2010年04月11日

飛び降りようとしていた20歳女性と一緒に転落、自らが下敷きになって彼女を救った男性


建物から飛び降りようとしている若い女性がいるので思いとどまらせようとしていたら、その女性に服を引っ張られ、2人一緒に落下することになってしまった。こういう状況下で(一瞬のことだが)、あえて相手の下側に身を置き、クッション役になることを選択した男性がいる。

実際、彼のとっさの判断は功を奏し、女性は軽い怪我を負っただけで済んだ。彼は自らの命を犠牲にして、若い命を救ったのか? いや、彼も命に別状はない。ただし、両腕の骨を粉々に粉砕骨折してしまった。

その日(4月5日)、米国ペンシルバニア州リーハイ・バレーの介護施設をロバート・E・スミスさんという48歳の男性が訪れていた。彼は地元の教育委員会のメンバーであり、その日も仕事でその施設にやって来たのだった。

施設内の3階建ての建物の中にいると、誰かが大声で叫んだ。入所者が非常階段の一番上から身を乗り出して屋上によじ登ろうとしている、と。それを聞いてロバートさんは躊躇することなく、非常階段を駆け上がった。

ロバートさんはその入所者のことを前から知っていた。20歳の女性である。「危ないから降りてきなさい」と声をかける。だが、彼女は「飛び降りてやる」と言って聞かない。

このままでは本当に飛び降りてしまう。そう確信したロバートさんは彼女のいるところまで一気によじ登る。そして、彼女を引き留めようとしたのだが、逆に衣服をつかまれてしまう。すぐに2人ともバランスを崩し、落下を開始した。

その一瞬、ロバートさんは自分の体を彼女の下に置く姿勢を取ることにした。そうすれば自分の体がクッションになって、彼女が助かる可能性が高まるからだ。しかし、そう判断した次の瞬間には、もう地面に激突していた。

だがその判断は正しく、女性は地面に直接激突せずに済んだ。ロバートさんの背中に覆い被さるようにして落下したからだ。

ロバートさんは、うつぶせの状態でコンクリートの上に落下した。ただし、先に両手を突き出したので、顔面や頭部はあまり強打していない。先に両腕の骨が粉々になってから、額が地面に当たった。

女性は落下した後すぐに自力で立ち上がり、歩き始めた。ロバートさんは救急車で病院に運ばれた。両腕の骨が粉砕骨折していたが、脳には異常が認められなかった。

経験豊富な外科医が手術を執刀したが、ここまでひどい怪我を負っていていながら命に別状がない例など過去に経験がないと家族たちに語ったほどである。

とにかく両腕の骨が粉々になっているため、これから何度も手術を受ける必要がある。ギブスなど装着することもできない。ロバートさんの腕が元通り機能するようになるかどうかは、現時点では定かではない。長いリハビリ期間が待っている。

ロバートさんの叔父、トーマス・カッチシンさん(59歳)は言う。「甥は、そういうタイプの人間なんだ」と。トーマスさんによれば、ロバートさんはプロボクサーと見まがうばかりの精悍な体躯をしているそうだ。体が丈夫だったから助かったのかもしれない。

48歳のロバートさんには妻と3人の子、さらに3人の孫がいる。地元の教育委員会では、過去に何度か委員長を務めたこともある。

ロバートさんを巻き込んだ方の女性は、手足の指を数本骨折した程度の怪我しか負わなかった。彼女から何らかの感謝の言葉があったかどうかは不明だが、本当に死にたかったのならやはり感謝はしていないのかもしれない。

だがそうだとしてもロバートさんは、身を挺してでも、この娘を救わないといけないと思ったのだ。自分の体をクッションにするというそのとっさの発想、たくましくもあり、優しさに満ちてもいる。

その一瞬後には死が待ち受けているかもしれない極限状況に置かれたときにこそ、人はその本質を明らかにするのかもしれない。こういうときに自分だけは生き残ろうとする人もいれば、利他的に行動できる人もいる。ロバートさんはまさに後者だった。

【蛇足】

本件、フジテレビと日テレの某番組のネタとしてうってつけにも見えるが、この20歳の女性は心を病んでこの施設に入所しているはずであり、微妙な問題をはらんでいる。

そういえば、先日、テレビ局社員から直接メールが来た。“民放”ではないあの局である。へんてこなタトゥーを番組で取り上げたいので、おたくのサイトにある写真を提供してくれないか、という依頼。

