ・パラデシュ州で、二人の少女ジョティとサヴィタが姿をくらました。心配した両家の親が管轄のパラシア警察署に捜索願いを出しに出向いた。何としても娘を探し出して欲しかった。しかし、探すまでもなく、ジョティとサヴィタはパラシア警察署で保護されていた。
一件落着・・・だったら記事にならない。ジョティとサヴィタは、家に帰ることを拒否した。そもそも二人揃って姿を消したのは、これから一生、二人寄り添って生きていくことを決心したからだった。つまり、二人は駆け落ちしたのである。
ジョティとサヴィタは、もともと家が近所だったが5年前から親しくなった。少女二人があまりに仲良しすぎるので、どちらの少女の両親もガミガミ叱った。でも二人の関係は深まる一方だった。
二人が家出する10日ほど前、ジョティは両親が自分の結婚の段取りを進めていることを知った。相手は、ウッタルプラデシ州在住の若者である。つまり、親が許婚を決めてしまったのである。
ジョティはそれに抵抗し、「これから一生涯、サヴィタと二人で暮らして生きたい」と自分の決意を親に告げた。
両親はそれを聞いて激怒。ジョティを家に閉じ込めた。軟禁10日目にジョティは家から脱出に成功。サヴィタと手に手を取り合って逃亡。彼女たちは、パラシア警察署を避難先に選んだ。
インドでは、階級を超えた結婚や、親の意に沿わない結婚をしようとした娘が父親や兄弟の手によって危められるという事件が頻発している。ジョティとサヴィタの二人は、命がけで逃亡したと言っていいだろう。
しかも、この二人は、実際の関係がどうなのかは不明だが、世間的には同性愛者という扱いになる。親に逆らったことに加え、同性愛者(インドでは迫害の対象になる)というレッテルが貼られる二人が安住の場所を見つけるのはたやすいことではない。だから二人は警察署に保護を求めたのだった。
サヴィタは言う。「私たちは、これから二人で暮らしていきます。両親が私たちを引き離そうとするなら、裁判所に助けを求めようと思っています」
ジョティとサヴィタの二人は、既に学校を卒業しており、何らかの職に就いて暮らしていきたいと考えている。
パラシア警察署は、これまで前例がない事態とあって困惑気味。「現在、二人の年齢確認を慎重に進めています。この二人が成人年齢に達している場合は、何らかの犯罪に関わったわけでもないので、当署は何もできません」
「二人が一緒に暮らすのは自由です。しかし、親兄弟から危害を加えられるおそれがあるため、慎重に見守りたいと思います」
上記は、昨年末にIndo-Asian News Serviceが伝えたニュースが元になっているが、正月早々、インドで恐るべき事件が起きている。
ウッタルプラデシ州で、昨年12月、ナルギスという名の女性が自分よりカ―ストの低い男性と駆け落ちして結婚した。だがナルギスの兄ナウシャドがそのことに激怒。兄ナウシャドは妹ナルギスを襲い、首をはねようとしたが、未遂に終わり逃走した。
ナルギスは首に怪我を負って病院に搬送されたが、致命傷ではなく、回復しつつあった。ところが、1月1日の夜、逃走中のナウシャドがナルギスの病室に現れ、彼女の頚部を一刀両断にしてしまった。犯行後、再び逃走し、まだ警察が行方を追っているという。
インドでは駆け落ちも命がけなのだ。もちろん、危害を加えた者には厳罰が待っている(中東の場合は、名誉を守るという大義名分の下で正当化されるケースもあるわけだが)。だが、日本やその他の先進諸国ほど中央政府や州政府の法治権が強くないことは、これまでも当ブログで取り上げてきたとおりである。
日本では、タブーやしきたりに反する行動をとっても法に触れていなければ罰せられることもなく、それを理由に危害を加えられるリスクも低い。上記のような話を聞くと、法治国家で暮らしていることの“ありがたみ”を痛感する。
■ Sources:
【関連記事】
ジョティとサヴィタは、もともと家が近所だったが5年前から親しくなった。少女二人があまりに仲良しすぎるので、どちらの少女の両親もガミガミ叱った。でも二人の関係は深まる一方だった。
二人が家出する10日ほど前、ジョティは両親が自分の結婚の段取りを進めていることを知った。相手は、ウッタルプラデシ州在住の若者である。つまり、親が許婚を決めてしまったのである。
