クラウドソーシング「ランサーズ」 なんでも評点:海の向こうでは出会いサイトの利用は後ろめたくも恥ずかしくもない?

2004年12月16日

海の向こうでは出会いサイトの利用は後ろめたくも恥ずかしくもない?


先日、「ブログを掲示板と言い換えた朝日新聞とはまさに対照的 - ブログ界・ネット界への積極的姿勢を見せる英国Guardian紙」と題する記事で、日本ではブログという形態のサイトが一般にはあまり認知されていないことを書いた。英語Webの世界では、大手新聞社がブログを積極的に採用するほど、ブログが市民権を獲得しているというのに。

これと似たようなことが「出会いサイト(dating services)」についても言える。日本では自分が出会いサイトを利用していることをあまり大っぴらに人に話せなかったりする。出会いサイトが犯罪の温床とみなされることも多い。ネガティブなイメージが拭い去れないのだ。

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ところが、英語Webの世界では、dating servicesはかなりポジティブに受け入れられているように思う。実際、新聞社のニュース・サイトにもdating servicesへのリンクがあっけらかんと示されていたりする。しかも、試しに覗きに行くと、みんな堂々と自分の顔写真を載せている。

昨日、「自分のパートナー探しのために犬を飼う人が多い? - 米国Pedigree社の調査結果」の記事を投稿したのだが、この記事でソースとして参照した英語記事は、次のような題名になっていた。

  • Man's Best Friend Is Man's Best Wingman
    (人類の最良の友は、最良のウィングマンでもある)


wingmanは、一般に、アメリカン・フットボールやサッカーなどのウィング選手の意味で使われる(“編隊僚機の操縦士”を意味する軍用語としても使われる)。しかし、上のように訳しても意味がよくわからない。ひょっとしたら、新しい用法があるのではないかと気になったのだ。

で、調べているうち、次のニュース記事を見つけた。



この記事によると、wingperson(男性ならwingman、女性ならwingwomanと活用されるが)は、初対面の二人の異性をうまく引き合わせる役割を果たす。たとえば、あなたが同性の友達を異性の友達に紹介するとき、あなたはwingpersonとして機能することになる。誰しも、過去に一度はwingperson役を演じたことがあるだろう。

「恋のキューピッド」と訳すのが最も適切かもしれない。しかし、新しい概念なので敢えて「ウィングパーソン」と表記することにしようと思う。

米国では、最近、出会い系でこのウィングパーソンへの需要が高まっているらしく、ウィングパーソンを求める個人広告がよく見られるという。これに目を付けてビジネスを始めた人たちもいる。

たとえば、ボストンにはArriviste Pressという小さな出版社がある。Amazonでもこの出版社からの刊行物がヒットする。この出版社では、最近、Virtual Wingmanという新しいサービスを始めた。このサービスの利用者は、Web上のフォームに必要最小限の個人情報と自分が希望する出会いの種類を希望するだけでよい。

後は、Virtual Wingmanが出会いサイトに広告を出してくれる。なんとこのサービスは、無料なのだ。とはいえ、これは一種の出会いサイト投稿代行サービスであり、ウィングパーソンの役目を完全に果たしてるとは言いにくい。(無料であっても広告収入などが見込めるため、これも立派なビジネスのはず)。

一方、シカゴやニューヨークには、プロのウィングパーソンを時間料金制で派遣してくれる業者が存在する。Mr. Right Now Inc.もそんな業者の1つ。最初は、デートをアレンジするだけのサービスだったが、ウィングパーソンの需要が高いことがわかり、業務内容を拡張したという。

さて、これが日本だと、いろんな法規制にも引っかかるのだろう。売春斡旋に当たるのではないかという疑いを持たれるおそれさえある。結局、これも“自己責任”への認識の違いが根本にあるのかもしれない。

出会いサイト(dating services)を現実の延長線上にあると見るなら、出会いの結果トラブルが生じたとしても、それをネットに固有の現象ととらえたりはしない。ネットを介さない出会いの場合も、同じようなリスクはあるわけだから。米国の場合は、こういうスタンスが普通なのではないか。

もちろん、未成年者が出会いサイトを利用して犯罪に巻き込まれることが多い現状には、さらなる対策が必要だと思う。海の向こうでは、そのへんの実情と対策がどのようになっているのか、また改めて調査して記事にしてみたい。

ともあれ、日本では成人でも出会いサイトを利用するなんて、いつ詐欺や美人局に引っかかるかもわからず、びくびくものだったりするのだろうが、米国などではdating servicesがかなりポジティブに評価されており、市民権を獲得している。dating servicesを使用すること自体に、ほとんど後ろめたさはないようだ。よって、その「びくびく度」はほぼ最低点と想像する。

びくびく度2■■□□□□□□□□


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この記事へのコメント

1. Posted by DPR-Japan   2004年12月16日 05:22
日本では、自ら積極的に交際相手を探していますという姿勢を取ることは、恥ずかしいことと捉える傾向があるのではと思います。恥じる文化とでもいいましょうか。

男女の交際とはすなわち、精神面はともかくとして、子をなし自らの遺伝子を後に残すことという、生物本来の欲求を満たす状況を作り出すこととも言えます。

古来日本でも、性を恥ずべきことあるいは秘め事とは捉えない文化が存在していたはずですが、おそらく仏教の伝来や統一的な国家体制の確立(大和文化)に伴って淘汰され、以来性は秘め事という文化が定着したのだろうと思います。

