なんでも評点:削除事件と規約改定 - ライブドア社の良識を信用できるかどうか

2004年11月17日

削除事件と規約改定 - ライブドア社の良識を信用できるかどうか


■ 今回の改訂と削除事件は無関係?

結局、香田さんビデオ関連の記事削除事件と今回の規約改正は連動していなかった。と考えて本当によいのだろうか? 再改定された規約8条を読むと、ライブドアが「宣伝、利用促進、出版等」の目的でブログ記事を使用する場合に焦点が絞られているように見える。

この「使用」には、さすがに「削除」は含まれていないだろう。筆者の場合、言われなき記事削除に遭った当事者だけに、改定第一版の8条を見たときは、削除を正当化することも理由の1つかと思ってしまった。また、当事者でなくても、そういう見方をしたブロガーもけっこういたと思う。

ただ、「弊社及び弊社の指定する者に対し著作者人格権を行使しない」の文言を拡大解釈すると、“あなたの著作物たるブログ記事が弊社の判断で削除されても、あなたは著作人格権を行使しないのだから著作権保有者として文句を言うことはできませんよ”と読むことは不可能ではなさそうだ。

そもそも、「利用者が著作したウェブログとそれに付随するコメント及びトラックバックは当該ウェブログを著作した利用者に著作権が発生するものとします」の文言は、論理的におかしなところがあるのではないか。

■ トラックバックの著作権 - livedoorBlogが異端化するかも

まず、多くのブログで指摘されているように、コメントとトラックバックの著作権は誰にあるかという問題を簡単に片付けすぎている。コメントの著作権はコメントをつけた人、トラックバックの著作権はトラックバックをしてきた人にあるとするのが通例のはず。

まあ、いろんな方法でコメント者やトラックバック者に規約への同意を求めることは可能だろう。しかしながら、日本のブログ界全体を見渡したとき、このような規約は異端とならないだろうか。ほかのホスティングサービスを使用しているブロガーがlivedoorBlogへのトラックバックを渋るようになる可能性が濃厚である。まあ、運営側としては、そういうことを意に介してはいないのだろう。トラックバックされたところで、livedoorドメインへのトラフィック(=広告収入)が増えるわけではないし。

■ 「弊社の指定する者」という巧妙な“変数”

「利用者に著作権が発生するものとします」について、別の角度から訝った見方をしてみよう。「発生する」と書かれていても、著作権発生後に利用者が著作権を保有するとは書かれていない。普通は発生したものが消えることまで想像しなくてよいはずなのだが、「弊社及び弊社の指定する者に対し著作者人格権を行使しないものとします」の文言があるから引っかかってしまう。

「著作人格権を行使しない」と簡単に言うが、第一版の改定規約でも、この文言が最大の問題点だったと思う。著作人格権は、基本的人権に関わる権利である。もちろん、行使しない対象は「弊社」および「弊社の指定する者」だけだと限定されてはいるが、「弊社の指定する者」という“変数”を置くことによってlivedoorBlog利用者は結局蚊帳の外に追いやられている

■ 要はライブドアの良識を信じられるかどうか

とまあ、ここまで読んで、「最悪のケースを考えすぎじゃないか」「ライブドアをもっと信用すればいいのに」と思った人も多いだろう。だが、法律の専門家に読んでいただいても何の問題もないという反応があった記事を無断削除され、未だに何の説明も謝罪も受けていない当事者としては、ライブドアの良識というものをあまり信用できないのである。

まあ、ライブドアの良識を信じられる人は、改定第二版の規約8条を受け入れてもいいというのが結論となるかもしれない。普通に考えれば、ライブドアがブログ利用者の著作物をとんでもない用途に利用するなんてことはありえないわけだし。

筆者の場合、改定第二版の8条でもまだ受け入れる気にはなれないのだが、独自サブドメインが無効になるとまずいので、昨日、livedoorBlog PROの6ヶ月更新を済ませてしまった。まあ、時間はたっぷりあるので、ゆっくりと移行を進めていくつもり。

