2014年01月31日
南アフリカ共和国には、AIDSの特効薬もあればガンの特効薬もある。さまざまな病気を治す薬がある。病気だけでなく、幸運を呼び寄せる薬や、惚れ薬もあれば、透明人間にしてくれる薬さえある。これらの薬は「ミューティ(muti)」と総称され、「サンゴマス(sangomas)」または「イニャンガス(inyangas)」と呼ばれる伝統的呪術医の手によって処方および調合される。
透明人間になる薬(invisibility muti)には、さまざまな使い道があるはずだが、悪人がこれを好んで使うことは言うまでもない。透明である限り、どんなに悪いことをしても絶対に見つからないし、追跡されたり、銃で撃たれたりすることもありえない。
では、透明人間になる薬を実際に犯罪に“悪用”した場合の効き目は、いかほどのものだろうか?
3月3日のこと、ヨハネスブルグ近郊のイースト・ランドで、透明人間になる薬を全身に塗りつけた男が小型バンを走らせていた。男が運転していたのはリンポポ州で盗んできた車だったが、透明人間になった自分が捕まることはありえないと安心しきっていたようである。
だが、しばらくするとパトカーが近づいてきて停止を命じられた。運転者の姿が見えないことで逆に不審に思われたのだろうかと男は思ったかもしれない。だが、自分の姿は見えていないはずなので、無視して逃げることにした。
警察は、運転者の姿が見えないから停車を命じたわけではなかった。そのバンには、電波発信式の追跡装置が搭載されていたのである。
パトカーのほか、ヘリも追跡に参加し、男はついに行き場を失った。車を草原に乗り入れた後、外に出てきた。だが、彼はまだ、警官たちに自分の姿が見えていないと信じていたようだ。自信満々で警官たちに向けて発砲した。
だが警官たちには、もちろん男の姿が見えていた。警官たちはすかさず応戦し、男の頭部と首に弾丸が命中した。それらが致命傷となり、男は死んだ。
警官たちは、男の身体に薬が塗りつけられているのを見て、「またか」と思った。実際、透明人間になる薬を使って犯罪行為を働く輩が後を絶たないのである。
たとえば、2004年の11月には、4人組の男たちが透明人間になる薬を全身に塗りつけて、肉屋に盗みに入った。だが、やはり薬はまったく効かず、店の人たちに姿を見られてしまった。そこで、彼らは、透明人間のままこっそりお金を頂戴する計画を変更し、金品を力ずくで強奪することにした。
逃走用の車両に乗り込もうとしている途中で警官たちに取り押さえられてしまった。金品はすべて無事に回収された。
彼らの車の中には、大量の薬(ミューティ)が見つかった。透明人間になる薬のほかにも、さまざまな薬を用意していたらしいが詳細は不明である。
そもそも、この4人組は、透明人間になる薬を塗った後、お互いの姿を確認しなかったのだろうか? お互いの姿が見えていれば、誰も透明になっていないと結論付けることができそうなものである。それとも、薬を調合した呪術医から「透明人間どうしは互いの姿を見ることができる」と教え込まれていたのだろうか。
上記2つのケースのどちらについても、犯人たちが衣服をすべて脱いでいたかどうかは不明である。何も着ずに薬を塗って透明人間になりおおせたつもりだったとしたら、これまた痛さが増す話である。あるいは、服の上から塗れば、服を含めてすべてが透明になるタイプの薬かもしれない。というか、そんな効き目はどちみちありえないわけだが。
さて、「ミューティ(muti)」に関しては、ありえない効能を信じてお粗末な結果を招くという笑い話めいた側面のほかに、もっと深刻な問題もある。本来のミューティは、薬草や動物の組織などから調合されるのだが、近年、人体の一部を材料に使おうとするケースが増えている。
ミューティの材料を調達するために殺人が行われている。特にターゲットになりがちなのは、処女や童貞少年だったりする。特に、童貞少年のペニスを使うとAIDSの特効薬が出来ると信じている人たちがいる。南アに限ったことではなく、ケニアなど他のアフリカ諸国でも、この迷信が広まっているようだ(下記「関連記事」参照)。
この手の迷信の根は深く、南アでは、乳児と交わるとAIDSが治ると信じている人たちが少なくない。そのために、父親がわが子(それもまだ1歳未満の娘)をレイプするという事件が頻発している。
■ Sources & References:
【関連記事】
ご注意: この記事は今から8年前の2006年03月05日に掲載した記事の再掲です。数年間も更新をほぼ停止していた当ブログですが、現在再開を検討中です。その一環として、実験的に過去記事を再投稿しました。
では、透明人間になる薬を実際に犯罪に“悪用”した場合の効き目は、いかほどのものだろうか?
