2005年12月21日
オリンピックに引き続き、同一開催都市でパラリンピックが開催される。これと同じように、フィリピンのマニラでは東南アジア競技大会2005に引き続き、アジアン・パラゲーム2005が12月14日から20日の1週間にわたって開催された。東南アジア11カ国から1000人以上のエントリーがあった。
タイからも総勢164人の選手団が送り込まれた。その中に、22歳の女性陸上選手ワンナ・ラディーさんがいた。彼女は、右足に障害を持っているが、投てき競技を専門としている。今回の大会では、素晴らしい成績をあげることができた。
ワンナ・ラディーさんは、円盤投げで金メダル、砲丸投げで銅メダルを獲得したのである。
しかし、まだ開催期間中の12月19日のこと、ワンナさんがオフィシャルたちに腹痛を訴えた。かなり痛そうにしていたので、ただちにマニラ市内の病院に運ばれた。医師が診断する間でもなかった。
彼女が腹痛と訴えていたのは、陣痛だった。健康な赤ちゃんが生まれた。女の子だった。メダル獲得のわずか2日後のことである。
タイ・スポーツ公社のジャトゥラポルン・ナ・ナコルン次長は、こう語っている。「タイ選手団のスタッフからこの話を聞かされた直後は、あぜんとして声も出ませんでした。金メダルを獲得した女性選手がそのわずか2日後に赤ちゃんを出産したなんて」
ワンナ・ラディーさん当人は、当然のことながら、自分が妊娠していることを知っていた。だが、誰にも妊娠を知らせなかった。赤ん坊が生まれるというのに、お金がない。だから、絶対にメダルを獲得して、スポーツ公社から報奨金を貰う必要があったのだと。
ワンナさんは、病院でタイのラジオ局のインタビューを受け、こう話している。「これから生まれてくる赤ちゃんのために、報奨金が必要でした。だから、自分が妊娠していることを誰にも教えなかったんです」
ワンナさんは、妊娠8ヶ月の身でありながら競技に参加したのだった。
スポーツ公社のジャトゥラポルン次長によると、円盤投げの金メダルと砲丸投げの銅メダルの両方をあわせて、5万バーツ(日本円で14万円ほど)の報奨金がワンナさんに与えられることになるという。
まさに“母は強し”である。拍手喝采を送りたい。
しかしながら、タイ・スポーツ公社は、オフィシャルたちが妊娠8ヶ月目の女性を妊婦だと気づかずに競技に参加させたことを大いに疑問視している。さらに、開催国フィリピンがドーピング検査を行わなかったことを咎めている。尿検査を実施していれば、ワンナさんが妊娠していることが判明したはずではないかと。
ま、オフィシャルたちが外見だけでワンナさんを妊婦と見抜けなかったのは、ほとんど不可抗力のようなものではないだろうか。
この間のオリンピックでも、女子の砲丸投げ/円盤投げ競技をテレビで観戦した人は多いと思う。みんな肉付きがよいわけだから、そんな中に妊婦が一人混じっていても見分けられるものではない。「あなたは妊娠中?」なんてことを下手に聞いたら、侮辱行為と受け取られかねないし。
タイ・スポーツ公社は、ワンナさんの“偉業”に水を差すようなことをあまり言わない方がよいのではないだろうか。ましてや報奨金を取り消すなんてことは絶対にすべきではない。ワンナさんの“けなげさ”を率直にたたえてあげれば、いっそうのスポーツ振興に繋がると思う。
■ Source: Athlete gets medal before baby (AP)
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ワンナ・ラディーさんは、円盤投げで金メダル、砲丸投げで銅メダルを獲得したのである。
しかし、まだ開催期間中の12月19日のこと、ワンナさんがオフィシャルたちに腹痛を訴えた。かなり痛そうにしていたので、ただちにマニラ市内の病院に運ばれた。医師が診断する間でもなかった。
彼女が腹痛と訴えていたのは、陣痛だった。健康な赤ちゃんが生まれた。女の子だった。メダル獲得のわずか2日後のことである。
タイ・スポーツ公社のジャトゥラポルン・ナ・ナコルン次長は、こう語っている。「タイ選手団のスタッフからこの話を聞かされた直後は、あぜんとして声も出ませんでした。金メダルを獲得した女性選手がそのわずか2日後に赤ちゃんを出産したなんて」
ワンナ・ラディーさん当人は、当然のことながら、自分が妊娠していることを知っていた。だが、誰にも妊娠を知らせなかった。赤ん坊が生まれるというのに、お金がない。だから、絶対にメダルを獲得して、スポーツ公社から報奨金を貰う必要があったのだと。
ワンナさんは、病院でタイのラジオ局のインタビューを受け、こう話している。「これから生まれてくる赤ちゃんのために、報奨金が必要でした。だから、自分が妊娠していることを誰にも教えなかったんです」
ワンナさんは、妊娠8ヶ月の身でありながら競技に参加したのだった。
スポーツ公社のジャトゥラポルン次長によると、円盤投げの金メダルと砲丸投げの銅メダルの両方をあわせて、5万バーツ(日本円で14万円ほど)の報奨金がワンナさんに与えられることになるという。
まさに“母は強し”である。拍手喝采を送りたい。
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しかしながら、タイ・スポーツ公社は、オフィシャルたちが妊娠8ヶ月目の女性を妊婦だと気づかずに競技に参加させたことを大いに疑問視している。さらに、開催国フィリピンがドーピング検査を行わなかったことを咎めている。尿検査を実施していれば、ワンナさんが妊娠していることが判明したはずではないかと。
ま、オフィシャルたちが外見だけでワンナさんを妊婦と見抜けなかったのは、ほとんど不可抗力のようなものではないだろうか。
この間のオリンピックでも、女子の砲丸投げ/円盤投げ競技をテレビで観戦した人は多いと思う。みんな肉付きがよいわけだから、そんな中に妊婦が一人混じっていても見分けられるものではない。「あなたは妊娠中?」なんてことを下手に聞いたら、侮辱行為と受け取られかねないし。
タイ・スポーツ公社は、ワンナさんの“偉業”に水を差すようなことをあまり言わない方がよいのではないだろうか。ましてや報奨金を取り消すなんてことは絶対にすべきではない。ワンナさんの“けなげさ”を率直にたたえてあげれば、いっそうのスポーツ振興に繋がると思う。
■ Source: Athlete gets medal before baby (AP)
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こんな記事のブログをを発見した
2. Today TrackBack [ B-NEWS JAPAN ] 2005年12月22日 11:11
Good News
3. 22歳女性が妊娠を隠して円盤投げで金メダル獲得、2日後に出産 [ じっぷろぐ ] 2005年12月24日 14:59
http://rate.livedoor.biz/archives/50136528.html(everything is gone) ええ!?妊娠8ヶ月だったそうですが当然のことながら、自分が妊娠していることを知っていた。だが、誰にも妊娠を知らせなかった。赤ん坊が生まれるというのに、お金がない。だから、絶対にメダルを....
この記事へのコメント
2. Posted by nanasi 2007年01月30日 20:24
昔の記事だけど
ドーピング検査もせず、そして妊娠中の身体能力強化という現象を多分に受けている上での優勝というのは
果たして「偉業」と言えるんだろうか?
様々な競技で女性が優秀な成績を残した後、堕胎するという事例は多い
尤も彼女は出産したのだろうけど
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3. Posted by Read Alot more 2014年05月09日 22:27
e-liquide なんでも評点:22歳女性が妊娠を隠して円盤投げで金メダル獲得、2日後に出産
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