携帯番号もメールに書いてあったので電話してみた。わざわざ連絡してやったのに、なんだか無礼な物言いをされた気がする。社会人の挨拶の仕方を知らないふうというか。だいいちメールの文面も、写真を提供してくれて当然みたいな書きっぷり。

結局、「ググレカス」の旨をお伝えして電話を早々に切った。当ブログの『海外のお馬鹿な漢字タトゥー図鑑』という記事に掲載した写真は、読者の人に提供してもらったものであり、テレビで使えるほど大きなサイズのものではない。だから、Google画像検索などで検索した方が早いですよ(=ググレカス)と伝えて電話を切った次第。




■ Source: Man falls 30 feet saving suicidal woman | Philadelphia Inquirer | 04/08/2010

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この記事へのコメント

1. Posted by <emoji:eye><emoji:eye>   2010年04月11日 03:27
冒頭の一段落だけで逝ってしまった俺マゾ?
2. Posted by 初めまして   2010年04月11日 03:31
他人から身を挺して助けて貰える事なんてそうありませんし、女性も少しは希望を取り戻したり…しないか。
男性からしたら、大変な事に巻き込まれてしまいましたね。
目の前で自殺されるショックを考えると、その結果も仕方のない事だったのかも。
腕が良くなれば、ですが。

国の人に常識が足りないのはセオリーですね。
テレビ自体、ネットを見下している感じですし。

バラエティ番組なんかより毎回とても面白いです。これからも更新頑張って下さい。
3. Posted by キリッ   2010年04月11日 03:33
これからは、あらゆる女性が自殺しそうなときは、俺たちがクッションになる
4. Posted by 名無し   2010年04月11日 07:34
1 せっかくのイイ話が、蛇足の放送局の話で興醒め
5. Posted by SUBE   2010年04月11日 13:53
精神を病んでいる人は、自分の意志と違って自殺を試みたりすることがあるので、だとすれば感謝しているかもしれません。

蛇足も含めて人間いろいろということでまとめてみたり。
6. Posted by AK   2010年04月13日 01:02
自分だったら、思いとどまらせようという行動すらできないだろうなあ…
ロバートさんすごい
7. Posted by さて   2010年04月14日 03:01
ネタ探しに来て、それを指摘されて顔真っ赤な名無しさん、お疲れ様です。
ミッキーさんの様に、少しは「自分で調べる」事を覚えてみてはいかがでしょうか?^^
8. Posted by あ   2010年04月14日 08:02
知人の所にも民放でない方が取材にきたが、横柄な態度と対応だったと怒ってたのを思い出したわ
9. Posted by あ   2010年04月15日 18:48
>ロバートさんは、うつぶせの状態でコンクリートの上に落下した。ただし、先に両手を突き出したので

痛すぎワロタ
手の平とか原型留めてないだろうなぁ
10. Posted by ω   2010年04月16日 01:20
テレビの中の人は今の悲惨な視聴率でもまだ懲りないのか。
餌を与えなくて正解だったのではないでしょか。
11. Posted by 黒曜石   2010年04月16日 23:28
5 【蛇足】が痛快!
12. Posted by <emoji:saggitarius>   2010年04月17日 02:50
ネタより筆者の文章が好き
私のほかにもそんな読者が数万人はいる
と思う

珍しいネタにそんなに飢えないし、
それを評点に求めてもいないのは
私だけでしょうか?
13. Posted by    2010年04月26日 14:57
ゆっくりのペースでも読者は全然構わないので更新頑張ってください。
このブログすごく好きです。
テレビ局の阿呆は放置するに限ります。
14. Posted by NHKへようこそ   2010年05月02日 19:27
仮にも国営放送の局員が自分の目と足を使わずにネットで人さまのサイトからネタ拾いねぇ・・・TBSみたいな恥知らずならともかく。
ま、もう受信契約解除したんで勝手にすれば、って感じですが。
15. Posted by 東大卒   2010年05月10日 20:45
1 粉々に粉砕骨折って表現…頭痛が痛いってのと一緒ですので日本語の使い方に気を付けましょう
16. Posted by 名無しさん   2010年06月10日 02:20
なんか冷めた
二度と来ないわ
さようなら
17. Posted by ハワイアン   2010年06月29日 00:45
ここテレビ局社員多すぎワロタ
18. Posted by check out your url   2014年05月11日 02:01
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