2005年12月15日
ケニアには、HIV感染者が少なくとも250万人いると言われている。特に、ビクトリア湖畔のニャンザ州キスム市とその周辺の低地は、ケニアで最も人口密度が高く、世界有数の高HIV感染率地域である。ところが、この地域では摩訶不思議な現象が観測されている。
長年、夫婦関係を続けているにも関わらず、夫婦間でHIVが伝染していないケースが40パーセントに上るという調査結果が出ている。英国の研究者たちは、このような夫婦の存在に注目しており、“discordant couple”([感染の有無が]不一致なカップル)と呼んでいる。英国政府は、これらのdiscordant couplesの調査研究の費用として40万ポンドを供与することを決定した。
つまり、HIVポジティブのパートナーと長年夫婦関係を続けているにも関わらず、HIVに感染していない人たちが40パーセントもいるということになる。しかも、その大多数は、コンドームなどでプロテクトせずに営んでいる。
さらに、この地域の多数派を占めるルオ族は、最近の調査でHIV感染を抑える効果があるとされている包皮切除を忌み嫌っている。さらに、夫婦のうち夫が先に死んだ場合は、夫の兄弟が妻を“相続”する風習がある。これらも、HIV感染のリスクを高める要因になるはずである。
また、自分がポジティブであることを知りながら、配偶者に知らせていないケースが多い。たとえば、キスムから55マイル西のボンドに住んでいる交易業者のマーク・マイザーさん(25歳)は、2000年に妻ジュディスと入籍した翌年、HIVポジティブと診断された。しかし、彼はそのことを妻に告げずに、プロテクトせずに夫婦の営みを持ち続けた。
「もし彼女に話したら、逃げられてしまうのではないかと怖れていました」と彼はThe Daily Telegraph紙に語っている。
「でも、このままでは妻に感染してしまう危険性があることは認識していました。2003年に妻と一緒に検査を受けに行きました。その時点では、自分がポジティブだと知っていることを妻に隠しておきました。そして、驚くべきことに、妻の検査結果はネガティブだったのです。私は、自分たちが幸運であったことを感謝し、これからは彼女がHIVに感染しないように、ルールを守ろうと心に誓いました」
妻のジュディスさん(22歳)は、2年後に受けた2回目の検査でもネガティブだった。夫婦は、子供を作るという計画を棚上げにし、現在はコンドームを使用している。
ニャンザ州のチーフ・メディカルオフィサーを務めているジェームズ・ゲサミ医師は、こう話している。「“discordant couple”([感染の有無が]不一致なカップル)に関してはまだまだ未調査な部分が多いのですが、いくつか考えられることがあります」
「たとえば、この地域には遠隔地まで働きに出る夫が多いのです。2ヶ月に1度とか、1年に1度しか妻に会えない夫もいます。そういう場合は、夫婦の営みを持つ頻度が低いことになります」
「また、夫婦の営みが、あまり激しくないのかもしれません。あるいは、新たに感染した方の配偶者がまだ検査に引っ掛かりにくい段階で調査が行われたのかもしれません」
しかし、2003年に、このような“不一致カップル”14組を対象にして行われた研究では、「未感染側の配偶者の免疫系は、感染側の配偶者よりも効果的にHIVウイルスを攻撃できるので、彼ら(彼女ら)はネガティブであり続けている」という結論が出されている。しかも、未感染側の配偶者は、感染側の配偶者に比べて、HIVへの免疫反応が低いという。
また、以前にナイロビ市の娼婦たちを対象にして実施された調査では、HIV感染のリスクが最も高いと思われる環境で働いているにも関わらず、ネガティブを維持している女性が無視できない数に上った。これらの女性たちも、HIVに対する抵抗力を持っているとされている。
ともあれ、上記のマーク・マイザーさん(25歳)さんは、二人で検査を受けに行き、妻がネガティブを維持していることを知って、ほっと胸を撫で下ろしたことだろう。これも一種の不幸中の幸いと表現すべきか。
マイザーさんは新聞の取材でも告白しているように、自分がポジティブだと知りながら隠していたことを妻に告白したのだろうか? それでも許してもらえたのだったら、二人はdiscordant(不一致)でありながら固い絆で結ばれているのかもしれない。
しかし、自分がポジティブと知りながらアンプロテクトな営みを続けたのは、かなり無責任。下記の関連記事(「Tバック」の記事)にもあるように、同じ理由で逮捕される人もいるのである。
■ Source: Telegraph - Health - Britain funds study into mystery of the fishermen's wives who never catch Aids
【関連記事】
