2005年12月21日
ネパール東端のジャパ郡で暮らしているインドラ・クマール・カリコテさんという男性のもとに、政府から一通の手紙が届いた。彼の娘ジュマさんがサウジアラビアの首都リヤドで仕事中に亡くなったという驚愕の訃報だった。
手紙には、現地のネパール王国大使館により、ジュマさんの身元が確認されたと書かれていた。そして、既にジュマさんの遺体がカトマンズに到着しているので、引き取りに来てくれと言う。
カリコテさんは、この知らせを聞いて、これっぽっちも悲しいとは思わなかった。確かに“驚愕の訃報”ではあったが、驚愕の理由が違う。ありえないことだったからである。
誰よりも開いた口が塞がらなかったのは当のジュマさんだった。彼女はサウジアラビアで働いてなんかおらず、ずーっとカリコテさんのそばで健康に暮らしている。
ジュマさんは、Himalayan Times紙の記者にこう話している。「ここでぴんぴんしている私の死体がカトマンズに到着ですって? びっくり仰天ですわ」
同一人物の肉体がこの世に2つ存在し、その一方が死んで、もう片方は生きている・・・なんてことはありえない。だが、同一人物のアイデンティティを複製または偽造して、この世に複数存在させることは可能である。
リヤドで死んだ別人は、ジュマさんに成りすましていたことになる。ジュマさんのパスポートが偽造されたのではないか。ジュマさんたちは、憤慨して地元当局に苦情を申し立てた。
最近、ネパールでパスポートとビザの偽造が横行していることが国際社会から問題視されるようになってきている。12月19日、ビザ申請文書の偽装が増えているという警告が在ネパール米国大使館から出されたほどである。
政府当局が再調査したところ、リヤドで亡くなった女性のパスポート番号は1278963だった。これに対し、ジュマさんのパスポート番号は1278936である。一目では違いが分かりづらいが、下2桁の順序が逆である。しかし、その他の個人情報はジュマさんのものと一致していたようだ(写真を別として)。
まあしかし、偽造パスポートを使用してジュマさんに成りすましていたと思われる女性が不慮の死を遂げたからこそ、本件が発覚した。仮にその女性がずーっと健在であり続けたとしたら、いつまでも成りすましが発覚しなかったかもしれない。
ジュマさんにしたら、“自分が死んだ”という知らせを聞かされたことに伴う驚きよりも、自分に成りすましていた人物が存在していたと知った驚きの方がはるかに大きかっただろう。かなり気味の悪い部類の青天の霹靂である。
この8月に、インドマフィアの親玉バブロー・スリヴァスタヴァ(現在服役中)の自叙伝が出版された。この自叙伝によると、ネパールのサリム・ミヤ・アンサリ林野大臣と、ネパール野党Nepal Sadbhavana Party (Anandi) の有力メンバーの一人であるフリダイェシュ・トリパチがバブロー・スリヴァスタヴァの手下のために偽造文書を用意していてくれたという。
■ Source: Living woman's 'dead body' turns up! (Indo-Asian News Service)
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カリコテさんは、この知らせを聞いて、これっぽっちも悲しいとは思わなかった。確かに“驚愕の訃報”ではあったが、驚愕の理由が違う。ありえないことだったからである。
誰よりも開いた口が塞がらなかったのは当のジュマさんだった。彼女はサウジアラビアで働いてなんかおらず、ずーっとカリコテさんのそばで健康に暮らしている。
ジュマさんは、Himalayan Times紙の記者にこう話している。「ここでぴんぴんしている私の死体がカトマンズに到着ですって? びっくり仰天ですわ」
同一人物の肉体がこの世に2つ存在し、その一方が死んで、もう片方は生きている・・・なんてことはありえない。だが、同一人物のアイデンティティを複製または偽造して、この世に複数存在させることは可能である。
リヤドで死んだ別人は、ジュマさんに成りすましていたことになる。ジュマさんのパスポートが偽造されたのではないか。ジュマさんたちは、憤慨して地元当局に苦情を申し立てた。
最近、ネパールでパスポートとビザの偽造が横行していることが国際社会から問題視されるようになってきている。12月19日、ビザ申請文書の偽装が増えているという警告が在ネパール米国大使館から出されたほどである。
政府当局が再調査したところ、リヤドで亡くなった女性のパスポート番号は1278963だった。これに対し、ジュマさんのパスポート番号は1278936である。一目では違いが分かりづらいが、下2桁の順序が逆である。しかし、その他の個人情報はジュマさんのものと一致していたようだ(写真を別として)。
まあしかし、偽造パスポートを使用してジュマさんに成りすましていたと思われる女性が不慮の死を遂げたからこそ、本件が発覚した。仮にその女性がずーっと健在であり続けたとしたら、いつまでも成りすましが発覚しなかったかもしれない。
ジュマさんにしたら、“自分が死んだ”という知らせを聞かされたことに伴う驚きよりも、自分に成りすましていた人物が存在していたと知った驚きの方がはるかに大きかっただろう。かなり気味の悪い部類の青天の霹靂である。
青天の霹靂度8 | ■■■■■■■■□□ |
この8月に、インドマフィアの親玉バブロー・スリヴァスタヴァ(現在服役中)の自叙伝が出版された。この自叙伝によると、ネパールのサリム・ミヤ・アンサリ林野大臣と、ネパール野党Nepal Sadbhavana Party (Anandi) の有力メンバーの一人であるフリダイェシュ・トリパチがバブロー・スリヴァスタヴァの手下のために偽造文書を用意していてくれたという。
■ Source: Living woman's 'dead body' turns up! (Indo-Asian News Service)
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1. 今日のニュース [ WorldBlogNews ] 2005年12月21日 11:02
こんな記事のブログをを発見した
この記事へのコメント
1. Posted by see page 2014年05月11日 18:58
volcano ecig なんでも評点:ネパールで元気に生きている女性の死体がサウジで見つかる