メモ: 日本でも、昔は子供の結婚相手を親が決めることがよくあった。現代日本語では、“許婚”(いいなずけ)という言葉を“婚約者”とほぼ同義で使用している。しかし、中世のある時期から、2つの家の間で互いの子供を将来結婚させることを約束するという意味で“言い名付く”という言葉が使われた。こうして幼いころから定められている結婚相手のことを“いいなずけ”と呼ぶようになった。
ジョティはそれに抵抗し、「これから一生涯、サヴィタと二人で暮らして生きたい」と自分の決意を親に告げた。
両親はそれを聞いて激怒。ジョティを家に閉じ込めた。軟禁10日目にジョティは家から脱出に成功。サヴィタと手に手を取り合って逃亡。彼女たちは、パラシア警察署を避難先に選んだ。
インドでは、階級を超えた結婚や、親の意に沿わない結婚をしようとした娘が父親や兄弟の手によって危められるという事件が頻発している。ジョティとサヴィタの二人は、命がけで逃亡したと言っていいだろう。
しかも、この二人は、実際の関係がどうなのかは不明だが、世間的には同性愛者という扱いになる。親に逆らったことに加え、同性愛者(インドでは迫害の対象になる)というレッテルが貼られる二人が安住の場所を見つけるのはたやすいことではない。だから二人は警察署に保護を求めたのだった。
サヴィタは言う。「私たちは、これから二人で暮らしていきます。両親が私たちを引き離そうとするなら、裁判所に助けを求めようと思っています」
ジョティとサヴィタの二人は、既に学校を卒業しており、何らかの職に就いて暮らしていきたいと考えている。
パラシア警察署は、これまで前例がない事態とあって困惑気味。「現在、二人の年齢確認を慎重に進めています。この二人が成人年齢に達している場合は、何らかの犯罪に関わったわけでもないので、当署は何もできません」
「二人が一緒に暮らすのは自由です。しかし、親兄弟から危害を加えられるおそれがあるため、慎重に見守りたいと思います」
上記は、昨年末にIndo-Asian News Serviceが伝えたニュースが元になっているが、正月早々、インドで恐るべき事件が起きている。
ウッタルプラデシ州で、昨年12月、ナルギスという名の女性が自分よりカ―ストの低い男性と駆け落ちして結婚した。だがナルギスの兄ナウシャドがそのことに激怒。兄ナウシャドは妹ナルギスを襲い、首をはねようとしたが、未遂に終わり逃走した。
ナルギスは首に怪我を負って病院に搬送されたが、致命傷ではなく、回復しつつあった。ところが、1月1日の夜、逃走中のナウシャドがナルギスの病室に現れ、彼女の頚部を一刀両断にしてしまった。犯行後、再び逃走し、まだ警察が行方を追っているという。
インドでは駆け落ちも命がけなのだ。もちろん、危害を加えた者には厳罰が待っている(中東の場合は、名誉を守るという大義名分の下で正当化されるケースもあるわけだが)。だが、日本やその他の先進諸国ほど中央政府や州政府の法治権が強くないことは、これまでも当ブログで取り上げてきたとおりである。
日本では、タブーやしきたりに反する行動をとっても法に触れていなければ罰せられることもなく、それを理由に危害を加えられるリスクも低い。上記のような話を聞くと、法治国家で暮らしていることの“ありがたみ”を痛感する。
ありがたみ8 | ■■■■■■■■□□ |
■ Sources:
- Lesbian lovers fight to be together! (Indo-Asian News Service)
- Man be heads his sister (AFP)
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1. ここは酷い複雑スレですね [ 障害報告@webry ] 2006年01月04日 21:07
そういえば垂水JCTのペーパークラフトを複雑なIC・JCTスレに通報しようと思って複雑でスレタイ検索
そしていくつか面白そうなスレみつけた
この記事へのコメント
1. Posted by 月月 2006年01月18日 20:55
別に政治が法律に基づいていない訳ではないし,法律に従いさえすれば許される――治者・国民はまず法律に従い行動すべきであるという概念は,どちらかと言えば法の支配では?
3. Posted by Lily 2007年02月08日 07:20

4. Posted by Suggested Reading 2014年05月10日 18:40
e-cigarette reviews なんでも評点:手に手を取って駆け落ちした少女二人が警察署を避難先に選んだ理由(インド)