なんでも評点:不気味なGoogle:「口がない赤ちゃん("baby with no mouse")」というフレーズは検索できない

2022年01月22日

不気味なGoogle:「口がない赤ちゃん("baby with no mouse")」というフレーズは検索できない


久しぶりに「世界仰天系」の記事を書こうと思う。10年前と比べてアクセス数が数百分の1まで減った「なんでも評点」だが、先日からアクセス解析をチェックしていると「3つ目の赤ちゃん」を検索して来訪する人が多いのがわかる。

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(1)Googleから除外されるフレーズ

そこで、これと似たフレーズとして「口のない赤ちゃん」を思いつき、サイト内検索をかけてみると

生まれつき口のない女の子が見つかる

という記事が見つかった。2007年の記事だが自分で書いた記事である。しかし、完全に忘れていた。これは、本当に「口がない赤ちゃん」の話なのだが、検索サイトからのヒットは皆無に等しい。なぜか? Googleで「口がない赤ちゃん」を検索しても、ヒットするのは「口唇裂」に関する情報ばかりだ。これはYahoo検索でも同じ結果になる。

明らかに「口がない」関連の情報にフィルターがかけられている。ただ単に「口がない」だけを検索すると、数百万件のヒットがあり、通常どおり「働き口がない」などの慣用表現も多数含まれる。だが「口がない」の後ろに「赤ちゃん」や「女の子」が続いていると、急にフィルタリングされ、「口蓋裂」関係の情報だけに絞り込まれる。

ゆえに「生まれつき口のない女の子が見つかる」というタイトルは、検索エンジンに検出されているはずだが、何らかの条件が働き自動的ドロップ(除外)されていた。だから、検索からのヒットがゼロであり、書いた当人もうっかり忘却していた次第である。

なお、英語で"baby with no mouth"と検索しても、検索結果におかしな点はない。口蓋裂以外の情報も普通に見つかる。たとえば、

4-Year-Old Boy Born Without a Nose, Eyes or Working Mouth ... (鼻、目、機能する口が生まれつきない4歳の少年…)

という記事が見つかる。この記事については、最後にその内容を紹介する。これを訳した日本語記事は見つからない。実は存在しているのかもしれないが、「なんでも評点」の上記の記事と同じく、検索からアクセスできない以上、存在していないに等しい。そもそも、今書いているこの記事自体、GoogleのNG圏内に入っている可能性があるので、検索からアクセスできなくなるおそれがある。このため、見出しは日英併記としたわけである。

(2)「口のない少女」という邦題の映画にはアクセスできない

あなたが映画製作者もしくは配給者なら「口のない少女」という題名は絶対に避けるべきだ。なぜなら、Googleから誰も来ないから。いや、実際にGIRL WITH NO MOUTHという英題のトルコ映画が2019年にリリースされている。

「戦争で荒廃した終末後の地域から、有毒な爆発による奇形に苦しむたくさんの子供たちが冒険に乗り出す」という設定の映画である。Youtubeにトレイラーが出ているので下に貼っておく。日本語情報は見つからない。繰り返すが、存在していてもGoogleで検索できないからだ(Youtubeは英語で検索したのでヒットしている)。



なお、本稿では、この後、AIの誤判断というトピックに斬り付けるのだが、私の手作業ではなくAI翻訳の結果を下に貼る。この映画のレビュー記事である。わかりやすいとは言えない(昭和期の“アングラ”臭の匂う)日本語訳ではあるが、だいたいは意味を取れる。AIは過去のデータを活用するわけで、このAI翻訳については蓄積された過去訳に大きな問題がないことを意味している。

トルコの終末論的な子供たちの冒険「口のない少女」は、ストーリーテリングの極めて重要なことについての生存者の物語です。それは、「第一次世界大戦」と「「企業」での爆発」についての不寛容な序文から始まります。ペリハンという名前の若い女の子は、トルコ語で「ペリ」または「妖精」の定義で翻訳されます。 「北の小さな町にある」名前のない森の周り。彼女はラクメのドリーブの「フラワーデュエット」を聴いています。これは、人気のあるオペラアリアが、お父さんが死にかけようとしている感傷的な速記としてよく使われるようになったため、何か暴力が起きようとしていることを示唆しています。

案の定、ペリハンの父親(セルメット・イェシル)は数分後に彼の不寛容な企業の手先の兄弟ケマル(メフメト・ユルマズ・アク)によって殺害されました。ペリハン、彼女の口があるべきところにひだのある傷跡を持つ少女。ケマルは映画の残りの部分をペリハンと同様に傷ついた子供たちのグループ(1人は盲目、1人は鼻がないなど)を追いかけて過ごしますが、企業の報復に対する彼の自由に浮かぶ不安は、このおとぎ話の濡れた麺では決して報われません。

代わりに、「口のない少女」は、子役がいくつかの老朽化した内部と日当たりの良い外部を蛇行し、彼らの性格を定義するトラウマについて漠然と話すだけの、一種の半ば焼けたポストモダンのファンタジーです。ペリハンは、若い自称キャプテン(デニザン・アクババ)と彼の不適合なプレティーンのギャングにバウンドしたときに、新しい養子縁組の家族を見つけました。彼らはすべて「ハンター」から逃げています。しかし、作家兼監督のCan Evrenol(「Baskin」)と彼の共作者であるKutay Ucunは、「 PeterPan 」のLostBoys 、「Mad Max :サンダードームを超えて」、または「悪魔のバックボーン」からのスペイン内戦の孤児。


(3) 検索エンジンの“情報操作”疑惑もあるが、新たな“海路”も開けている?

