2005年10月23日
われわれの頭は、脊椎の最上端に接続されている。これが外れることがある。脊椎や頚椎の損傷事故のうち、1パーセントくらいの割合で発生するという。
頭蓋骨と脊椎の接続が外れると、ほとんどの場合は助からない。脊髄が損傷してしまい、呼吸できなくなるからだ。
頭蓋骨と脊椎の接続が外れると、ほとんどの場合は助からない。脊髄が損傷してしまい、呼吸できなくなるからだ。
しかし、米国ミシガン州には、頭蓋骨が脊椎から外れてしまったにもかかわらず、たった数日で自力歩行できるまでに回復した男性がいる。
同州サギノー在住のハリー・ハガドーンさん(48歳)自身は、今年の7月、自宅の地下室に降りようとして、階段に足を踏み入れたところ、激しく転倒した。約10段下まで転がり落ちた。
彼はブレイクダンスのヘッドスピンのごとき体勢で、頭のてっぺんから階段に激突してしまった。このため、全体重と全衝撃が脊椎と頭蓋骨の結合部分に集中し、接続が外れてしまった。普通なら冒頭に書いたように呼吸できなくなり、その場で命を落としていたはずだ。
ハリーさんの母親ビューラーさんが息子の異状に気づき、地下室に駆けつけ、意識を失っている息子を発見した。すぐに救急車を呼んだ。
ハリーさんは、サギノーのミシガン・セントメアリー病院に搬送された。彼を担当した神経外科医のジェラルド・シェル医師は、後日、次のように語っている。
「彼の脊髄は、弾力性に優れていたのです。普通なら、これほどまでの大怪我をして脊髄が無事なはずはありません」
しかし、見通しは決して明るいものではなかった。ハリーさんの脊椎は頭蓋骨から外れた後、顎の方に向かって1インチほど移動していた。手術に成功したとしても、歩行能力を失うなどの障害が残ると思われた。
シェル医師は、整形外科医のワヒード・アクバー医師の協力のもと、ハリーさんの脊椎と頭蓋骨を再接続する手術の準備に取り掛かった。彼は、その手術を住宅のリフォーム工事に喩えている。
実際、リフォームにも使いそうなU字金具(クランプ)とネジで脊椎と頭蓋骨を再結合するのである。ただし、実際に手術にかかるまで、ぴったりなサイズを確定できないため、さまざまなサイズの組み合わせを用意した。
そして、執刀開始後、シェル医師が選んだのは4インチのU字クランプだった。その金具でハリーさんの頭蓋骨をぴったり支えることができた。何本ものネジで固定した。もちろん、住宅リフォーム用とは異なり、クランプもネジもチタン製のものである。
この手術には3時間を要したが、その間、ハイテクを駆使したモニター装置で、ハリーさんの脊髄がチェックされた。
手術は、まさに大成功だった。ハリーさんは、手術の数日後には、自力でベッドから起き出して、院内を歩き回れるほどに回復したのである。
手術から3ヶ月が経った現在、ハリーさんは既に退院して自宅で過ごしている。まだ、少しぎこちないが、ほとんど自由に動き回ることができる。
シェル医師は、こう話している。「ハリーさんは順調に回復しています。もう心配しなくていいでしょう」
社会復帰の日も近そうである。
さて、本件に与える評点は、当然のことながら“不幸中の幸い度”である。頭蓋骨と脊椎が外れ、しかも脊椎(頚椎)が1インチもずれたにもかかわらず、脊髄は損傷しなかったのだから。ま、執刀してくれた外科医の腕がよかったという要素も無視できないが、それもめぐり合わせがよかったわけで運が良かった。
■Source: HoustonChronicle.com - Man with skull severed at spine defied odds
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彼はブレイクダンスのヘッドスピンのごとき体勢で、頭のてっぺんから階段に激突してしまった。このため、全体重と全衝撃が脊椎と頭蓋骨の結合部分に集中し、接続が外れてしまった。普通なら冒頭に書いたように呼吸できなくなり、その場で命を落としていたはずだ。
ハリーさんの母親ビューラーさんが息子の異状に気づき、地下室に駆けつけ、意識を失っている息子を発見した。すぐに救急車を呼んだ。
ハリーさんは、サギノーのミシガン・セントメアリー病院に搬送された。彼を担当した神経外科医のジェラルド・シェル医師は、後日、次のように語っている。
「彼の脊髄は、弾力性に優れていたのです。普通なら、これほどまでの大怪我をして脊髄が無事なはずはありません」
しかし、見通しは決して明るいものではなかった。ハリーさんの脊椎は頭蓋骨から外れた後、顎の方に向かって1インチほど移動していた。手術に成功したとしても、歩行能力を失うなどの障害が残ると思われた。
シェル医師は、整形外科医のワヒード・アクバー医師の協力のもと、ハリーさんの脊椎と頭蓋骨を再接続する手術の準備に取り掛かった。彼は、その手術を住宅のリフォーム工事に喩えている。
実際、リフォームにも使いそうなU字金具(クランプ)とネジで脊椎と頭蓋骨を再結合するのである。ただし、実際に手術にかかるまで、ぴったりなサイズを確定できないため、さまざまなサイズの組み合わせを用意した。
そして、執刀開始後、シェル医師が選んだのは4インチのU字クランプだった。その金具でハリーさんの頭蓋骨をぴったり支えることができた。何本ものネジで固定した。もちろん、住宅リフォーム用とは異なり、クランプもネジもチタン製のものである。
この手術には3時間を要したが、その間、ハイテクを駆使したモニター装置で、ハリーさんの脊髄がチェックされた。
手術は、まさに大成功だった。ハリーさんは、手術の数日後には、自力でベッドから起き出して、院内を歩き回れるほどに回復したのである。
手術から3ヶ月が経った現在、ハリーさんは既に退院して自宅で過ごしている。まだ、少しぎこちないが、ほとんど自由に動き回ることができる。
シェル医師は、こう話している。「ハリーさんは順調に回復しています。もう心配しなくていいでしょう」
社会復帰の日も近そうである。
さて、本件に与える評点は、当然のことながら“不幸中の幸い度”である。頭蓋骨と脊椎が外れ、しかも脊椎(頚椎)が1インチもずれたにもかかわらず、脊髄は損傷しなかったのだから。ま、執刀してくれた外科医の腕がよかったという要素も無視できないが、それもめぐり合わせがよかったわけで運が良かった。
不幸中の幸い度10 | ■■■■■■■■■■ |
■Source: HoustonChronicle.com - Man with skull severed at spine defied odds
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1. ニュースを少し。。 [ しょーとメモ ] 2005年10月24日 01:22
■うたた寝しているうちに瞬間接着された男性
シャレになりませんて!!((;゚Д゚)ガクガクブルブル
■頭蓋骨が脊椎から外れてしまった男性、奇跡の回復
普通死んでるよ。すげぇ(゜Д゜)
以上2つfrom なんでも評点さん
■自分の股間の...