2005年10月20日
1980年代、インドでは、しばしばニワトリが大量死していた。鳥インフルエンザ・ウィルスではなく、SMAM1と呼ばれるアデノ・ウィルスの流行によるものだった。
当時、ボンベイで家庭医をしていたニキル・デュランダール氏は、友人から奇妙な話を聞かされた。動物が病原体に感染して死ぬ場合、普通は“やせ衰えて”死ぬはずである。ところが、SMAM1に感染して死んだニワトリは、異様に太っていた。肝臓と腎臓が肥大していた。コレステロール・レベルは低下しており、胸腺は萎縮していた。
デュランダール氏は、こう考えた。SMAM1は、ニワトリを死に至らしめるウィルスであると同時に、ニワトリを異常に肥満させるウィルスに違いない。しかも、人間にも何らかの影響を与えている可能性がある。
当時、ボンベイで家庭医をしていたニキル・デュランダール氏は、友人から奇妙な話を聞かされた。動物が病原体に感染して死ぬ場合、普通は“やせ衰えて”死ぬはずである。ところが、SMAM1に感染して死んだニワトリは、異様に太っていた。肝臓と腎臓が肥大していた。コレステロール・レベルは低下しており、胸腺は萎縮していた。
デュランダール氏は、こう考えた。SMAM1は、ニワトリを死に至らしめるウィルスであると同時に、ニワトリを異常に肥満させるウィルスに違いない。しかも、人間にも何らかの影響を与えている可能性がある。
彼は、自分が受け持っている患者がSMAM1ウィルスにさらされたことがあるかどうかを調査した。その結果、肥満体の患者の20パーセントにSMAM1への感染歴があることが判明したのである。これらの患者は、著しく過体重で、コレステロール・レベルが低かった。
デュランダール氏は、現在、米国ルイジアナ州立大学のペニントン・バイオメディカル研究所に籍を置いている。彼は先日、カナダのバンクーバーで開催された北米肥満学会(NAASO)の年次会合に出席し、特定の病原体が動物の脂肪組織を急激に増加させる誘因になると発表した。同時に、肥満体の人を調べると、通常体の人よりも特定のウィルスにさらされた割合がはるかに高いことから、肥満とウィルス/細菌感染の間に関連があることを示唆した。
デュランダール氏はこう話している。「すべての肥満をウィルスや細菌の感染で説明できるわけではありません。あくまで原因の1つとして考えられるという意味です」
食べすぎ、運動不足、意志の弱さが肥満を引き起こすというのが従来からの定説だった。しかし、最近の研究により、肥満を誘発する要因の1つとしてウィルスが考えられることがわかってきている。
この会合では、ウィルス、細菌、プリオンなどの感染性病原体のほか、以下のような要因についても研究者たちから報告があった。
デュランダール氏によると、現在のところ、少なくとも10種類の病原体が動物を肥満させることがわかっているという。これには、以下の病原体が含まれる。
また、ネズミの内臓にいる細菌を他のネズミに感染させると、感染した側のネズミの体脂肪が増えることも確認されている。
人間の場合も、肥満を引き起こす病原体がこれから特定されていけば、やがて“肥満防止ワクチン”が開発されるかもしれない。た・だ・し、接種するだけで肥満とおさらばできる夢のような薬になるわけではない。
肥満を引き起こす病原体に既に感染しており、それが原因となって肥満した人が“肥満防止ワクチン”を接種しても効果はない。そういう場合はもう手遅れなのだ。
おそらく、“肥満防止ワクチン”は、まだ乳幼児の時期にポリオや麻疹などのワクチンと同じように接種するものになるだろう。
ただ、食べすぎてもおらず、そこそこ運動もしているし、食べ物にも気をつけているつもりなのに肥満気味な人や、何度チャレンジしてもダイエットに成功しない人の場合は、あまり自分を責めない方がよいかもしれない。
何らかの病原体に感染してしまったことが肥満の原因になっているかもしれないからだ。もしそうなら、努力が実を結ぶ見込みが少なく、歯がゆい話ではあるが。
■Source: Vaccine will fight the flab - The Other Side - NEWS.com.au