■ しつこいようだが最後に

ところで、開発日誌には、メディア事業部の有賀さんと名乗る方が次のように書いておられる。

また、著作者人格権の記述については、もちろん故意に著作者人格権を行使せざるを得ない行為(改悪など)を弊社が行うことはありませんが、例えば、文章を読みやすくするための編集などを行う際に都度確認をしないで済むようにする、などの効果を想定した上でこのような表記とさせていただきました。


これを読んで、「嘘つき」呼ばわりしたい気分に少しだけなった。もちろん、言いがかりのようなものだから、声を大にして「嘘つき」とは言わない。だけど、しつこいようだけど、「故意に著作者人格権を行使せざるを得ない行為(改悪など)」に類することは、つい先日実行に移したばかりではないか。香田さんビデオ関連の記事を削除した行為のことだ。このまま、うやむやにして済まそうという魂胆なのだろうか。


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1. Blogの著作権は?(再改定される)〜利用規約の一部変更につきましてより〜  [ Y's WebSite : Blog 〜日々是好日〜 ]   2004年11月17日 17:57
16日も終わろうとした頃、livedoorのホームページのBlogのページに『利用規約の一部変更につきまして[11/16さらに追記しました]』という、livedoor開発日誌のリンクがありました。 今回はlivedoor Blog担当のライブドア メディア事業部の有賀さんとおっしゃる方からの文面も
2. livedoorは、規約を適正な内容にしても信頼は回復出来ない  [ 黄泉[裏]新聞 - 号外 ]   2004年11月17日 18:09
約束があっても、それが守られなければ無意味です。
3. ライブドアブログ規約改悪祭り・その後  [ 江戸ぶろぐ ]   2004年11月17日 18:18
一夜明けたら、規約改悪祭り(←違っ!)、動きがあったみたいですね。私なりに考えたことを長々と書いてみました。
4. また来ましたな…  [ GO AHEAD!! ]   2004年11月17日 18:22
またまた開発日誌になにやらコメントが掲載されてますね。 つうか、俺の前回の投稿の後に載せるんじゃあねえよヴォケ!
5. 利用規約の変更の修正  [ 流れにまかせるコト ]   2004年11月17日 19:31
ライブドアブログ利用規約の変更の修正がなされました。
6. よく見たらAさんじゃん♪  [ 黄泉[裏]新聞 - 号外 ]   2004年11月17日 19:39
なんだなんだ、Aさんじゃん♪相変らずのご活躍の様で・・・(笑)
7. ココログの利用規約変更  [ 流れにまかせるコト ]   2004年11月17日 19:58
ニフティのココログ利用規約が変更になっています。
8. 笑い飛ばす。  [ gibberish! -Blog- ]   2004年11月18日 01:09
・Blog読むとさ、普通にトラックバックURLがぽんとあるでしょ?  その記事にトラックバックしようと思ったとき、わざわざ相手のBlogがどこのサービス使ってるか確認する?  しないでしょ普通は。トラックバックURLコピペして終わりでしょ?  百歩譲って確認したとし.
9. お騒がせの規約がさらに追記されました  [ 狂の時代を回避せよ ]   2004年11月18日 13:11
<利用規約の一部変更につきまして[11/16さらに追記しました]> 『第8条 (ウェブログの公開について) 利用者が著作したウェブログとそれに付随するコメント及びトラックバックは当該ウェブログを著作した利用者に著作権が発生するものとします。但し、宣伝、利用促進
10. 総括 livedoor著作権問題  [ うたたねの記 ]   2004年11月19日 19:42
 まず、結論から言うと、それなりに評価していい改訂だと思います。まぁ、6分勝ちというところでしょうか。著作権の所在が明記されたのは、進歩だったと思います。また、担当者の方の謝罪のことばが添えられたことも併せて評価したい。それなりの誠意ある対応だと思います
11. 一応 規約に関する話題を整理  [ 黄泉[裏]新聞 - 号外 ]   2004年11月21日 18:31
livedoorの規約改悪問題に関する流れを整理
12. トラックバック&コメントの著作権  [ 好奇人の黒マソム ]   2004年11月21日 22:39
トラックバックとコメントのことについて、問題として取り上げていたのにも関わらず、問題を全然理解していなかったことがわかった。というわけで、今日は「利用者が著作したウェブログとそれに付随するコメント及びトラックバックは当該ウェブログを著作した利用者に著作権.
13. 不当削除に関しては沈黙していますね[livedoor]  [ 黄泉[裏]新聞 - 号外 ]   2004年11月22日 20:40
livedoorに再度 パニッシュ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

