2005年12月27日
12月19日のこと、ブラジルのサンパウロ郊外でティアーゴ君という9歳の男の子が忽然と姿を消した。ティアーゴ君は11人兄弟の末っ子。農場で働いているお父さんにお昼の弁当を届けに行ったまま戻らなかった。
その日から、父ベネディト・フェリックス・アパレシード・デソーザさんの必死の捜索が始まる。農場での仕事も辞めてしまった。息子は、どこかにいるはずだ。そう信じて来る日も来る日もティアーゴ君を探し続けた。
そして捜索開始から1週間目の12月25日、まさにクリスマスのその日に奇跡が起こった。ティアーゴ君は、なんと深さ20メートルもある古井戸の底に落ちていた。井戸の入り口は藪に覆われていたが、父ベネディトさんが、息子の名を呼びながら、ちょうどその近くを通りかかったのである。
ティアーゴ君は父の声を聞き、衰弱した体に残された最後の力を振り絞って父を呼び返した。
「息子を発見した瞬間、熱いものがこみ上げてきました」と父は地元のTV局の取材に答えている。
現場にレスキュー隊が到着し、深さ20メートルの井戸の底からティアーゴ君を救い出した。ティアーゴ君がレスキュー隊員に話したところによると、彼は一週間、雨水を飲んで飢えを凌いでいた。井戸は涸れていたのだろう。
ティアーゴ君は地元の病院に搬送され、集中治療室に収容された。疲労と飢えのため衰弱しているが、骨折はしていないという。
たぶん、ほかの家族も血眼になってティアーゴ君を探していただろう。だが、日本のように幼い子が姿を消したからといって大掛かりな捜索隊が結成されたわけではないのかもしれない。
ティアーゴ君が11人兄弟の末っ子であることからもわかるように、ラテンアメリカは子供の数が多いのだ。少子化が進んでいる日本とは違う。親が貧乏なため、ストリートに捨てられる子供たちも多い。
だが、仕事をやめてまで捜索を続けたことからも察せられるように、ティアーゴ君の父ベネディトさんは11人もいる子供の誰一人として失いたくなかったのだろう。
■ Source: Boy survives week in well (AFP)
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そして捜索開始から1週間目の12月25日、まさにクリスマスのその日に奇跡が起こった。ティアーゴ君は、なんと深さ20メートルもある古井戸の底に落ちていた。井戸の入り口は藪に覆われていたが、父ベネディトさんが、息子の名を呼びながら、ちょうどその近くを通りかかったのである。
ティアーゴ君は父の声を聞き、衰弱した体に残された最後の力を振り絞って父を呼び返した。
「息子を発見した瞬間、熱いものがこみ上げてきました」と父は地元のTV局の取材に答えている。
現場にレスキュー隊が到着し、深さ20メートルの井戸の底からティアーゴ君を救い出した。ティアーゴ君がレスキュー隊員に話したところによると、彼は一週間、雨水を飲んで飢えを凌いでいた。井戸は涸れていたのだろう。
ティアーゴ君は地元の病院に搬送され、集中治療室に収容された。疲労と飢えのため衰弱しているが、骨折はしていないという。
不幸中の幸い度10 | ■■■■■■■■■■ |
たぶん、ほかの家族も血眼になってティアーゴ君を探していただろう。だが、日本のように幼い子が姿を消したからといって大掛かりな捜索隊が結成されたわけではないのかもしれない。
ティアーゴ君が11人兄弟の末っ子であることからもわかるように、ラテンアメリカは子供の数が多いのだ。少子化が進んでいる日本とは違う。親が貧乏なため、ストリートに捨てられる子供たちも多い。
だが、仕事をやめてまで捜索を続けたことからも察せられるように、ティアーゴ君の父ベネディトさんは11人もいる子供の誰一人として失いたくなかったのだろう。
■ Source: Boy survives week in well (AFP)
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1. [テキスト]一週間も探し続けて、ついに息子を井戸の底から救い出した父の“ど根性”(なんでも評点様) [ 北北南南西東西東晩朝 ] 2005年12月29日 10:11
感動的なお話と奇跡の到来に、心打たれました。 お父さんの懸命な捜索が実って、本当に良かったと心から思いますね! 最近の日本では、思わず目を覆ってしまうような事件が多発していますが、こういった気持ちはずっと忘れずに持っておきたいと思います。