2005年12月02日
終わった後で、疲れて眠りに落ちてしまう。これはごく普通である。その最中に眠りに落ちてしまい、続行不能になる。これもまあ、運転中の話ではなく性行為中の話なら特に心配するほどのことでもないだろう。
だが、眠りに落ちているにも関わらず性行為を続行してしまう場合や、眠っているのに性行為を開始してまう場合は、夢遊病に似た睡眠障害の一種を患っている可能性がある。
カナダのトロント大学、オタワ大学、トロント・ウェスタン病院の合同研究チームでは、このような異常行動を持つ患者たちを“sexomnia(以下「セクソムニア」)”と呼んでいる。ここで言う性行為には、パートナーとの交わりのほか、自慰も含まれる。眠っている間に自慰をする癖がある人は“セクソムニア”である。
もっとも、パートナーがいないと“セクソムニア”は発覚しにくい。カナダの研究チームが行った聞き取り調査によると、“セクソムニア”患者が眠りながら行為を続けていることをパートナーがちゃんとわかっていることが多い。中には、眠っている相手と交わることも、それなりに楽しいと答える人もいた。
だが眠っているときは、“セクソムニア”患者が別人になると感じているパートナーもいる。普段より優しく丁寧になると答えたケースと、その逆に乱暴になると答えたケースがあった。
“セクソムニア”患者のパートナーが同意の上で応じている場合は何の問題もない。だが、“セクソムニア”患者が交わろうとした(あるいは交わってしまった)相手が同意していない場合は、どうなるだろう?
カナダ・トロントの裁判所で、33歳の造園師の男性に無罪判決が下りた。彼は、相手の同意を得ぬまま性交渉を持ったとして訴えられていたのである。
造園師が訴えられた経緯はこうである。彼は、あるパーティで知り合った女性と意気投合し、大量に酒を飲んだ後、女性と共に帰宅した。やがて、二人はカウチの上で眠りに落ちてしまった。
ふと女性が自分の体に異変を感じ目を覚ました。造園師が彼女に何の断りもなく、性行為を開始していた。彼女は造園師を振りほどいた。造園師は、そこで初めて眠りから覚めた(とされる)。
造園師が法廷で証言したところによると、トイレに行って自分の持ち物にコンドームが着用されていることに気づくまで、まさか自分が彼女と性行為に及んでいたとは思いもしなかったという。
法廷には、造園師を診察した睡眠専門医が証人として呼ばれ、次のように証言した。
「被告男性は、睡眠中に性行動が発生する夢遊病の一種、セクソムニアを患っています。この病気は、アルコール、睡眠不足、遺伝疾患などが原因で発症します」
「さらに、被告男性は、これまでにも合わせて4人のガールフレンドと“スリープセックス”に至ったことがあります」
この証言が決め手となって無罪判決が下りた。
だが、女性団体が黙っているはずがない。ある団体のメンバーは新聞の取材を受けて、こう話している。
「こんな腹立たしいことはありません。裁判所が女性の訴えを真剣に取り合わなかった悪例がまた1つ増えてしまいました。性暴力の罪を犯した男性が今後、同じ手を使って無罪になるかもしれません」
確かにその恐れがある。女性団体から怒りの声が上がるのも当然だと思う。加害者がそういう病気であろうと、女性が被害にあったことは歴然とした事実だからだ。日本でも通り魔犯罪などの場合に、これと類似の問題がしばしば起きる。
だが本件の場合は、睡眠専門医が造園師をセクソムニアと診断し、自分の診断が虚偽でないことを誓ったはずだ。そんなに簡単にはセクソムニアと診断されないはず。
ともあれセクソムニアというのはカナダの研究チームが発見した“病気”なわけで、本件は、あくまでカナダのお話。
もっとも、日本でも、セクソムニアに相当する異常行動を持つ人は決して皆無ではないだろう。相手が生身の人間なら発覚するが、相手が抱き枕などの場合は発覚しにくい。
生身の人間が自分の恋人や配偶者なら問題ないが、そうでない場合が問題である。日本では確実に有罪になる。セクソムニアを理由に罪を逃れることはできないだろうから。
もしかしたら自分がセクソムニアかもしれないという心当たりのある人は、男性、女性を問わず、十分に注意されたい。あなたが今置かれている状況は、実はかなり紙一重な状況かもしれない。
■Sources:
【関連記事】
カナダのトロント大学、オタワ大学、トロント・ウェスタン病院の合同研究チームでは、このような異常行動を持つ患者たちを“sexomnia(以下「セクソムニア」)”と呼んでいる。ここで言う性行為には、パートナーとの交わりのほか、自慰も含まれる。眠っている間に自慰をする癖がある人は“セクソムニア”である。
もっとも、パートナーがいないと“セクソムニア”は発覚しにくい。カナダの研究チームが行った聞き取り調査によると、“セクソムニア”患者が眠りながら行為を続けていることをパートナーがちゃんとわかっていることが多い。中には、眠っている相手と交わることも、それなりに楽しいと答える人もいた。
だが眠っているときは、“セクソムニア”患者が別人になると感じているパートナーもいる。普段より優しく丁寧になると答えたケースと、その逆に乱暴になると答えたケースがあった。
“セクソムニア”患者のパートナーが同意の上で応じている場合は何の問題もない。だが、“セクソムニア”患者が交わろうとした(あるいは交わってしまった)相手が同意していない場合は、どうなるだろう?
