なんでも評点:破局噴火を引き起こした火山が関西地方にあり、今にも破局噴火を起こしそうな火山が北海道の北の果てに存在

2021年10月23日

破局噴火を引き起こした火山が関西地方にあり、今にも破局噴火を起こしそうな火山が北海道の北の果てに存在


関西地方には火山がないということになっている。しかし、今では廃語となった「死火山」なら多数存在する。日本語では、「死火山」と「休火山」の呼称を使用しない取り決めとなった(英語圏では、両者に対応するextinct volcanoおよびdormant volcanoが普通に使われており、翻訳を生業とする私から言わせれば、日本特有の「言論統制」の匂いがする)。

では、ここでは便宜上「死火山」を「火山の痕跡(traces of a volcano)」と呼ぶことにしよう。関西には「火山の痕跡」なら多数存在している。スキー好きにお馴染みの神鍋山などの神鍋火山群や城崎温泉近くの玄武洞(ともに兵庫県豊岡市に所在)が代表であり、噴火歴は160万年ほど前と割に新しい。
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もっと噴火歴が古くてよいなら、三重県津市と奈良県宇陀郡曽爾村にまたがる高見山地の室生赤目青山国定公園第一種特別地域内にある曽爾高原や、大阪と奈良の県境にある二上山、そして兵庫県西宮市に位置する甲山などがある。噴火歴は1000万年以上前とかなり古い。

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そして、火山がないのに温泉を潤沢に湧出する和歌山県には、地球規模の影響をもたらす破局噴火を起こした空前絶後の“ラスボス”が存在する。火山爆発指数8の史上最強値を記録した熊野カルデラである。阿蘇カルデラの25km×18kmを大きく凌ぐ41辧23ものサイズを誇る。Wikipediaには驚愕の事実が綴られている。

この噴火のため地球全体の気温は10℃以上低下し、大量絶滅が起きた。実際に約1500万年前〜1400万年前には、地球上で大量絶滅が起こった事が知られている。また、この噴火は約7万4000年前に起こったトバ火山の破局的噴火(噴出物の総量は2800㎦ DRE)や、イエローストーン国立公園で起こった約210万年前の破局的噴火(噴出物の総量は939㎦ DRE)と並ぶ、地球史上でも最大規模に近い破局的噴火でもある。


このカルデラは、1400万年もの間に風雨で浸食され、形骸しか残していない。しかし、その形骸上に花窟神社(南海トラフの危機が迫る中、先日、神体の岩が崩れた)、丹倉神社、神内神社、那智の滝、神倉神社、御船島、河内島など、数々の神々しい自然・文化遺産を残している。熊野という土地は、海底に眠る南海トラフと切っても切れない関係にある。

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「死火山」と見なされていたのは、マグマの供給が完全に断たれているからだろう。しかし、紀伊半島の地下には、火山活動期から1400万年経過しても今なお熱い岩盤とそしてその下に連なるマグマがある。非科学的との誹りを恐れずに言えば、南海トラフが活性化したら、マグマの供給が再開されないと限らないのではないか。

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北海道の雌阿寒岳はかつて「死火山」と見なされていたが、現在は活火山である。しかし、そのあたりのことに触れているネット情報が薄いので、ここではロシア最極東の火山のことを取り上げよう。「死火山(extinct volcano)」が最近になって息を吹き返した極めつけの例である。

「Extinct volcano has woken up and scientists say it could erupt 'at any moment」と題するCNNの記事に基づいて、そのあらましを紹介しよう。この見出し、日本語に直訳すれば「死火山が目覚め、いつ噴火してもおかしくないと科学者」となる。日本では廃語になった「死火山(extinct volcano)」という用語を何のためらいもなく使っていることに注目(実際、英語圏の少なくとも報道分野では、死火山や休火山という表現がタブー視されていない)。

このボルシャヤ・ウディナ火山は、今後「破局噴火」を引き起こす可能性すらあると警告されているのだが、その位置は日本に至近である。下の映像(英語)に描かれているように、カムチャッカ半島中部に位置している。千島列島は、カムチャッカ半島目指して列をなしている。現在、日本で最も恐れられている地震源の1つである千島海溝とも連動しそうな位置関係にある。熊野カルデラの復活を危惧するより、はるかに現実味を帯びた危機がそこにある。



ボルシャヤ・ウディナ火山は、長らく「死火山(extinct volcano)」とみなされていた。しかし、1999年から異変が起きる。2017年に至るまでに約100回の小規模地震が発生し、2017年には分類がextinct(死火山)からactive(活火山)に急遽変更されたのである。活火山復活の瞬間であった(あくまで人間から見た分類に過ぎないが)。

2017年10月から2019年2月の間に、約2,400件の地震が発生している。2月には、マグニチュード4.3の地震が起きている。これは、この地域でこれまでに発生した中で最強の地震だという。

ボルシャヤ・ウディナ火山の研究を主導している地球物理学者のクーラコフ氏は、「いつ噴火してもおかしくない」とCNNに語っている。

破局噴火(Catastrophic eruption)については、下の日本語映像をご覧ください。




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