デュランダール氏は、現在、米国ルイジアナ州立大学のペニントン・バイオメディカル研究所に籍を置いている。彼は先日、カナダのバンクーバーで開催された北米肥満学会(NAASO)の年次会合に出席し、特定の病原体が動物の脂肪組織を急激に増加させる誘因になると発表した。同時に、肥満体の人を調べると、通常体の人よりも特定のウィルスにさらされた割合がはるかに高いことから、肥満とウィルス/細菌感染の間に関連があることを示唆した。
デュランダール氏はこう話している。「すべての肥満をウィルスや細菌の感染で説明できるわけではありません。あくまで原因の1つとして考えられるという意味です」
食べすぎ、運動不足、意志の弱さが肥満を引き起こすというのが従来からの定説だった。しかし、最近の研究により、肥満を誘発する要因の1つとしてウィルスが考えられることがわかってきている。
この会合では、ウィルス、細菌、プリオンなどの感染性病原体のほか、以下のような要因についても研究者たちから報告があった。
- 遺伝的傾向 ― 飢餓を生き抜いた先祖を持つと考えられる民族には、脂肪を体内に蓄積しやすい遺伝的傾向が認められる。
- 投薬 ― 一部の向精神薬など。
- 環境汚染物質 ― 有機塩素剤など
デュランダール氏によると、現在のところ、少なくとも10種類の病原体が動物を肥満させることがわかっているという。これには、以下の病原体が含まれる。
- 犬科の動物におけるジステンバー・ウィルス
- 鳥ウィルスのRAV7およびMAM1
- ネズミのボルナ病ウィルス(人間のうつ病とも関連があるとされる)
- 数種のスクレイピー病原体(スクレイピーは羊などの脳を侵す病気)
- AD5、AD36、AD37の3種のアデノ・ウィルス(いくつかの動物種で体脂肪の増加を引き起こす)
- クラジミア肺炎細菌
また、ネズミの内臓にいる細菌を他のネズミに感染させると、感染した側のネズミの体脂肪が増えることも確認されている。
人間の場合も、肥満を引き起こす病原体がこれから特定されていけば、やがて“肥満防止ワクチン”が開発されるかもしれない。た・だ・し、接種するだけで肥満とおさらばできる夢のような薬になるわけではない。
肥満を引き起こす病原体に既に感染しており、それが原因となって肥満した人が“肥満防止ワクチン”を接種しても効果はない。そういう場合はもう手遅れなのだ。
おそらく、“肥満防止ワクチン”は、まだ乳幼児の時期にポリオや麻疹などのワクチンと同じように接種するものになるだろう。
ただ、食べすぎてもおらず、そこそこ運動もしているし、食べ物にも気をつけているつもりなのに肥満気味な人や、何度チャレンジしてもダイエットに成功しない人の場合は、あまり自分を責めない方がよいかもしれない。
何らかの病原体に感染してしまったことが肥満の原因になっているかもしれないからだ。もしそうなら、努力が実を結ぶ見込みが少なく、歯がゆい話ではあるが。
歯がゆさ8 | ■■■■■■■■□□ |
■Source: Vaccine will fight the flab - The Other Side - NEWS.com.au
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1. 痩せられないのはウイルスのせい? [ どうでもいいこと ] 2005年10月20日 22:50
食べ物にも気を遣い、適度に運動をしていてもダイエットに失敗する人がいます。 きっ...
2. ダイエットに失敗するのはウイルスのせいかもしれない [ 目指せ!パテントライフ ] 2005年10月21日 09:08
ウィルスねぇ。
おらのぽっこりおなかにもウィルスがいるんだろうか?
以前、遺伝子型ダイエットなんていうのもやっていたけど、あちらのほうが説得力はあったな。
とりあえず、今日の昼食は冷奴にでもしておこうか。
<b>ダイエットに失敗するのはウイルスのせいか...
この記事へのコメント
2. Posted by site 2014年05月11日 13:43
mister e liquid なんでも評点:ダイエットに失敗するのはウイルスのせいかもしれない