この記事へのコメント

1. Posted by おーちゃん   2004年11月17日 18:00
こんばんは。
トラックバックありがとうございます。
私もひっかかるところは、micckeyさんと同じところなんですよ(有賀さんの文言)。
著作権、著作人格権云々は「livedoor側の問題解決」の一つにすぎないと思います。
2. Posted by ムシムシ   2004年11月18日 10:42
「ムシムシ」という呼称が「仮名」だという認識の「私」の著作者人格権は誰にあるのでしょう。どこの誰だかわからない架空の人物「ムシムシ」に発生するのですか。誰でも簡単にコメントできるシステムでは、個人を特定することは不可能です。
特定したいのならば、昔みたいにライブドアが認めた人だけがコメントできるようにすればいいのです。

今度の改正はとてつもない改悪です。
当該著作物を著作権法の規定に基づき無償利用することを期間無制限で非独占的に許諾(ライブドア利用規約)
これは、ライブドアが著作物を著作権の権利者から使用を許諾された団体だと認めろっていっているのですよ。著作権は作者にあり、
ライブドアは法的にそれを使ってよろしい許諾者だといっているのです。だから、著作権法の規定とおりに自由に使えるといっているのですよ。

商業目的でない著作物の利用は無償になるのですが、商業目的の利用は有償です。許諾者だろうが、著作権者に金をはらはなくてはいけません。それを無償にしろっていうのは、権利の侵害です。

ライブドアに良識があるかなんて論点は的はずれです。
改定に見せかけた改悪をやる企業なんかに良識のカケラも感じられません。
3. Posted by miccckey   2004年11月18日 15:29
>ムシムシさん

商用目的での「無償利用」が問題ですか、やっぱり。この無償利用が行われる場合、果たして規約改定日以降のブログコンテンツだけに限定されるかどうかも怪しいものです。

livedoorBlogユーザーとしては、とりあえずライブドアの好きなようにさせておいて(泳がせておいて)、商用目的での「無償利用」が行われた段階で集団訴訟を起こすという手もあります。勝てる可能性が高いかもしれないけど、時間と金がかかるだけで、あんまり報われない訴訟になりそうです(「乳牛」記事に書いたとおり)。

ライブドア社としたら、法的に問題があるとしても結論が出るまでに時間がかかるだろうし、まさか集団訴訟なんて起こされないだろうという読みもあるのかもしれません。ま、別にこんなのはライブドアに限らず、一般企業でもありがちなことで、とりわけIT系ではよくあることでしょう。

だから結局、ライブドアの良識を信用できない人は、自分のコンテンツが無断使用されないための対策を講じておけばよいとしか言いようがないと思うんです。一番簡単なのは、よそに移転すること。

》ライブドアに良識があるかなんて論点は的はずれです。
》改定に見せかけた改悪をやる企業なんかに良識のカケラも感じられません。

このお怒りは、私憤ではなく公憤だとお見受けしました。ライブドアを使用しておらず、外から見ているムシムシさんにしたら、こんな改悪を甘んじようとしているlivedoorBlogユーザーが「はがゆくて」たまらないのでしょうね。










