2005年10月30日
ヒンズー教には、さまざまな宗派がある。その中でも、1000年の歴史を持つアゴーリという宗派は謎に包まれている。
普通、ヒンズー教の聖職者は菜食主義者かつ禁酒主義者である。だが、アゴーリ派の聖職者たちは酒を飲む。しかも、聖職者が肉を食する儀式があると言われている。
普通、ヒンズー教の聖職者は菜食主義者かつ禁酒主義者である。だが、アゴーリ派の聖職者たちは酒を飲む。しかも、聖職者が肉を食する儀式があると言われている。
外部の者がその儀式を見ることはできない。しかし、他の宗派からの非難の的になってきた。事実であれば、ヒンズー教の戒律に触れているばかりか、現代インドの法律にさえ違反している。
その儀式に言及している文献はある。だが、映像に収められたことは皆無に近い。アゴーリ派の聖職者がガンジス川を流れてくる遺体を引き上げて、その一部を食するという話の真偽は定かではなかった。
そこで、自分こそがその恐るべき儀式を映像に収めてやろうと挑んだのが、サンディープ・シンという映画監督だった。彼は、あるアゴーリ派聖職者に面会を求め、その後、信頼を得ようと聖職者のもとに足繁く通った。3ヶ月がかりで、ようやく説得に成功し、儀式の撮影許可を得た。
シン監督とカメラマンたちは、聖職者への密着取材を開始した。今年の6月のことである。だが、ガンジス川には、一般に思われているほど頻繁に遺体が流れては来ない。ヒンズー教徒は、通常は遺体をそのまま川に流さず、火葬した後の灰を流すからである。
このため、撮影隊一行は10日間も待つことになった。ようやく聖職者が遺体を見つけて、それを食する様子を映像に収めることができた。
聖職者は遺体の肘の部分を食べた。こうして遺体の肉を食することにより、聖職者は老化を免れ、空中浮揚や気象操作などの超自然力を身に付けることができると信じている。
この映像は、上映時間10分のドキュメンタリー映画にまとめ上げられた。題して“Feeding on the Dead”(死者を食する)である。
さて、ガンジス川にまつわる話を当ブログで取り上げるのは、今回が3回目である。過去2回とも“食べる”がキーワードである。
トラの話はともかく、後者の狂牛病の話は、本件と関連性が高い。インドには動物の死体を収集して、それを海外に輸出している業者がいるという。肥料や飼料になるのである。
英国は、世界に先駆けて狂牛病が出現した時期、その最も大きな輸出先だった。動物の骨や死骸の中にクロイツフェルト・ヤコブ病で死んだ人の骨なども混じっていて、狂牛病が発生する原因になったのではないかとする説である。
しかし、アゴーリ派聖職者のように川に流されてきた遺体を食するとなると、さまざまな病原体に感染するリスクがある。結核や肝炎などで病死した人の遺体だったら、そのリスクはさらに跳ね上がる。
死体自体が腐敗している可能性もある。食中毒にもなりかねない。川の中を流れるうちに、寄生虫が取り付いている可能性もある。
それでも病気になるどころか超自然力を身に付けることができるというのだから、まだまだ世界には不思議なことがあると言わざるを得ない。だが、本件、次のように評点しておこう。
インドでもカニバリズム(食人)は違法である。そのシーンを収めたドキュメンタリ映画もインドの法に触れるかもしれない。
■ Source: Scotsman.com News - International - New short film shows flesh-eating holy men
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その儀式に言及している文献はある。だが、映像に収められたことは皆無に近い。アゴーリ派の聖職者がガンジス川を流れてくる遺体を引き上げて、その一部を食するという話の真偽は定かではなかった。
そこで、自分こそがその恐るべき儀式を映像に収めてやろうと挑んだのが、サンディープ・シンという映画監督だった。彼は、あるアゴーリ派聖職者に面会を求め、その後、信頼を得ようと聖職者のもとに足繁く通った。3ヶ月がかりで、ようやく説得に成功し、儀式の撮影許可を得た。
シン監督とカメラマンたちは、聖職者への密着取材を開始した。今年の6月のことである。だが、ガンジス川には、一般に思われているほど頻繁に遺体が流れては来ない。ヒンズー教徒は、通常は遺体をそのまま川に流さず、火葬した後の灰を流すからである。
