なんでも評点:没落記(3)

2022年06月16日

没落記(3)


「没落記(2)」で「最近人のやさしさに触れて心洗われることが増えた。人がやさしいことを再発見した」と書いた。人のやさしさ――それはたとえば、野良猫に対する優しさだ。私は、昔から野良猫に好かれやすい。こちらから餌などをオファーしなくても、意味不明な人懐こさで野良に接近してこられることがある。たとえば、下の写真がそうだ。
NoraNatsuku

この写真を撮ったのは、「没落」がまだ潜伏していた2015年ごろ。遠回りして個人事務所に自転車通勤していた途中の仔猫スポットで仔猫に襲撃された。私は、あの子らに一度も餌を与えたことがない。だが、なぜか私に興味を寄せて近寄ってくる。ロードバイクを地面に横たえると、彼らがロードバイクを占領する。私自身ではなく、鉄の――いや正確にはカーボンファイバーの車体に引き寄せられていただけかもしれない。

まあなんでもいい。仔猫たちには、私は野良猫の仲間だが、魔法の箒みたいなものに跨っている仲間だと受け止められていたのだろう。……あいつは、あの白い箒に跨っているとき、簡単には追いつけないほど素早い、と。野良猫は、私たち人間の心を打つ優しさを秘めていることがある。そして、ズタボロになったノラたちの世話をする優しい人間たちがいる。


この動画がまさにそんなふうに優しい人間の取り組みを描いている。だが、画像の最後の部分に私は注目したい。動画作者が猫の気持ちに立ったセリフを書き込んでいるのだが、作者の慧眼に心動かされる。野良はたまたま自分が生まれ育った環境をいつまでも覚えていて、感情を深く移入している。普通の人なら見落としてしまいがちだが、野良猫の真実を鋭く突いている。

最近も、ある雨の日、ズタボロな野良猫並みの私に手を差し伸べてくれた優しい人がいた。私は野良猫よろしく、その人に懐いてしまった。でも猫なので冷たいものだけど(笑)

「人は優しい」とだけ書いて終わるほど、根が正直でないことは、当ブログの古くからの読者ならご存じのとおりだ。コンプライアンスは、動詞「comply=服従する」に由来する名詞だ。今やコンプライアンスが支配者目線の言葉だと知ってる人はあまりいないだろう。下々の者が言いつけを守っているかどうかに関する言葉なのだ。

そして、コンプライアンスが人から優しさや柔軟さを奪う。没落の底へ沈んだ私を苛んでいるのは、敬虔なコンプライアンス教信者の皆さんだ。最近は、ネットも便利になり、フリーランス案件を検索できるサイトもできている。私が英検1級を持っていないことで失格となったときに、某SNSに次のように愚痴った。

私、そもそも英検を受けたことがない。TOEICやTOEFLも受けたことがなく、その違いを分かっていないし、知ろうともしていない。受験英語では常に全国トップテンを維持し、20代のころに海外に飛び出して、英会話も適当にこなしていたから、資格の必要が何一つなかった。受験英語が出来たから滅茶苦茶な話し手にはならなかった。アフリカ人やインド人と話した英語は相当にブロークンだったし、最近知り合ったインド人とも滅茶苦茶な英語を話してるけどね(笑)

ところが新しい案件、発注者からアホな返答。「募集要項にもございます通り、今回の募集はライティング・文法力を重視しておりますので英語の保有資格のない方はご遠慮頂いております。
<採用目安の英語のレベル>
・ 英検1級、準1級、TOEIC850点以上 」

コンプライアンス至上主義に支配されてるんでしょうね。先に英検1級の仕事をくれた発注者は、資格のない私が相手でも力を認める能力のある人だったけど、能力の低い人たちを束ねるには「コンプライアンスで縛る」のが一番!(苦笑)


この続きは次回掘り下げる。


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miccckey at 15:21│
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(評)けなげさ 

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