日本語で「口がない赤ちゃん」と検索したときに「口蓋裂」情報ばかりがヒットするのは、医師たちからの圧力が検索エンジンを動かしたためなのか? それとも「言葉狩り」の圧力なのか? 私的には、そのどちらでもない気がする。これは、別の記事(あるいはシリーズ)を立てようと思っている話題だが、AIの誤判断ではなかろうか?

誤判断なら修正される可能性もあるが、AI信仰が花盛りの今、AI絡みのミスはなかなか見直されることがないと思う。人間の判断よりAIの判断の方が正しいというAI崇拝が支配しているからだ。ならば、これから先は、AIの誤判断を見つけ出し、その穴を突くことにもニーズが出てくると思われる。特に今回は、日本語と英語とで違う結果になっている。これは、日本語と英語の違いに起因する問題かもしれず、そうであればAIの誤判断の余地は他にも無尽蔵に存在しうる。ならば、私のようにAIに追いやられた人間翻訳者にはうってつけのリベンジチャンスとなる。“AI誤判断ハンター”という職業も成立しうるのではないか。

参考記事誤ちを犯すAI、なぜ男性や白人を“ひいき”してしまうのか

(4)鼻、目、機能する口が生まれつきない4歳の少年

この男の子を紹介する記事の冒頭には、「私に見えるのは、異形の男児ではない。綺麗で可愛らしく、心の美しい男の子がそこにいる」という記者の言葉が添えられている。モロッコで生まれたヤーヒャ・ジャバリーという名の4歳の少年だ。鼻、目、機能する口が欠落して生まれた。頭蓋骨の形成不全も患っている。ヤーヒャちゃんは、16時間かけて、彼のこれからの人生を変える大手術を受けようとしている。

以下、Youtube映像を紹介しておこう。この映像も、Googleに「口がない子供」と入力してもアクセスできない。彼の容姿が“異形”だからNG扱いになっているのでないことは、英語なら容易にアクセスできることから明らかだ。



ヤーヒャは、生まれつき顔の大部分を欠いている。彼が母の胎内にいるとき、頭蓋骨が正常に成長せず、顔面には鼻の代わりに穴が残された。眼球は欠落しており、上顎はひどく歪んでいる。

医師たちは、この“散発性”形成不全を引き起こした原因を特定できていない。ヤーヒャが生まれてすぐのとき、医師たちはヤーヒャが長くは生きられないだろうと両親に告げた。両親は、ヤーヒャが感染症にかかって死ぬのではないかと心配し、外に出ていない。ヤーヒャを一度も見たことがない隣人もいる。

オーストラリアのChannel 7でレポーターを勤めるアンドリュー・ロックフォード医師は、1年前にヤーヒャと面会したときのことを話す。「ヤーヒャは、顔面が正常に融合しておらず、重度の分裂状態です。ヤーヒャには眼球がなく、鼻があるべき位置には穴が空いていて、骨が見えています。彼の頭頂部に触れると、彼の前頭を覆うべき位置に頭蓋骨が正常に形成されていないため、脳が脈打っているのが感じられます。ヤーヒャは、骨片が正しい位置で融合していないため、口が欠落しています」

両親は、ヤーヒャを手術してくれる医師を必死になって探したが見つからなかった。昨年、両親がFacebookで助けを求めたところ、その投稿が注目を集めた。モロッコ生まれのオーストラリア人女性ファティマ・バラカさんの目に止まり、手術してくれる医師がついに見つかった。

「顔の真ん中に大きな穴が空いているように見え、歯がすべて攀じ曲がって、本来なら鼻がある部位に向かって延びているのは、幼い男の子でした。しかも、目がない」とバラカさんは言う。彼女は、メルボルン王立小児病院のトニー・ホームズ医師となんとか連絡を取ることに成功した。ホームズ医師は、18時間に及ぶ大手術の執刀に同意し、何か月もかけて手術の計画を練った。ヤーヒャが受ける顔面手術は、皮膚を自家移植して鼻を作り、上あごを形成するというもので、大きな危険を伴うが、手術を受けなければヤーヒャは死ぬ可能性が高かった。

「手術のリスクは甚大でしたが、彼が得たQOLを考えればリスクを賭した甲斐がありました」とホームズ医師。

(5)まとめ

以上、検索エンジンの不気味な挙動と「口がない子供」に関するメディカル系の話題を1つに詰め込んだ風変わりな記事となった。冒頭に触れた「生まれつき口のない女の子」はチェルノブイリがあるウクライナで起きた事件を取り上げている。そして、2項で触れた『口のない少女』という映画は核戦争後のディストピアを描いたものである。これらはいずれも核汚染が関連している。核関係は、さまざまな情報操作が疑われたりもする分野だが、天下のGoogle先生が核絡みの圧力を受けるはずがない。純粋に「口のない子供」に関する情報を検索しにくい現状は不便だ。やはり、AIの誤判断が招いた結果だと思われる。

英語で検索する場合は問題がないのだから、日本語のハンドリングに固有の不具合だと思われる。検索エンジンのこういう“穴”は、「口がない子供」以外にもありそうだ。AI翻訳隆盛と在宅勤務トレンドの煽りを受けて仕事を失った私のようなフリーランス翻訳者、つまり“古式人力翻訳マシン”は、当面、AIに起因する“穴”をハンティングしてお茶を濁すとするか。AIにリベンジすると言っても、長い目で見れば勝負はAIの勝ちに決まっている。こんなに早くAI翻訳に仕事を奪われるとは思っていなかった。

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