このため、撮影隊一行は10日間も待つことになった。ようやく聖職者が遺体を見つけて、それを食する様子を映像に収めることができた。
聖職者は遺体の肘の部分を食べた。こうして遺体の肉を食することにより、聖職者は老化を免れ、空中浮揚や気象操作などの超自然力を身に付けることができると信じている。
この映像は、上映時間10分のドキュメンタリー映画にまとめ上げられた。題して“Feeding on the Dead”(死者を食する)である。
さて、ガンジス川にまつわる話を当ブログで取り上げるのは、今回が3回目である。過去2回とも“食べる”がキーワードである。
トラの話はともかく、後者の狂牛病の話は、本件と関連性が高い。インドには動物の死体を収集して、それを海外に輸出している業者がいるという。肥料や飼料になるのである。
英国は、世界に先駆けて狂牛病が出現した時期、その最も大きな輸出先だった。動物の骨や死骸の中にクロイツフェルト・ヤコブ病で死んだ人の骨なども混じっていて、狂牛病が発生する原因になったのではないかとする説である。
しかし、アゴーリ派聖職者のように川に流されてきた遺体を食するとなると、さまざまな病原体に感染するリスクがある。結核や肝炎などで病死した人の遺体だったら、そのリスクはさらに跳ね上がる。
死体自体が腐敗している可能性もある。食中毒にもなりかねない。川の中を流れるうちに、寄生虫が取り付いている可能性もある。
それでも病気になるどころか超自然力を身に付けることができるというのだから、まだまだ世界には不思議なことがあると言わざるを得ない。だが、本件、次のように評点しておこう。
ナンセンス度9 | ■■■■■■■■■□ |
インドでもカニバリズム(食人)は違法である。そのシーンを収めたドキュメンタリ映画もインドの法に触れるかもしれない。
■ Source: Scotsman.com News - International - New short film shows flesh-eating holy men
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この記事へのコメント
1. Posted by 豆ちしき 2005年10月31日 13:14
ヒンドゥ-教の聖川(?)ガンジス川に遺体の灰を流すのは非常に名誉なこととされます。しかし、灰として流されるにも資格があって、神から与えられた寿命をまっとうした人だけとなります。
遺体のまま流されるのは、事故などで若死にした人、病死した人、子供などです。(年齢などの正確な判断基準はわかりません)
ってことは、上の記事の対象となるお肉には病気の遺体が結構な確率で含まれてるってことで……。こわ-。
これは管理人さんにお伝えしたかっただけなので、アップしなくてもいいです。
遺体のまま流されるのは、事故などで若死にした人、病死した人、子供などです。(年齢などの正確な判断基準はわかりません)
ってことは、上の記事の対象となるお肉には病気の遺体が結構な確率で含まれてるってことで……。こわ-。
これは管理人さんにお伝えしたかっただけなので、アップしなくてもいいです。
2. Posted by 通りすがり 2005年11月16日 00:30
ヒンズー教では、↑の人々プラス、蛇にかまれて亡くなった人、妊婦も
そのまま、流されるそうです。
そのまま、流されるそうです。
4. Posted by かな 2012年05月12日 23:17
サドゥー苦行僧の荒行なんていろいろある。当然、修業中死ぬ人もいる
水中での長時間仮死状態、あるいは、土のなかに頭を突っ込んで、尻の穴で呼吸するといった荒技もある。
何も食べず、何も飲まない修業もある
サドゥーなんて世捨て人なんだから一般的に相手にされてない。
そのフィルム自体 違法だよ。
水中での長時間仮死状態、あるいは、土のなかに頭を突っ込んで、尻の穴で呼吸するといった荒技もある。
何も食べず、何も飲まない修業もある
サドゥーなんて世捨て人なんだから一般的に相手にされてない。
そのフィルム自体 違法だよ。
5. Posted by they said 2014年05月10日 18:41
electronic cigarette starter kit なんでも評点:ガンジスを流れてくる遺体を食する聖人