2012年07月01日

興奮して暴れていた人が拘束直後に変死する怪現象は100年も前からあったが、今その謎が解き明かされようとしている


錯乱状態で暴れていた人が警察に取り押さえられた直後に死亡したというニュースがときどき伝えられている。警官による暴行が死因ではないかという疑惑を呼ぶこともある。日本だけではなく欧米でも、錯乱状態にあった人が(多くの場合は警察による拘束後に)突然死する事例がしばしば報告されている。

「Journal of Emergency Medicine」誌6月4日号に掲載された論文は、米国ノースカロライナ州で通りがかりの数人に暴力行為を働いた後、警察に逮捕された30歳男性の"症例"を取り上げている。男性は、体を異様に動かし、興奮していて、意味不明なことを話し、怒鳴り続け、大量の汗をかいていた。

米国でも日本同様、この種の錯乱した"容疑者"を確保した際はそのまま警察署に連行するのが普通である。しかし、警官たちは"容疑者"を連行する代わりに、救急病院に搬送することにした。「興奮性譫妄(せんもう)」の疑いがあると判断したからである。

譫妄(せんもう)とは、一時的に意識が混濁した状態を意味し、幻覚を伴うこともある。健康な人でも、寝ぼけているときは一種の"譫妄状態"に陥っている。それに異常な興奮が加わったものが「興奮性譫妄」なわけだ。興奮性譫妄は、薬物によって引き起こされることが最も多いとされている。この30歳の男性もマリファナを使用していたことを認めたが、その他の薬物は使用していないという。また、精神病理的な原因や医療用の薬剤が2番目に多い原因と位置付けられている。

搬送先のウエイクフォレスト・バプティスト医療センター(ウィンストン・セーレム)の医師の診断は、やはり「興奮性譫妄(excited delirium)」だった。男性は、重炭酸ナトリウム液などの点滴を投与され、無事、その錯乱状態から回復した。

米国では、2001年〜2007年の期間中、テーザーガン(現地の警察が採用しているスタンガンの一種)で身柄を確保された容疑者が150人以上もその直後に死亡しており、検死の結果、「興奮性譫妄」がその突然死に関わっている可能性があることがわかっている。このため、上記の警官たちは、暴れていた30歳の男性をまず病院に搬送したのだと思われる。

とはいえ、興奮した譫妄状態にある人が拘束後に突然死する理由は今のところよくわかっていない。だが、ウィンストン・セーレムの医療センターで30歳の男性を診察したウィリアム・ボーズマン医師は、興奮性譫妄が引き起こす心臓の症状「QT延長症候群」が突然死の原因ではないかと考えている。

実際、ボーズマン医師が診察した男性もQT延長症候群を患っていた。QT延長症候群とは、心拍が速くなったり不整脈になったりする心拍異常である。この不整脈が長く続くと突然死に至ることがある。

「錯乱して興奮し、暴れ回っていた人が突然死するのはなぜか? それが最大の謎です」ボーズマン医師は言う。「過去1世紀にもわたってこの現象が起き続けてきましたが、明確な答えは得られていないのです。(興奮性譫妄とQT延長症候群の関連については)今後の研究調査での検証が待たれます」。

ボーズマン医師の考えでは、興奮性譫妄がまさしくQT延長症候群の引き金になる。「体内のアドレナリン量がQT延長症候群に影響することがあります。(QT延長症候群の原因になる)電解質異常を常に患っている人もいれば、電解質レベルが変動する人もいます」。

補足するなら、興奮とはアドレナリンの上昇を意味する。興奮性譫妄という異常な状態は、アドレナリンを異常に増加させる。それが電解質異常につながり、QT延長症候群を引き起こし、場合によっては人を突然死に至らしめる…ということのようだ。

ともかく冒頭で触れたように、日本でも異常に興奮して暴れ回っていた人が警察による拘束直後に変死するという例が後を絶たない。興奮性譫妄およびQT延長症候群との関連は日本でも詳しく調査されて然るべきだろう。

★ ★ ★


ここから先は余談になるが、2年ほど前、未明の帰宅途中に、いつも通る橋の上の狭い歩道(自転車通行可)でペダルを漕いでいると、前方にひどく酔っていると思しき男性の姿を発見した。男性も自転車にまたがっているのだが、まっすぐ進むことはおろか、またがった状態でバランスを維持することさえできない状態。

だが、前方から自転車や歩行者が来ると、なにやら怒鳴り散らしている。みんな彼のことをただの泥酔者と見てやり過ごしていた。私が後ろから接近していくと、男性はますますバランスがとれなくなり、橋の欄干と車道側ガードレールの間をよろけている。

「ごめんなさい、通りますよ」と声をかけると、あっさりガードレール側にもたれて通してくれた。だが、通り過ぎた私の後ろから怒声が聞こえてくる。「早く通れと言ってるだろ! 早く通れよ!」と。

