2005年11月12日
ホルモン投与で、肥満を解消できる時代が到来するかもしれない。米国スタンフォード大学の研究チームが新しいホルモンを発見した。食欲を抑制するホルモンである。このホルモンを投与されたラットは、食欲が半分に減り、体重が減少する。
このホルモンは、“Obestatin”と名づけられた。日本では、オベスタティンもしくはオベスタチンと呼ばれることになるだろう。
スタンフォード大学の研究チームでは、人間と動物の遺伝子情報をコンピュータ解析にかけた。彼らが特に注目したのは、食欲亢進ホルモンであるグレリンの遺伝子暗号を含む遺伝子配列。
そして、グレリンを生成するタンパク前駆体から別のホルモンが生成されることを突き止めた。これは、これまで知られていなかったまったく新しいホルモンだった。彼らは、そのホルモンに“Obestatin”(オベスタチン)と名づけた。
グレリンと同じタンパク前駆体から生成されるにもかかわらず、オベスタチンはグレリンと正反対の効果をもたらす。食欲を亢進させるグレリンに対し、食欲を減退させるオベスタチン。まさに陰と陽。
ラットの腹部と脳にオベスタチンを注入投与したところ、それらのラットが食べる餌の量は、オベスタチンを投与していないラットの半分に減った。体重も減少した。
さらに、オベスタチンには、胃から消化管への食物の移動を遅くする効果もあることがわかった。
アーロン・シー博士が率いる研究チームは、この研究結果をScience誌に発表している。そこには、次のような一節がある。
「複雑なエネルギー恒常性(平衡)と体重増減のバランスにグレリンとオベスタチンがどのように関与しているかがもっとよく分かってくれば、肥満を根本的に治療できる日がくるかもしれない」
肥満研究の専門家であるロンドン・インペリアル・カレッジのスティーブ・ブルーム博士は、非常に興味深い研究だと述べている。「複雑な食欲調整システムには、薬で制御しうる部分があるということを意味しています」
ブルーム博士によると、この研究結果は空腹感がどのように調整されているかに関するこれまでの発見に新たな一石を投じることになるという。そして、彼はこう付け加えた。
「5年から10年の間に、食欲を制御できるようになるはずです」
つまり、真の痩せ薬が実用化される日が近いということを意味している。
本件は、英国BBCのサイトで伝えられているが、全世界の Web ページを対象にGoogleで“Obestatin”を検索しても、この記事を書いている時点では、たったの1件もヒットがない。純粋に科学的な視点からは、食欲亢進ホルモンのグレリンと食欲抑制ホルモンのオベスタチンが同じ細胞から生成されることが謎だったりするようだが、製薬業界や健康・美容業界にとっては空前絶後の大発見かもしれない。
健康・美容業界にとっては、良いことばかりではないだろう。オベスタチンを応用した痩せ薬が開発され、薬事認可されれば、既存の健康食品、ダイエット法、痩身術の多くが今のような魔力を失うことになるかもしれない。だとしたら、ありがた迷惑な話になるかもしれない。
■ Source: BBC NEWS | Health | Hunger control hormone discovered
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そして、グレリンを生成するタンパク前駆体から別のホルモンが生成されることを突き止めた。これは、これまで知られていなかったまったく新しいホルモンだった。彼らは、そのホルモンに“Obestatin”(オベスタチン)と名づけた。
グレリンと同じタンパク前駆体から生成されるにもかかわらず、オベスタチンはグレリンと正反対の効果をもたらす。食欲を亢進させるグレリンに対し、食欲を減退させるオベスタチン。まさに陰と陽。
ラットの腹部と脳にオベスタチンを注入投与したところ、それらのラットが食べる餌の量は、オベスタチンを投与していないラットの半分に減った。体重も減少した。
さらに、オベスタチンには、胃から消化管への食物の移動を遅くする効果もあることがわかった。
アーロン・シー博士が率いる研究チームは、この研究結果をScience誌に発表している。そこには、次のような一節がある。
「複雑なエネルギー恒常性(平衡)と体重増減のバランスにグレリンとオベスタチンがどのように関与しているかがもっとよく分かってくれば、肥満を根本的に治療できる日がくるかもしれない」