4. Posted by ムシムシ   2004年11月18日 16:59
私みたいに、最初から自分の著作物が商用利用をされることに納得して、サービスを利用しているならば問題は無いと考えています。

しかし、ライブドアの場合は商用利用しないみたいな感じで客を集めて、人が集まったから規約を改定して利用しようなんて不義理な行為は許せません。

しかも、法的に問題なしみたいな規約を書いて、無知なユーザーを安心させようとする根性も許せません。

ライブドアはなにがなんでも、商用利用したいみたいなので、許せない人は移転するしかないと思います。

ついでに、著作権にあまりに無関心なWeb上での「物書き」の方も「はがゆくて」たまりません。
5. Posted by miccckey   2004年11月18日 17:05
>ムシムシさん

ムシムシさんの一連のご意見は、とても貴重なものと受け止めています。

ただコメント欄はスルーされることが多いので、できれば一連のコメントをそっくり表の記事に上げて、皆さんに見てもらいたいと思っています。

かまいませんか? 一部だけ引用ではなくすべて表に出し、対応する私のコメントもそっくり表に出します。で、ちゃんと区別できる形で、私の考えなどを書こうと思います。(コメントの著作権が私に発生しているのであれば、わざわざ了承をとる必要もないわけですが(苦))

6. Posted by ムシムシ   2004年11月18日 18:09
見落としがあったので、修正させてください。

第七節 権利の行使 (著作物の利用の許諾) 第六十三条 2項
許諾を得た者は、その許諾に係る利用方法及び条件の範囲内において、その許諾に係る著作物を利用することができる。

とあります。えらそうなことを言って見落とし、間違いがあるなんて恥ずかしい限りです。やっぱり法律の専門家のほうが一枚上手です。

規約に同意すれば、宣伝、利用促進、出版 に限って言えば、著作者と同等の権利をライブドアが持つことになります。また、「等」が入っているので、場合によってはその他の権利も指すと考えられます。こうなると、ライブドアのやりたい放題ですね。

ようするに、法的になんの問題もなく著作物を自分に好きなように利用することができる。なんとも、まぁ「悪魔の規約」になっていると解釈できます。法的に問題なくても、企業モラルとして最悪じゃないのかと……

この、コメントで前のコメントでを修正させていただけるのなら、私みたいな者が書いた文章でいいのなら、まったくかまいません。

ただし、miccckey様にご迷惑がかかっても、私には責任をとりかねます。ということだけ申し上げます。
7. Posted by miccckey   2004年11月18日 18:18
>ムシムシさん

ご了承&再び鋭いご指摘、ありがとうございます。

今夜遅くに、ムシムシさんのコメントをまとめた記事をアップしようかなと思います。

》ただし、miccckey様にご迷惑がかかっても、私には責任をとりかねます。ということだけ申し上げます。

ははは。もし「迷惑」がかかるなら、もうコメントしていただいた時点でそのリスクが生じております(笑)。livedoorBlog規約によれば、ムシムシさんのコメントの著作者は、ムシムシさんではなくて、このわたくしなんですから。(まったくナンセンスな話だと思うんですがね)。

まあ、「悪魔の規約」とか過激な表現もなさっているけど(笑)、あくまで「こういう警鐘を慣らしておられる人がおられるので参考にしていただきたい」という形で表に載せるだけなので別に大丈夫じゃないでしょうか。

コメント欄のコメントを表の記事にする方式は、「アンチライブドア」方式と呼ばれています(って私が勝手に名づけただけだけど)。以前にそういうブログがあって、コメント欄に寄せられたライブドアへの批判や苦情を表の記事にローテーションする手法を使っておられたんですわ。

8. Posted by miccckey   2004年11月19日 00:27
>ムシムシさん

コメントを表に出す記事、今夜中に出すつもりでしたが、ちょっと時間に余裕がないので、もうしばらくしてから書こうと思います。
9. Posted by スレ管   2004年11月20日 03:16
おそくなりました。ブログに不慣れで気付くのが遅れました。
記事を読み当方のブログが消えた件、記事が削除された理由がわかりました。
無料利用なのでこんな扱いも致し方ない事のかと考えましたが、PRO利用のこちらでも同じ処遇なのですね。全く腹立たしい限りです。

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