2005年03月06日
やはり戦車は視界が悪いので、一般道を走行するときは、よほど注意しなければならないようだ。うっかりしていると、一般市民の車を踏み潰してしまいかねない。
まあ、日本では戦車が公道を走ることもない(付記:コメント欄での指摘によると、自衛隊駐屯地や演習地付近ではキャタピラにゴムを装着した戦車が公道上を走ることがあるとのこと)。だが、「人間の豊かさ」指数4年連続第1位のノルウェーでは、2月11日から3月11日の期間にかけて、NATO加盟の15ヶ国から派遣された総勢1万5千人の兵士による国際軍事演習“Battle Griffin”が行われている。
この演習期間中は、戦車がノルウェー各地の公道を走行していたりする。で、日本にいるわれわれでも心配してしまうような事故が実際に起きてしまった。
まあ、日本では戦車が公道を走ることもない(付記:コメント欄での指摘によると、自衛隊駐屯地や演習地付近ではキャタピラにゴムを装着した戦車が公道上を走ることがあるとのこと)。だが、「人間の豊かさ」指数4年連続第1位のノルウェーでは、2月11日から3月11日の期間にかけて、NATO加盟の15ヶ国から派遣された総勢1万5千人の兵士による国際軍事演習“Battle Griffin”が行われている。
この演習期間中は、戦車がノルウェー各地の公道を走行していたりする。で、日本にいるわれわれでも心配してしまうような事故が実際に起きてしまった。
ノルウェー中央部のグロングで妻を乗せてメルセデスを運転していた男性が戦車に気づき、雪が掃き寄せられた路肩に乗り上げるよにメルセデスを停車させた。だが戦車は、停止しようともせず、メルセデスにぐんぐん接近。
「戦車のキャタピラが、まずボンネットの左側に乗り上げてきました。そのままフロントウィンドウを破壊し、屋根の上を通過し始めたんです」と被害者ナット・オッケンハウグさん(57)が新聞の取材に答えている。取材に答えているくらいだから無事だったわけだが。
オッケンハウグさんは、さらにこう話している。「私は助手席にいる妻の方に向けて、シートベルトが伸びる限り、極限まで体を伏せました。しかし、踏み潰された天井が私の左肩を圧迫してきましたよ。さらに、今度は、私の左の頬骨に天井が押し付けられてきました。死ぬかと思いました」。
結局、夫婦はどちらも無傷で助かった。
NATO軍側のスポークスマンは、この軍事演習では、事故防止のために万全の体制で臨んでいると強調しつつ、「今回の件については現在調査中であり、原因究明にはまだ時間がかかる」と述べている。
一方、地元ノース・トロンデラグの警察当局は、二人の民間人を死の危機にさらしたこの事故の過失責任を非常に重く見ている。二人が無傷であったことを差し引いて次のように評価しておこう。
事故を起こしたレオパルド戦車の車長は、深い反省の意を示している。地元の新聞の取材に答えて、次のように話した。
「ほんの一瞬の油断でした。私は、進路上に自動車がいないことを目視でチェックした後、地図とGPSに視線を落としました。しかし、次の瞬間、1台の自動車が雪の上に登ってくるのが見えたのです。乗員の1人もそれに気づき、車がいると大声で叫びました。私も思わず大声で叫びました」。
ということは、オッケンハウグさんのベンツを踏み潰しているときには、既に気づいていたことになる。自動車以上に戦車は急に止まれないのだろうか? わかっていながら、みすみす踏み潰してしまうなんて、実に歯がゆい話かもしれない。なおさら夫婦二人が無傷でよかったと思う。
地元の検察官によれば、このような過失罪は罰金刑で済むかもしれないが、最長で12ヶ月の禁固が言い渡される可能性もあるという。
NATOの“Battle Griffin”演習では、本件と同様に戦車による事故がほかにも数件発生しているという。その対策として、NATO軍では、戦車の公道自走を減らし、トラックによる搬送を増やすことを決定したという。
■ Sources:
【関連記事】
「戦車」でヒットする書籍やグッズなど
「戦車のキャタピラが、まずボンネットの左側に乗り上げてきました。そのままフロントウィンドウを破壊し、屋根の上を通過し始めたんです」と被害者ナット・オッケンハウグさん(57)が新聞の取材に答えている。取材に答えているくらいだから無事だったわけだが。
オッケンハウグさんは、さらにこう話している。「私は助手席にいる妻の方に向けて、シートベルトが伸びる限り、極限まで体を伏せました。しかし、踏み潰された天井が私の左肩を圧迫してきましたよ。さらに、今度は、私の左の頬骨に天井が押し付けられてきました。死ぬかと思いました」。