3月3日のこと、ヨハネスブルグ近郊のイースト・ランドで、透明人間になる薬を全身に塗りつけた男が小型バンを走らせていた。男が運転していたのはリンポポ州で盗んできた車だったが、透明人間になった自分が捕まることはありえないと安心しきっていたようである。
だが、しばらくするとパトカーが近づいてきて停止を命じられた。運転者の姿が見えないことで逆に不審に思われたのだろうかと男は思ったかもしれない。だが、自分の姿は見えていないはずなので、無視して逃げることにした。
警察は、運転者の姿が見えないから停車を命じたわけではなかった。そのバンには、電波発信式の追跡装置が搭載されていたのである。
パトカーのほか、ヘリも追跡に参加し、男はついに行き場を失った。車を草原に乗り入れた後、外に出てきた。だが、彼はまだ、警官たちに自分の姿が見えていないと信じていたようだ。自信満々で警官たちに向けて発砲した。
だが警官たちには、もちろん男の姿が見えていた。警官たちはすかさず応戦し、男の頭部と首に弾丸が命中した。それらが致命傷となり、男は死んだ。
独りよがり指数10 | ■■■■■■■■■■ |
警官たちは、男の身体に薬が塗りつけられているのを見て、「またか」と思った。実際、透明人間になる薬を使って犯罪行為を働く輩が後を絶たないのである。
たとえば、2004年の11月には、4人組の男たちが透明人間になる薬を全身に塗りつけて、肉屋に盗みに入った。だが、やはり薬はまったく効かず、店の人たちに姿を見られてしまった。そこで、彼らは、透明人間のままこっそりお金を頂戴する計画を変更し、金品を力ずくで強奪することにした。
逃走用の車両に乗り込もうとしている途中で警官たちに取り押さえられてしまった。金品はすべて無事に回収された。
彼らの車の中には、大量の薬(ミューティ)が見つかった。透明人間になる薬のほかにも、さまざまな薬を用意していたらしいが詳細は不明である。
そもそも、この4人組は、透明人間になる薬を塗った後、お互いの姿を確認しなかったのだろうか? お互いの姿が見えていれば、誰も透明になっていないと結論付けることができそうなものである。それとも、薬を調合した呪術医から「透明人間どうしは互いの姿を見ることができる」と教え込まれていたのだろうか。
上記2つのケースのどちらについても、犯人たちが衣服をすべて脱いでいたかどうかは不明である。何も着ずに薬を塗って透明人間になりおおせたつもりだったとしたら、これまた痛さが増す話である。あるいは、服の上から塗れば、服を含めてすべてが透明になるタイプの薬かもしれない。というか、そんな効き目はどちみちありえないわけだが。
さて、「ミューティ(muti)」に関しては、ありえない効能を信じてお粗末な結果を招くという笑い話めいた側面のほかに、もっと深刻な問題もある。本来のミューティは、薬草や動物の組織などから調合されるのだが、近年、人体の一部を材料に使おうとするケースが増えている。
ミューティの材料を調達するために殺人が行われている。特にターゲットになりがちなのは、処女や童貞少年だったりする。特に、童貞少年のペニスを使うとAIDSの特効薬が出来ると信じている人たちがいる。南アに限ったことではなく、ケニアなど他のアフリカ諸国でも、この迷信が広まっているようだ(下記「関連記事」参照)。
この手の迷信の根は深く、南アでは、乳児と交わるとAIDSが治ると信じている人たちが少なくない。そのために、父親がわが子(それもまだ1歳未満の娘)をレイプするという事件が頻発している。
■ Sources & References:
- http://www.news24.com/News24/South_Africa/
News/0,,2-7-1442_1891788,00.html
- http://www.news24.com/News24/South_Africa/
News/0,,2-7-1442_1587639,00.html
- http://www.abc.net.au/foreign/content/2005/s1413663.htm
【関連記事】
- AIDSの“特効薬”という迷信のためにペニスをカットされた少年たち
- 包茎手術に失敗してブッシュの中でうずくまる少年たち
- 不死身になるための施術で死んでしまった
- 「お前はもう死んでいる」と言い渡され、生きている証拠を見つけられず困り果てている男性
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