つまり、HIVポジティブのパートナーと長年夫婦関係を続けているにも関わらず、HIVに感染していない人たちが40パーセントもいるということになる。しかも、その大多数は、コンドームなどでプロテクトせずに営んでいる。
さらに、この地域の多数派を占めるルオ族は、最近の調査でHIV感染を抑える効果があるとされている包皮切除を忌み嫌っている。さらに、夫婦のうち夫が先に死んだ場合は、夫の兄弟が妻を“相続”する風習がある。これらも、HIV感染のリスクを高める要因になるはずである。
また、自分がポジティブであることを知りながら、配偶者に知らせていないケースが多い。たとえば、キスムから55マイル西のボンドに住んでいる交易業者のマーク・マイザーさん(25歳)は、2000年に妻ジュディスと入籍した翌年、HIVポジティブと診断された。しかし、彼はそのことを妻に告げずに、プロテクトせずに夫婦の営みを持ち続けた。
「もし彼女に話したら、逃げられてしまうのではないかと怖れていました」と彼はThe Daily Telegraph紙に語っている。
「でも、このままでは妻に感染してしまう危険性があることは認識していました。2003年に妻と一緒に検査を受けに行きました。その時点では、自分がポジティブだと知っていることを妻に隠しておきました。そして、驚くべきことに、妻の検査結果はネガティブだったのです。私は、自分たちが幸運であったことを感謝し、これからは彼女がHIVに感染しないように、ルールを守ろうと心に誓いました」
妻のジュディスさん(22歳)は、2年後に受けた2回目の検査でもネガティブだった。夫婦は、子供を作るという計画を棚上げにし、現在はコンドームを使用している。
ニャンザ州のチーフ・メディカルオフィサーを務めているジェームズ・ゲサミ医師は、こう話している。「“discordant couple”([感染の有無が]不一致なカップル)に関してはまだまだ未調査な部分が多いのですが、いくつか考えられることがあります」
「たとえば、この地域には遠隔地まで働きに出る夫が多いのです。2ヶ月に1度とか、1年に1度しか妻に会えない夫もいます。そういう場合は、夫婦の営みを持つ頻度が低いことになります」
「また、夫婦の営みが、あまり激しくないのかもしれません。あるいは、新たに感染した方の配偶者がまだ検査に引っ掛かりにくい段階で調査が行われたのかもしれません」
しかし、2003年に、このような“不一致カップル”14組を対象にして行われた研究では、「未感染側の配偶者の免疫系は、感染側の配偶者よりも効果的にHIVウイルスを攻撃できるので、彼ら(彼女ら)はネガティブであり続けている」という結論が出されている。しかも、未感染側の配偶者は、感染側の配偶者に比べて、HIVへの免疫反応が低いという。
注: ソース記事は、この研究のことに簡単に触れているだけで、その根拠や実験方法は不明である。該当する論文をネットで探し出せるかもしれないが、さすがに大変なのでやめておく。
また、以前にナイロビ市の娼婦たちを対象にして実施された調査では、HIV感染のリスクが最も高いと思われる環境で働いているにも関わらず、ネガティブを維持している女性が無視できない数に上った。これらの女性たちも、HIVに対する抵抗力を持っているとされている。
注:上記に関しては、「ナイロビ + HIV + 娼婦 + 抵抗力」でググると関連する日本語情報がヒットする。
ともあれ、上記のマーク・マイザーさん(25歳)さんは、二人で検査を受けに行き、妻がネガティブを維持していることを知って、ほっと胸を撫で下ろしたことだろう。これも一種の不幸中の幸いと表現すべきか。
不幸中の幸い度8 | ■■■■■■■■□□ |
マイザーさんは新聞の取材でも告白しているように、自分がポジティブだと知りながら隠していたことを妻に告白したのだろうか? それでも許してもらえたのだったら、二人はdiscordant(不一致)でありながら固い絆で結ばれているのかもしれない。
しかし、自分がポジティブと知りながらアンプロテクトな営みを続けたのは、かなり無責任。下記の関連記事(「Tバック」の記事)にもあるように、同じ理由で逮捕される人もいるのである。
■ Source: Telegraph - Health - Britain funds study into mystery of the fishermen's wives who never catch Aids
【関連記事】
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1. パートナーがHIVポジティブなのに感染していない人が40パーセント? [ Gay News−ゲイニュース(同性愛関係ネタ)@まとめ− ] 2005年12月15日 05:02
記事元→なんでも評点
食べ物とか違うしね。
あと先進国の人の体内には寄生虫がほとんど居ません。
花粉症も寄生虫が関係しているらしいしさぁ、、、
>長年夫婦関係を続けてい