肥満研究の専門家であるロンドン・インペリアル・カレッジのスティーブ・ブルーム博士は、非常に興味深い研究だと述べている。「複雑な食欲調整システムには、薬で制御しうる部分があるということを意味しています」
ブルーム博士によると、この研究結果は空腹感がどのように調整されているかに関するこれまでの発見に新たな一石を投じることになるという。そして、彼はこう付け加えた。
「5年から10年の間に、食欲を制御できるようになるはずです」
つまり、真の痩せ薬が実用化される日が近いということを意味している。
本件は、英国BBCのサイトで伝えられているが、全世界の Web ページを対象にGoogleで“Obestatin”を検索しても、この記事を書いている時点では、たったの1件もヒットがない。純粋に科学的な視点からは、食欲亢進ホルモンのグレリンと食欲抑制ホルモンのオベスタチンが同じ細胞から生成されることが謎だったりするようだが、製薬業界や健康・美容業界にとっては空前絶後の大発見かもしれない。
健康・美容業界にとっては、良いことばかりではないだろう。オベスタチンを応用した痩せ薬が開発され、薬事認可されれば、既存の健康食品、ダイエット法、痩身術の多くが今のような魔力を失うことになるかもしれない。だとしたら、ありがた迷惑な話になるかもしれない。
ありがた迷惑さ8 | ■■■■■■■■□□ |
■ Source: BBC NEWS | Health | Hunger control hormone discovered
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1. オブスタチンだとかグレリンだとか… [ アホ理系青年の主張〜あれこれ情報収集分析隊〜 ] 2005年11月12日 15:06
たまには科学ネタもやっておかないと、学術&芸術カテゴリーにいる身分としては肩身が狭い。ということで、この話題である。
食欲抑制のホルモン発見 空腹ホルモンと遺伝子共通
食欲を抑制する作用がある新たなホルモン=「オブスタチン」
日本で発見された....
2. メホホブルササンGこと痩せ薬だ [ ドサ健ニュース地獄 ] 2005年11月12日 15:24
地球上から肥満体が消える日が来る? − 食欲抑制ホルモン“オベスタチン”発見される 「三大欲求の食欲を抑える形なら、確かに余分なカロリーは摂らずに済むわい」 「ほいじゃけえ、節制が出来ず食い散らかしてダイエットに失敗するような人が、食欲を抑える薬を飲み続けら....
この記事へのコメント
1. Posted by 倉永彫魚 2005年11月12日 11:06
別に気にすることはないでしょう。
健康食品、ダイエット法、痩身術のほとんどが、かなり怪しげな商売ですからね。
そもそも、ダイエットと称する行為の大半が、それを生涯継続せねばならないことを前提に置いていると感じる。
つまり、一度それらの商品で効果が出た場合、それをやめることは元に戻ることを意味している。
それはそれで、商売として魅力的な市場であろうが、消費者からすると鎖に繋がれるようなものであろう。
まぁ、痩せ薬として件の薬が実用化されても、同じことは言えそうだが・・・。
需要あるところに、供給あり・・・か。
はぁ・・・。
では。
拝
健康食品、ダイエット法、痩身術のほとんどが、かなり怪しげな商売ですからね。
そもそも、ダイエットと称する行為の大半が、それを生涯継続せねばならないことを前提に置いていると感じる。
つまり、一度それらの商品で効果が出た場合、それをやめることは元に戻ることを意味している。
それはそれで、商売として魅力的な市場であろうが、消費者からすると鎖に繋がれるようなものであろう。
まぁ、痩せ薬として件の薬が実用化されても、同じことは言えそうだが・・・。
需要あるところに、供給あり・・・か。
はぁ・・・。
では。
拝
2. Posted by デブ 2005年11月15日 14:52
現在28歳
5年〜10年
間に合わない
5年〜10年
間に合わない
3. Posted by はにー 2006年05月09日 19:15
オベスタット という商品が出ていますね。
主成分はオベスタチンではなく、シブトラミンというものですが。
ちなみに、メリディアのジェネリックです。
主成分はオベスタチンではなく、シブトラミンというものですが。
ちなみに、メリディアのジェネリックです。
4. Posted by mouse click the following web site 2014年05月11日 17:58
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