カナダ・トロントの裁判所で、33歳の造園師の男性に無罪判決が下りた。彼は、相手の同意を得ぬまま性交渉を持ったとして訴えられていたのである。
造園師が訴えられた経緯はこうである。彼は、あるパーティで知り合った女性と意気投合し、大量に酒を飲んだ後、女性と共に帰宅した。やがて、二人はカウチの上で眠りに落ちてしまった。
ふと女性が自分の体に異変を感じ目を覚ました。造園師が彼女に何の断りもなく、性行為を開始していた。彼女は造園師を振りほどいた。造園師は、そこで初めて眠りから覚めた(とされる)。
造園師が法廷で証言したところによると、トイレに行って自分の持ち物にコンドームが着用されていることに気づくまで、まさか自分が彼女と性行為に及んでいたとは思いもしなかったという。
法廷には、造園師を診察した睡眠専門医が証人として呼ばれ、次のように証言した。
「被告男性は、睡眠中に性行動が発生する夢遊病の一種、セクソムニアを患っています。この病気は、アルコール、睡眠不足、遺伝疾患などが原因で発症します」
「さらに、被告男性は、これまでにも合わせて4人のガールフレンドと“スリープセックス”に至ったことがあります」
この証言が決め手となって無罪判決が下りた。
だが、女性団体が黙っているはずがない。ある団体のメンバーは新聞の取材を受けて、こう話している。
「こんな腹立たしいことはありません。裁判所が女性の訴えを真剣に取り合わなかった悪例がまた1つ増えてしまいました。性暴力の罪を犯した男性が今後、同じ手を使って無罪になるかもしれません」
確かにその恐れがある。女性団体から怒りの声が上がるのも当然だと思う。加害者がそういう病気であろうと、女性が被害にあったことは歴然とした事実だからだ。日本でも通り魔犯罪などの場合に、これと類似の問題がしばしば起きる。
だが本件の場合は、睡眠専門医が造園師をセクソムニアと診断し、自分の診断が虚偽でないことを誓ったはずだ。そんなに簡単にはセクソムニアと診断されないはず。
ともあれセクソムニアというのはカナダの研究チームが発見した“病気”なわけで、本件は、あくまでカナダのお話。
もっとも、日本でも、セクソムニアに相当する異常行動を持つ人は決して皆無ではないだろう。相手が生身の人間なら発覚するが、相手が抱き枕などの場合は発覚しにくい。
生身の人間が自分の恋人や配偶者なら問題ないが、そうでない場合が問題である。日本では確実に有罪になる。セクソムニアを理由に罪を逃れることはできないだろうから。
もしかしたら自分がセクソムニアかもしれないという心当たりのある人は、男性、女性を問わず、十分に注意されたい。あなたが今置かれている状況は、実はかなり紙一重な状況かもしれない。
紙一重指数9 | ■■■■■■■■■□ |
■Sources:
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1. ◆眠ったまま女性を襲ってしまう夢遊病男性 〜カナダ [ ◆空を見上げて犬は今日も歩く ] 2005年12月03日 17:36
こういう男は、
スマキにして寝かせましょう。
2. 眠りながら [ SHAKE! asia Marmeid ] 2005年12月03日 21:28
カナダ・オンタリオ州の法廷で、「眠っている間に関係を持ってしまった」という証言が...
この記事へのコメント
1. Posted by T・I 2005年12月02日 17:37
相手が配偶者以外の自分の家族のときだってありますね。その家族愛も紙一重ですね
3. Posted by just click the next post 2014年05月10日 18:30
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4. Posted by please click the following web site 2014年05月11日 19:24
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