結局、夫婦はどちらも無傷で助かった。
NATO軍側のスポークスマンは、この軍事演習では、事故防止のために万全の体制で臨んでいると強調しつつ、「今回の件については現在調査中であり、原因究明にはまだ時間がかかる」と述べている。
一方、地元ノース・トロンデラグの警察当局は、二人の民間人を死の危機にさらしたこの事故の過失責任を非常に重く見ている。二人が無傷であったことを差し引いて次のように評価しておこう。
危険物取り扱い不注意度8 | ■■■■■■■■□□ |
事故を起こしたレオパルド戦車の車長は、深い反省の意を示している。地元の新聞の取材に答えて、次のように話した。
「ほんの一瞬の油断でした。私は、進路上に自動車がいないことを目視でチェックした後、地図とGPSに視線を落としました。しかし、次の瞬間、1台の自動車が雪の上に登ってくるのが見えたのです。乗員の1人もそれに気づき、車がいると大声で叫びました。私も思わず大声で叫びました」。
ということは、オッケンハウグさんのベンツを踏み潰しているときには、既に気づいていたことになる。自動車以上に戦車は急に止まれないのだろうか? わかっていながら、みすみす踏み潰してしまうなんて、実に歯がゆい話かもしれない。なおさら夫婦二人が無傷でよかったと思う。
地元の検察官によれば、このような過失罪は罰金刑で済むかもしれないが、最長で12ヶ月の禁固が言い渡される可能性もあるという。
NATOの“Battle Griffin”演習では、本件と同様に戦車による事故がほかにも数件発生しているという。その対策として、NATO軍では、戦車の公道自走を減らし、トラックによる搬送を増やすことを決定したという。
■ Sources:
- NEWS.com.au - Man survives being runover by tank
- Aftenposten Norway, Norwegian news in English - Tank driver could face prison term
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1. 戦車が街にやってきた [ どうでもいいこと ] 2005年03月06日 21:17
戦車が町中を走ることは確かにあまりありませんけれど。 あればあったで困りもののよ...
この記事へのコメント
1. Posted by デジ 2005年03月08日 10:40
日本でも戦車が公道を走ることは別にめずらしいことじゃありません。陸自の駐屯地や演習地の近くではよくあることです。ただ重量50トンもある90式戦車が公道を走るとアスファルトを全てめくってしまうので、キャタピラにゴムを履かせて走っています。
2. Posted by miccckey 2005年03月08日 13:45
>デジさん
そうなんですか。日本でも自衛隊駐屯地や演習地の近くでは、公道上で戦車に遭遇できるのですね。自衛隊隊駐屯地や演習地の近くで暮らしたことがないので知りませんでした。
ノルウェーでは、またしても戦車が事故を起こしています。記事にはしませんが、今度は民家に突っ込んだそうです。英語記事のURLは下記のとおり。
Tank hits house
http://cnews.canoe.ca/CNEWS/WeirdNews/2005/03/07/952903-ap.html
そうなんですか。日本でも自衛隊駐屯地や演習地の近くでは、公道上で戦車に遭遇できるのですね。自衛隊隊駐屯地や演習地の近くで暮らしたことがないので知りませんでした。
ノルウェーでは、またしても戦車が事故を起こしています。記事にはしませんが、今度は民家に突っ込んだそうです。英語記事のURLは下記のとおり。
Tank hits house
http://cnews.canoe.ca/CNEWS/WeirdNews/2005/03/07/952903-ap.html
3. Posted by Harry 2005年03月09日 01:00
そういえば、10年くらい前に、アメリカで州兵がM60戦車を盗み出して街中を暴走した挙句、どっかに乗り上げて顔を出したところを警察に射殺された事件があったと思います。40トン以上ある鉄の塊なんで、バスも簡単に転がっていったりしてる恐怖の事件。