2004年09月02日
Nさんは、季節性の高い業務内容の会社を営んでいる。社員数は10名ほど。仕事が暇になる時期に合わせて年に2回も慰安旅行がある。しかも海外である。こんな時代に豪勢な話ではある。
Nさんは普段はおだやかな人柄なのだが、奇行癖があることで知られている。ふとしたはずみで、突拍子もない行動に出ることがある。数年前の慰安旅行ではスペインのバルセロナに行ったのだが、日本人ガイドから現地には町を全裸で歩いていても罰する法律がないことを聞き、さっそく全裸になって街を闊歩した。
今年の1回目の慰安旅行の行き先は、アメリカ西海岸だった。入国審査時に、1枚の紙が渡された。英語と日本語が併記されており、「はい」「いいえ」で答えるように指示された。次のような問いに答えなければならなかった。
Nさんは普段はおだやかな人柄なのだが、奇行癖があることで知られている。ふとしたはずみで、突拍子もない行動に出ることがある。数年前の慰安旅行ではスペインのバルセロナに行ったのだが、日本人ガイドから現地には町を全裸で歩いていても罰する法律がないことを聞き、さっそく全裸になって街を闊歩した。
今年の1回目の慰安旅行の行き先は、アメリカ西海岸だった。入国審査時に、1枚の紙が渡された。英語と日本語が併記されており、「はい」「いいえ」で答えるように指示された。次のような問いに答えなければならなかった。
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このほかにも、本当の答えが「はい」であっても決して「はい」と答えてはならない設問が続いていた。
これを見たとき、普段はおだやかなNさんのハートに再び止められない炎が燃え広がった。すべての設問に「はい」と答えたのである。
審査官に用紙を渡すと、審査官の顔が青ざめた。すぐに屈強な男たちが4人ほど現れ、Nさんを取り囲んだ。Nさんの体に直接触れることはなかったが、Nさんを別室へと導いた。
Nさんは、まず自分が英語をほとんど理解しないことを彼らに訴えた。すると、片言の日本語を話せるスタッフが部屋に呼ばれ、尋問が始まった。
Nさんは「はい」と「いいえ」をすべて間違えてしまったのだと説明したが、彼らはなかなか納得しない。間違えるような設問の仕方ではないのだから、そんなことはありえないだろうと執拗に追求された。
結局、2時間後にNさんは解放され、入国を許可されたのだが、待っていた社員たちは相当怒っているふうに見えたという。Nさんは、意味のない質問だから「はい」と答えてやりたくてたまらなかったのだと語っている。
「テロリストが自分でテロリストと認めるわけないだろう。ああいう設問にいったい何の意味があるんだ? 結局、入国審査当局がいざというときの責任逃れの材料にするだけのものじゃないか」
まあしかし、Nさんにしても、すべてに「はい」と答えることでこういう結果になるだろうことはわかっていた。入国を拒否されなかっただけ、まだマシなくらいである。
意味のないことに突っ込みを入れたくなったという動機は理解できる。入国拒否のリスクを顧みず、その無意味さに果敢に一石を投じたくなったNさんの「けなげさ」には、少しだけポイントを与えてもよさそうだ。4ポイントと評価しておきたい。
けなげさ4 | ■■■■□□□□□□ |
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1. [NEWS]「はい」と答えたらいけないのは承知の上、あえて「はい」と答えてみる [ ジャンク☆ニュース 臥龍 ] 2004年09月04日 13:23
>> あなたは入国後重大な犯罪を犯す予定がありますか? あなたは麻薬やそれに類する薬物を常用していますか? あなたはテロリストですか? << こんなんに○つけるやつがどこにおんねん!
この記事へのコメント
1. Posted by れい 2005年10月13日 23:15
私もこの紙を書くときにすっごい「はい」って書きたくてたまらなかったです!
書いたらやっぱり面倒な事になるんですね〜
はいと書いたらどうなるんだろうかという疑問を身をていして「はい」と書いてくれたNさんに感謝します!!
書いたらやっぱり面倒な事になるんですね〜
はいと書いたらどうなるんだろうかという疑問を身をていして「はい」と書いてくれたNさんに感謝します!!