まだ私が追い抜いていないと認識していたらしい。無視していつもどおり先へ進んでいると、後ろから颯爽と走る自転車らしき音と、しつこく鳴らされるベルの音。振り返ると、さっきまで泥酔状態でバランスを取れなかったあの男が別人のように元気になって追ってくる。

そして、なにやらわめきながら私の自転車に体当たりを仕掛けてくる。なんとか直撃は交わしたが、男の肘が私の背中に当たった気がしないでもない。でもどうせ転倒するだろうと思って男を見たが、そんな行動をとりながらも、まだバランスを保ってペダルを漕いでいる。体当たりをされたことより、あんなに泥酔していたはずの彼が別人のように運動能力を取り戻していることに心底驚かされた。

こういうややこしい事態になった場合は、自転車を停めればよいわけだ。自転車を停めて男に「応戦」することにした。もちろん「勝算」があったからだ。男が酔っ払いでなく、本物の通り魔でもかなり有力な「勝算」である。実は、私が停まった地点のすぐ近くには、毎晩必ず警官が立って職質をしている場所があったのだ。

「じゃあおまわりさんに来てもらおうか」と男に告げた次の瞬間には、2人の警官が目の前に現れていた。「大丈夫ですか、怪我はないですか」と私に声をかけてくれる。一部始終を目撃していたらしい。手錠をかけたかどうかまで見ていないが、警官たちは男をあっという間に取り押さえた。

「なんで俺だけが捕まるんだ。こいつも捕まえろよ」とさらに悪態をつく男を取り押さえながら警官の一人が「被害届出しますか?」と聞いてくる。「いやもう帰って寝たいのでいいです。単に酔っ払ってるだけでしょ。そいつも明日になって留置場で目を覚ましたら、ひどく後悔するでしょうし」とだけ言い残してその場を去った。

この男の場合は、やはり単に泥酔していただけで、上記の興奮性譫妄には該当しないと思われる。しかし、泥酔していた男がなぜあんなに急に元気になったのか? これにもアドレナリンが深く関わっているはずだ。

普段から飲まない人や酒量を抑えている人は経験がないかと思うが、酒を飲み過ぎると、どうでもよいことで無性に腹が立ってくることがある。それはアルコールの分解に糖が消費された結果、低血糖に陥っているからである。で、酔っ払ったあげく怒りを爆発させた後、妙に頭が冴えてきたという経験のある人もいるのではないか。

それは怒りによってアドレナリンが増加したためである。アドレナリンは血糖値を上昇させる。アドレナリンのおかげで飲酒による低血糖から回復すると、いままでふらついていた足元や、ろれつの回らなかった口も急にしっかりし出す。上記の体当たり男にも、きっとこの現象が起きたのではないかと今では考えている。まだ通り過ぎていないはずの私がとっくに通り過ぎていることに気付いて、ついに彼の怒りが爆発したのだろう(まったく非論理的な怒りの理由だが、怒りは非論理的なほど爆発しやすい)。

まあしかし、怒りっぽくなるほど低血糖になるまで自分をコントロールせずに飲酒するのは問題である。これを簡単にコントロールする手段があって、以前もこのブログで取り上げたことがある。砂糖ではなくブドウ糖(ラムネ菓子)の摂取である。




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この記事へのコメント

1. Posted by     2012年07月01日 12:19
ラムネ菓子買ってきます
2. Posted by     2012年07月02日 08:21
ブドウ糖常備してある…。よかった。
3. Posted by 1   2012年07月02日 16:36
QT延長は脈が早くなったり遅くなったりする不整脈ではない。
R on Tといわれる状況を作りやすいだけであって心室細動や心室頻拍の原因にはなるが。

医学的に間違いだらけ。
ついでに言えば術後の患者で興奮性のせん妄を起こす事はままあるが、それで死亡した例にはお目にかかったことはない。

この記事は全体的に眉唾ですな。
4. Posted by あ   2012年07月02日 21:11
浮浪者の顔食ったゾンビ事件の真相これの可能性ありますか?
5. Posted by ornitina   2012年09月17日 09:36
怒鳴り続け、大量の汗をかいていた。
6. Posted by sea   2012年09月23日 22:46
ゴルゴムの仕業か
7. Posted by ティンバーランド ブーツ   2012年10月17日 15:34
5 何のためにイージス艦が護衛についてると思ってるんだ。http://www.lottetimberland.com/
8. Posted by バンズ   2012年10月30日 10:24
5 当たらなければどうということはない http://www.gorakuten.com
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5 引き締まった2本の下肢で再び立ち上がり目指す方角へ向けて走り始めたのだ。
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新宿 伊勢丹 モンクレール ペットから介助犬になり、車椅子生活を送る同市のコン

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