2009年07月23日

逮捕状を出されていた男が3億7千万円相当の宝くじ当籤金を受け取りに堂々と現われる ― 逮捕されても勝ち組?


カナダ・オンタリオ州南部のブランプトンにバリー・シェルという45歳の男がいる。善良な市民とは言えない人物だ。窃盗を働いた疑いなどで、2003年に裁判所から呼び出しがかかっていたが無視して出頭せず。その後、警察が逮捕状を取ったが、なぜか捕まることもなく地元でのうのうと暮らしていた。

自分の悪運の強さを信じていたのだろう。だが、自分に備わっているのはあくまで「悪運の強さ」であって、一夜にして億万長者になるような幸運とは無縁だと思っていたはずだ。でなければ、窃盗を働いたりはしなかっただろう。

先日、彼はブランプトン市内のガソリンスタンドで宝くじを買った。オンタリオ州立のカジノ公社OLG(Ontario Lottery and Gaming)が発行している籤券である。

後日、宝くじを買っていたことを思い出したシェルは店頭に出向き、セルフサービス式の籤券チェック機で自分の籤券をチェックした。なんと、チェック機の画面には「一等当籤」と表示されるではないか。

そして、当籤金額はカナダドルで$4,377,298と出ているではないか。日本円にして3億7千万円相当の高額当籤である。

我が目を疑うも何も機械がそう言っているのだから間違いのない事実だった。シェルはペンを握り、籤券の裏に自分のサインを書き込んだ。

シェルが当籤を知ったときの様子は、OLGのプレスリリースに掲載されたシェルのインタビュー記事に記されている。プレスリリースの記事の最後には、こう書かれている。「当籤なさった45歳の男性は、当籤金をどう使うかまだ決めかねているそうです」

7月20日、シェルはOLGの本社に出向き、日本円にして3億7千万円もの当籤金を小切手で受け取った。記念撮影も行われた。その小切手を誇らしげに手にして微笑んだ。カナダでも宝くじの高額当選者は氏名が公表され、写真が新聞などに掲載される。

高額当籤金を受け取った当日の夜は、五つ星ホテルで優雅に過ごすのもよいだろう。だが、シェルがその日の夜を過ごしたのは、ブランプトン市ピール署の留置場の中である。

OLG本社ビルの外で、ピール署の刑事たちがシェルを待ち構えていたのだった。逮捕の容疑は、裁判所からの召喚に対する不出廷、カナダ・ドルで5000ドル未満の窃盗、犯罪により入手した物品の保持の3件である。

宝くじ発行元のOLGはプレスリリースにシェルのインタビューを掲載しているくらいである。シェルが犯罪者だと知っていたとは思いにくいところだ。

しかし、OLGのルイ・ブラム氏によると、高額当籤者に関しては、厳密な調査を行うことにしているという。「問題のある記録が見つかると、AGCO(オンタリオ州酒類・賭博委員会)に付属してるオンタリオ州警察の分署にそれらの記録をただちに通知し、より詳細な調査が行われることになっています」

こうしてシェルに逮捕状が出ていたことがわかり、オンタリオ州警察がブランプトン市ピール署に連絡してきた。連絡を受けたピール署では、OLG本社ビルに署員を向かわせ、シェルを逮捕することにしたのだった。

「ザ!世界仰天ニュース」
おあつらえ向き度9
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欧米で宝くじの高額当籤者の氏名が公表されるのには、不正を難しくするとともに不正疑惑を払拭する意味もある。中国や東南アジアなどでは、宝くじに関する不正がしばしば問題になっている(抽選時のイカサマや当籤金の不正受給など)。日本では、不思議なことにいまだに高額当籤者の氏名が公表されないことから、疑惑を抱いている人たちがいなくもないようだ。

公平な宝くじに宿る幸運の女神は、バリー・シェルという小悪党にも公平に微笑んだ。とはいえ、シェルにしたら当籤金を受け取りに出向き、記念写真撮影まで受けるのは、おそらく逮捕覚悟のことであったはず。だが、逮捕されても、今や彼には巨額の富がある。

ソースでは特に触れられていないが、シェルが当籤金を剥奪されることはないと思われる。本人に支払い能力が出来てしまったのだから、刑事裁判と別に被害者から損害賠償訴訟を起こされ、盗んだ金品を遙かに上回る金額を要求される可能性はある。しかし、本人が億万長者になったせいで、有能な弁護士を雇うことも可能になった。




■ Source: TheStar.com | GTA | $4.4 M lotto winner jailed
(高額小切手を手にして微笑むバリー・シェルの写真あり)

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この記事へのコメント

1. Posted by ディオ   2009年07月23日 15:39
当たった金が賠償金なんやらで取られないといいね
2. Posted by 相田   2009年07月23日 17:22
>警察が逮捕状を取ったが捕まることもなく地元でのうのうと

していたのに、宝くじで高額当選を知ったら即逮捕する警察って…(笑)
3. Posted by     2009年07月23日 23:02
3億7千万円…
5000ドル未満の窃盗での賠償金なんてどんなに高くついても痛くもかゆくもないでしょう。
「5000ドル未満」という言い方からして、カナダで5000ドル未満なら重窃盗にならなそうだし。
違法物品所持3件程度で1千万とかの罰金がつくことも想像しにくい。

有能な弁護士を雇って実刑さえ免れれば万々歳だな。
入ってもせいぜい2,3年か。

羨ましい限りだ。
4. Posted by 公表   2009年07月25日 00:26
日本でも昔は当選者が公表されていた。
当選者の子供が誘拐される事件があって、
それからは公表することをやめた。

そんな話を聞いたことがあります。
ググったけど、ソース見つからなかった。
昭和だと思います。
5. Posted by 由太郎   2009年07月26日 02:16
5 >>4
自分も同じ話を聞いた事があります。

あと、今は個人情報保護法があるので、
当選者本人の同意を得ずして公表すると、
法律に抵触する可能性があるから、
公表していないのではないでしょうか?
6. Posted by 由太郎   2009年07月31日 23:39
http://www.asahi.com/national/update/0731/TKY200907310186.html

こんな事件が起きるようでは、
高額当選者の氏名の公表なんて危なっかしくてできませんな^^;

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