しかし、性を恥ずべきこととしておおっぴらにしなかったため、次第に生物欲求的な本来のセックスと、快楽主義的なセックス意識の区別が曖昧になってしまったことが、彼我のDatingサービスと出会い系サービスの質の差につながっているのではないか、と想像します。
2. Posted by ムシムシ   2004年12月16日 10:46
いまでも、充分に性にかんして開放的であると思います。「ナンパ」なんて言葉もあるし。一方では、「性は秘め事」なんて文化もあります。

要は、矛盾しているの文化が存在しているのです。古来日本は「性」に対して開放的でした。「性」文化をタブー視しているのは儒教文化であり、儒教文化を積極的に取り入れたのは、江戸時代です。

「性」に対して開放的な人々に政策として儒教文化を取り入れたため、「開放的」でありたい人々は隠れなくてはならなくなった。そのなごりが今の日本に残っているのだろうと感じています。

「出会い系」は「政策に反対して隠れた人々」の文化の延長のような気がします。もし、日本に儒教文化がなければ「出会い系」は「Datingサービス」のようになっていたのかなぁ。と思います。
3. Posted by thorn_rose   2004年12月16日 13:06
いろんな切り口があって、どこから食べても美味しい記事ですネ"^_^"
で、私は‥

>結局、これも“自己責任”への認識の違いが根本にあるのかもしれない。

この部分から‥♪

日本人って、果たして「自己責任」が問えるほど「自己」が確立されているのかな‥(?_?)
各個としての個体差ではなく、文化として‥
やっぱり日本はまだまだ「場の論理」であって「個の論理」ではないですよネ‥
その場が丸く収まればいい‥
悪く言えば、その場さえうまくいけばいいので「自己」としての信念は薄い‥
それが転じて、他人に解らなければ何をしたっていいじゃないか‥という甘え?
そんなものに繋がっているような気がするのです。

しかも、上記のムシムシさんの仰るとおり、庶民と江戸時代の良家との文化の格差‥?
そんなものが混在していて‥
早い話が『盆踊り』とか『田祭り』なんて、ハッキリ言って今で言う『乱交パーティー』のようなものだったらしいですし‥
でも、その結果生まれた子どもも、ちゃんと『村』というコミュニティーがサポートしていたんですネ
『村八分』にされない限り‥

でも、現代は、そんなコミュニティーなんてもう皆無で『核家族』ですし‥
で、儒教の教えを引き継いだ意味での『良妻賢母』を量産したのは戦後ですよネ‥
なので、日本古来のDNAに埋め込まれている『おおらかなもの』と『儒教』と
そして『場の論理の優位性』がごちゃごちゃになっているのが今の日本だと思うので‥

なので『自己責任』なんて言葉は都合よく使われるだけで根付かないし、
そのけっかとして『出会い系』なんて、個人の心の中で整理されるはずも無く‥

そんな文化の土台がそもそも違うと‥
そんなふうに思うので、今後も‥
『自己責任』が問われるBlogにしても、
いろんな企業の『規約』にしても‥
そして『男女の出会い』にしても‥
一匹狼で生きる覚悟が無い日本人は、そうは思っていても『場から浮くのを恐れる』ので、
なかなか変わっては行かないだろうナ‥
そんな気がしています。(^^;;;

長々コメント、失礼いたしました(^^;;; m(_ _)m
4. Posted by miccckey   2004年12月16日 18:02
示唆に富んだコメントありがとうございます。こういうブレーンストーミングが出来るとコメント欄を開いている有意義さを実感できます。

>DPR-Japanさん

DPR-Japanさんも英語Webをかなりご覧になっておられるようなので(ひょっとしてご同業だったりして?)、海外のdating servicesのあけっぴろげさには既にお気づきだったのでしょうね。

》自ら積極的に交際相手を探していますという姿勢を取ることは恥ずかしいこと

上の記事には、この面からのツッコミが欠けていましたね。ご指摘の点プラス、ネットは怪しいから、どうせ怪しい交際しかできないという思い込みもあったりするかもしれませんが(^^;)

それと、実際には日本版dating servicesの多くは携帯電話対応サイトであり、伝わる情報量に限りがあるから、怪しさに拍車がかかっているのかもしれません。

>ムシムシさん

儒教文化と日本古来の夜這い文化が相容れないのですね。深い分析です。

》「出会い系」は「政策に反対して隠れた人々」の文化の延長のような気が
》します。もし、日本に儒教文化がなければ「出会い系」は「Datingサービ
》ス」のようになっていたのかなぁ。と思います。

そのとおりかもしれません。日本ではネガティブに見られがちな出会いサイトだけど、マジメに論じるといろんなことが見えてきますね。ネットにもこういう文化的伝統や確執が影響を及ぼしているんだ。

これからはそういう視点も忘れずにブログ記事を書いていこうと思わされました。

>thorn_rose さん

なるほど。出会いサイトは、「こそこそ使うべきもの」ってふうになってしまうんですね。その後ろめたさに付け込んでなのか、それとも運営している人がやましいことだらけだからなのか、日本の出会いサイトには騙しも多いみたいですね。

》やっぱり日本はまだまだ「場の論理」であって「個の論理」ではないですよネ‥
》その場が丸く収まればいい‥

これは出会い系に関わらず、今回のライブドア規約改定にも付随することですよねえ。
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