2017年07月04日

車内で彼女とのファーストキスを試みた青年が解体用の鉄球と化し、全員に致命傷を負わす


"First Kiss"と題するこのビデオ、20代前半と思われる若いカップルの幸せだが、どこかもどかしい時間を映し出した映像にしか見えない。何が「もどかしい」かと言えば、年長のカップルに連れられて行った先のホームパーティでは、2人がキスしようとするたびに、2人が身体を寄せ合っている狭いスペースを他人が通り過ぎたりする。別に意図的に邪魔されているわけではなく、2人が家の内外の狭い通路をファーストキスの場に選んでいるだけのこと。

ホームパーティが終わって年長カップルの旧型メルセデスの後部トランクあたりに身をもたれてキスしようとしたときは、年長カップルの男の方が「さあ行くぞ!」と声をかけてファーストキスを寸前で遮る。このようにファーストキスが何度も未遂に終わるのは、実は伏線だ。予想外の悲劇へと雪崩れ込む伏線なのだ。(精神的ショックを受けやすい人には、決して閲覧をお勧めしません)。




ベンツが走り出してしばらくすると、2人に再びファーストキスのチャンスが訪れる。2人が顔を寄せ合おうとしたその次の瞬間、ほのぼのした映像は凄惨なスローモーションへと切り替わる。青年の身体が車内を飛び回っていることに気づけた人は、洞察力に長けている。この映像を公開しているYutubeページのWarning欄にもまさしくこう書かれている。

In a crash, unbuckled passengers become wrecking balls, and kill or permanently disable other people in the vehicle.
衝突時には、シートベルトをしていない乗客が「解体工事用の鉄球(wrecking balls)」と化し、車内の人たちを死や回復不能な障害に至らしめることになります。


上記のことを警告する交通安全コマーシャルとして作られたのがこのビデオである。ビデオのエンディング間際、地面に4つの死体袋が並んでいるのが見える。警察官もしくは救急隊員と思われる人物が無線で「4名死亡。シートベルト未着用の1人が他の3人に致死傷を負わせた模様」と連絡しているのが聞こえる。

実際、映像を振り返ると、この青年だけがシートベルトを着用していない。事故発生の直後、その彼が助手席の女性に頭突き、運転手の男性に膝蹴り、そして恋人同士になろうとしていた彼女にも頭突きを食らわせている。これらの動作は車両に加わった強烈なGに翻弄されて1秒以内に起きたことだろうから、致命傷になるほど速度が高く、インパクトが大きかったはずだ。

このビデオは、昨年南アフリカ共和国で#AdOfTheYear for 2016の1つに選ばれたもの。4人全員ノーシートベルトという状況で描いた映像ではない点が重要だ。上記のとおり、車内に1人でもノーシートベルトがいると、その乗客の身体が凶器になって乗客全員が死亡する可能性があることを訴えている。この事故、青年がシートベルトをしていれば、もっと小さな被害で済んでいた可能性も高いと思われる。




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